人見知りです。
その人に慣れるまで、継続的に会い続けて数年かかります。
途中、間があると振り出しに戻るくらい、内気。
しかも話下手…。
何故に、これほど緊張するのでしょう。
自意識過剰なのでしょうか。
そう考えるとなおさら恥ずかしくて、内にこもってしまいます
(だって…自意識過剰になるほど、たいした人間じゃないのに…とか思うと、
穴に入って隠れてしまいたいし)。
けれどもそうした人間ほど、突如思い立って、
自分の対人スキルに見合わないことをしてみたくなるものです。
気持ち、よく分かります。
『気まずい二人』三谷幸喜 角川書店 H12
この本は人気脚本家の三谷氏が、
人見知り克服法として強硬手段に出た、
という感じの対談集です。
喋るのが苦手なのに(特に女性と)、
あえて女優やタレントなど著名な女性たちと対談するっていう…、
もう、無謀な企画です。
あの間が持たない感じが、泣かせます。
そうそう、相手に気を使われるのが、かえってプレッシャーなんだよね。
また十朱幸代とか桃井かおりとか、つかみが難しそうな人ばかり選ぶから、
話しているうちに三谷氏破綻してるし、相手もポカンとするし。
読んでみると、常に周りから話を振ってもらえて、
気を使われる女優さんなどは、
自分から話を盛り上げるのが下手、という印象です。
言葉に詰まる三谷氏、逆に手玉に取りやすいはずなのに。
対談の最初と最後の回は八木亜希子さんなのですが、
彼女はさすがです。フォロー上手。頭の回転の速さが分かります。
会話の行方が見えないので、
(もやしと枝豆のくだりは話のきっかけというより…ゲストを困惑させるだけでは)
なんだか心配になりますが。
自分と重ね合わせるから身につまされ、いたたまれない思いになる訳で。
他人事だし、と割り切って読み進むと、笑えます。
個性豊かなゲストのそれぞれの優しさがほのかに見えます。
これって、連載から単行本になる時に、
事務所側の意向で未収録になったゲストが数人いるそうですね。
一人は激怒(?)して、雑誌掲載もできなかったという…。
スゴイな。彼女たちは対談に何を求めていたのでしょう?
むしろそちらの対人スキルの方が気になります。