名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋研究(547); 四間飛車に玉頭位取り(米長邦雄)

2017-06-11 | 大山将棋研究

☆ 昨日の復習

後手番板谷先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170611
昭和55年8月、米長邦雄先生と第28回王座戦です。


大山先生は四間飛車、米長先生は急戦のようですが

右銀を上がっても5筋の位を取れず、玉頭位取りです。

玉頭位取りと急戦両方というのは、やってはいけないという見本です。46を突くのは42角~64角に備えたわけですが

この振り飛車のさばきを抑えるのは大変です。

行きがかり上、4筋を攻めるしかなくて

大山先生の方は無理に動かれているのですからしっかり受け止めます。

角交換になり

自分だけ右桂を使えているので、米長先生が好調にも見えますが

桂を捨てて角飛交換ではうまくないですね。36歩にも25歩で効果なし。

37角を打たせて

後手を引いて

端で勝負するというのはひねり出した手順です。大山先生は馬を作れそうな大好きな展開になりました。

飛車をさばかれても47歩成が入れば優勢です。

攻め駒は4枚あるので、33桂~45桂と2手かけなくてもよいです。桂を打って、68銀には46角成か。
米長先生は48に銀を引きました。これは損ですが角を手に入れて

端を攻めれば形にはなっています。

46角も攻防のようでしたが、関係なく詰んでいました。

米長先生らしい奔放な序盤でしたが、思いつきでやってもだめなことが多いのですよね。持久戦で玉を固めるのと、急戦で攻めるのはミックスしてもうまくいきません。固めてから攻めるとか、相手が変な動きをしてきた(固める前に攻められそうになった)時に反撃を考えます。
その後はいかに米長先生でもうまくいきませんでした。こういう変則的(パラドックス)な指し方をされた時にはオーソドックスに組んで対応する(とがめる)のが一番良いです。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:米長邦雄王位
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5八金(49)
16 8二玉(72)
17 3六歩(37)
18 7二銀(71)
19 6八銀(79)
20 4三銀(32)
21 5七銀(48)
22 5四歩(53)
23 7五歩(76)
24 3二飛(42)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 4六歩(47)
28 5二金(41)
29 7七銀(68)
30 4二角(33)
31 7六銀(77)
32 3五歩(34)
33 2四歩(25)
34 同 歩(23)
35 4五歩(46)
36 5五歩(54)
37 同 角(88)
38 5三金(52)
39 4八飛(28)
40 3三角(42)
41 3五歩(36)
42 4五歩(44)
43 3七桂(29)
44 5二金(53)
45 3三角成(55)
46 同 飛(32)
47 4五桂(37)
48 3五飛(33)
49 5三桂成(45)
50 同 金(52)
51 2六角打
52 3四歩打
53 6六歩(67)
54 3七角打
55 3五角(26)
56 同 歩(34)
57 4九飛(48)
58 4六歩打
59 9五歩(96)
60 2七角打
61 2九飛(49)
62 3八角成(27)
63 2四飛(29)
64 4七歩成(46)
65 9四歩(95)
66 5八と(47)
67 同 金(69)
68 4九馬(38)
69 6七銀(76)
70 4五桂打
71 4八銀(57)
72 5八馬(49)
73 同 銀(67)
74 4八角成(37)
75 9三歩成(94)
76 同 香(91)
77 同 香成(99)
78 同 桂(81)
79 9四歩打
80 5八馬(48)
81 9三歩成(94)
82 7一玉(82)
83 4六角打
84 6九銀打
85 投了
まで84手で後手の勝ち


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20170611今日の一手(その522);構想で勝負

2017-06-11 | 今日の一手
20170611今日の一手

5月のR選手権、翌日のA級本戦から私の将棋です。形勢判断とこの先の構想を考えてください。


一昨日の一手の回答
序盤から見てみます。

76歩34歩77角でスタートしたので手順が変わっていますが、角換わり模様。14歩や72銀がおかしな手に見えて、25歩と突きだしました。

飛車先を換えた時に72銀が飛の横利きを止めているので横歩を取ろうとしたのです。23歩(23銀には同飛成同金32角)34飛33銀36飛28角18香19角成27角

がどうかと思っていたのですが、ひとつ前の図の13角で当てが外れました。こういう欺し合いは、「両取り見えない病」が発症しやすいです。

馬を作られて(34飛33歩36飛57角成)

歩損ではないので指せないことはなかったです。さらには馬を消せて(26飛35馬28飛83銀26角)

互角以上に戻りました。そして問題図(26同馬同飛84銀)

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは少し先手のほうが堅いか。57歩がないので何とも言えないですが。
先手の攻め駒は26飛と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は持ち駒角1枚。(将来は95銀から86歩で3枚になります。)

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
まだ構想を考えるくらいの段階ではありますが、後手が攻勢を取ろうとしています。棒銀を受けるか、かわすか、攻め合いにするか、という選択肢です。角換わりでは棒銀はかなり足の速い攻め方なのですが、問題図では2筋と5筋の歩が切れているので、どちらからか攻めることができます。
なお、57角から馬を作られるとまずいですが、今は46角か68角で大丈夫です。(後手は84銀ではなくて57角で馬を再度作ることもできました。)


× よほど57歩と打ってしまおうかと思いました。

これでも悪くないかなあ、とは思っていたのですが見送りました。95銀に75歩なら44角

28飛86歩同歩同銀同銀99角成

というのは後手よしです。

95銀に88銀でも

86歩同歩44角28飛87歩

どんどん攻められて負けます。選ばなくてよかったです。


△ おとなしく受けるなら28飛

のほうですが、95銀88銀

で後手も2歩持つことになる、というのは互角です。この図は23歩57歩と打ちあったとしたら手の損得も無いようで、全くの互角になりそう。銀の位置がどうか、ということくらいです。


○ 少しは欲張って96歩と受けると

94歩16歩に95歩から攻めるのは早すぎます。74歩なら15歩同歩12歩同香45角

という攻め筋があるので、

後手はこれに注意してどこかで23歩

と謝っておくのでしょう。45角は2筋もこじ開けて狙うほどの手でもないので、48玉42玉39玉34歩56飛

でひねり飛車のような中飛車を目指します。これが棒銀をかわす構想です。


○ 96歩を受けないで16歩でも

95銀には56飛42玉75角

が結構厳しい狙いです。64角と合わせるしかなくて、同角同歩54歩同歩同飛

というのは気持ちよいです。

56飛に62玉なら26角(感想戦でもこの筋に気が付きませんでしたが)

これも44角と合わせるしかなくて、同角同歩65角

これが受けにくいです。歩得か馬を作るかはできそう。

56飛に52玉なら96歩

で86歩は怖すぎるので、84銀に26飛と戻し(28歩や28角を嫌う)これからです。まあこう進むなら最初に96歩のほうが含みが多いでしょう。


△ ひねり飛車狙いなら最初に48玉

でもよいわけですが、42玉16歩52金96歩94歩66銀34歩39玉

28歩や57角の筋に気をつけつつ組むことになります。


△ 攻めるなら24歩が普通でしょうか。

でも壁銀を相手にするので、34歩23角33金

では指し過ぎです。

23角とは打ち込めなくて、56飛に62玉

24歩を打っていると利かした感じなのですが、玉を右に持っていきにくくなっているので良し悪しがあります。(24歩を取られる、後で26歩など玉頭を狙われやすい。)5筋を狙っても52玉か62玉が可能(26角に35角)なのでこの先は難しくなります。75歩28角17香19角成

なら74歩同歩23歩成同銀55角

という一発狙いはあります。後手は28角を打たないで84銀など備えておいて、難しい展開です。


○ 実戦では1、2筋には触らず、56飛と回りました。

42玉が普通の受けで(75角はない)36歩52金37桂

で5筋を狙いました。74歩(~73銀)なら54歩同歩同飛53歩74飛狙い。よって28角に18香19角成54歩同歩71角

これで72飛には54飛~84飛~82飛成なので手応えありです。83飛53歩51金54飛

18馬45桂31金52歩成同金53桂成

で寄せました。


☆ まとめ
56飛と回るのは中原流の56飛

をイメージしています。これよりは5筋の歩が切れているわけですからかなり攻めやすいです。
私は角換わり愛好家ですが、相掛かりの将棋も知識として知っておくと、応用できるわけです。
後手のMくんはまだ小学生(だったはず)、経験が少ないと知識の引き出しも少ないので、読みの力では劣るベテランでも、構想の勝負になると有利になりやすいです。(13角を食らった時にはやってしまったか、と観念しましたが。)
飛角桂3枚だけでも、後手陣の弱いところを攻めるならうまくいくことがあります。84の銀も目標になったので、きれいに決まりました。(4局目て疲れていて、とても読み切れませんでしたが、何とかなる感覚はありました。)

24歩から2筋を攻める、というのは壁銀を相手にしている感じで、26飛が狙われやすい、57に空間がある、という状況では踏み込みにくいです。

16歩から15歩同歩12歩同香45角、というのは狙える筋で、後手に何か受けさせたら得かどうか、という判断です。34歩、52金、23歩、など受ける手もおかしな手ではないので、おまけ程度。

すこしゆっくりなら、玉をどう囲うか、というのを考えるべきです。左に行くと(すぐには王手飛車ですし)棒銀に近づきます。39に持っていく構想のほうが良いでしょう。それなら棒銀は怖くないです。銀交換でも構わないかもしれません。

96歩は突いておくほうが無難で、ゆっくり戦うならわかりやすいでしょう。ただし玉を左に囲わないことです。





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第174回名南将棋大会(弐)速報

2017-06-10 | 名将会
今日は第174回名南将棋大会(弐)を行いました。結果速報です。


E級優勝
杉山哲也さん

長谷川武志さん
中山賢さん


F級優勝
鈴木明志さん

松原肇さん


G級優勝
大石泰志さん

河合孝一さん


H級優勝
村瀬賢二さん




優勝おめでとうございます。参加いただいた皆様ありがとうございました。

お知らせです。
南生涯学習センターのほかに、南保健所の駐車場も使えるのですが、現在は工事中で駐車スペースが限られています。ガイシホールの駐車場が近いですが、イベント次第で止めにくい場合もあります。
公共交通機関を利用するのが一番確実ですが、マイカーで来られる場合は余裕をもってお出かけください。
なお、センター事務局から、駐車してから料金を払うように(先払いでは空きがないかもしれない)との注意がありました。



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大山将棋研究(546); 四間飛車に居飛車穴熊(板谷進)

2017-06-10 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170610
昭和55年8月、板谷進先生と第39期名人挑戦者リーグです。


大山先生の四間飛車に板谷先生は居飛車穴熊です。

44に銀が出ないのに、45の位を取るのは珍しいと思います。

板谷先生は右銀を攻めに使いますが

65歩に銀を引いてしまいました。

33角と戻して4手損。これなら大山先生が作戦勝ちのはず。

でも75歩の反撃があるので簡単ではないです。5筋を抑えて

44歩を入れて88飛。これで抑え切れればよいのですが

77同角では44銀に同角と取れることになるので76飛くらいで居飛車が指しやすそう。飛で取って交換になり

飛の打ちあいで

駒を取り合います。

桂香と銀の二枚換えですが、長くなれば81桂91香は取れそうなので

大山先生は(43銀で剥がすのは駒を渡すのでやらないほうが良さそうでしたが)金を打って長期戦を目指します。

銀を出て角を取るのも自然ですが、銀を渡すことになるデメリットもあります。

板谷先生にじっと42歩と受けられて(42銀や53角を受けた)みると、後手の攻め駒が多いのです。
竜を引き上げることになり、形勢は混沌としてきました。

板谷先生が攻める番です。駒を剥がして埋めて

51香で1歩稼いで36歩。これは取りにくくて

大山先生は45銀から上に逃げていく受けです。

手順に馬を作り

うまくやった感じですが、金で抑えられて

銀も打たれ、上に逃げられなくなりました。

竜も消されて

自陣角で受けるのですが、これでは板谷先生が有利です。

穴熊に手がついていないので、強く攻められます。

強打が続いて

竜を切って両取り。大駒よりも攻め駒の数が問題なのです。2枚換えになるような手が好手になります。

大山先生の反撃も、飛を渡しにくくてここまで。

板谷先生は少しゆっくり、切れないように攻めればよいです。

こういうところ、馬を惜しんで35桂だと紛れますが

馬を切って桂を跳ね

端に押さえつけられるなら難しくはないです。

35桂を取られても、ちょっと遠くから銀を打って

35金を取れたのですから攻め駒は減りません。大山先生の受けも手ごわいですが

金銀が持ち駒に無くなって

ゆっくり攻めるだけです。

端に追って

投了図。

中盤のわかれとしては振り飛車が少し良いのですが、穴熊が攻略できずに、中途半端に駒を渡してしまいました。大山先生が楽観していたのでしょうか、悪くなさそうな手順というのが曲者でした。銀で金を剥がす、銀で角を取る、というのが攻め駒を渡すので効果が薄かったのです。
後手をもって、後半の確実な攻め方を勉強しておきましょう。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:板谷進8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 5三銀(62)
15 6七銀(78)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 3三角(22)
19 5八金(69)
20 2二玉(32)
21 3八銀(39)
22 1二香(11)
23 4六歩(47)
24 1一玉(22)
25 3六歩(37)
26 2二銀(31)
27 4七金(58)
28 3一金(41)
29 3七桂(29)
30 4二角(33)
31 4五歩(46)
32 5一金(61)
33 2六歩(27)
34 4一金(51)
35 2七銀(38)
36 8五歩(84)
37 7七角(88)
38 6四銀(53)
39 3八金(49)
40 7四歩(73)
41 6五歩(66)
42 5三銀(64)
43 5六歩(57)
44 3二金(41)
45 6六銀(67)
46 3三角(42)
47 5五歩(56)
48 同 歩(54)
49 同 銀(66)
50 8六歩(85)
51 同 歩(87)
52 7五歩(74)
53 5四歩打
54 7六歩(75)
55 6六角(77)
56 4二銀(53)
57 4四歩(45)
58 同 歩(43)
59 8八飛(68)
60 7二飛(82)
61 7八飛(88)
62 8八歩打
63 同 角(66)
64 7七歩成(76)
65 同 飛(78)
66 同 飛成(72)
67 同 角(88)
68 7八飛打
69 5二飛打
70 8八歩打
71 5三歩成(54)
72 同 銀(42)
73 同 飛成(52)
74 8九歩成(88)
75 6六角(77)
76 9九と(89)
77 4三銀打
78 同 金(32)
79 同 龍(53)
80 4九銀打
81 6九金打
82 9八飛成(78)
83 5八歩打
84 3八銀成(49)
85 同 銀(27)
86 5七歩打
87 4四銀(55)
88 同 角(33)
89 同 龍(43)
90 4二歩打
91 5三龍(44)
92 5八歩成(57)
93 同 金(69)
94 4三金打
95 5六龍(53)
96 5五歩打
97 6七龍(56)
98 3五歩(34)
99 同 歩(36)
100 5六銀打
101 同 金(47)
102 同 歩(55)
103 4七銀打
104 5二香打
105 4四歩打
106 3三金(43)
107 5四歩打
108 同 香(52)
109 5五歩打
110 3六歩打
111 4五銀打
112 3七歩成(36)
113 同 玉(28)
114 5三桂打
115 5六銀(45)
116 5五香(54)
117 同 角(66)
118 5四歩打
119 9一角成(55)
120 5五桂打
121 同 銀(56)
122 同 歩(54)
123 同 馬(91)
124 4五金打
125 6六馬(55)
126 4四金(33)
127 4六歩打
128 3六歩打
129 2七玉(37)
130 5五銀打
131 4五歩(46)
132 6六銀(55)
133 同 龍(67)
134 5五角打
135 同 龍(66)
136 同 金(44)
137 2八角打
138 4五桂(53)
139 2九桂打
140 3七飛打
141 同 桂(29)
142 同 歩成(36)
143 同 銀(38)
144 同 桂成(45)
145 同 角(28)
146 4六銀打
147 6八香打
148 3七銀成(46)
149 同 玉(27)
150 6八龍(98)
151 同 金(58)
152 5九角打
153 2七玉(37)
154 6八角成(59)
155 3四香打
156 3三歩打
157 同 香成(34)
158 同 桂(21)
159 5一飛打
160 2一香打
161 6一飛打
162 4一香打
163 2八銀打
164 4三桂打
165 4四銀打
166 4六金(55)
167 同 銀(47)
168 同 馬(68)
169 3七金打
170 4五馬(46)
171 3六桂打
172 4四馬(45)
173 同 桂(36)
174 3五桂(43)
175 1八玉(27)
176 3六歩打
177 同 金(37)
178 3八銀打
179 3七金打
180 4七金打
181 3八金(37)
182 同 金(47)
183 3五金(36)
184 4六銀打
185 2九桂打
186 3五銀(46)
187 2七銀打
188 2八金(38)
189 同 玉(18)
190 3六銀打
191 3八金打
192 2七銀成(36)
193 同 金(38)
194 3六銀打
195 3八銀打
196 4八金打
197 6九角打
198 3九金打
199 3六金(27)
200 3八金(39)
201 2七玉(28)
202 3六銀(35)
203 同 玉(27)
204 4五銀打
205 2七玉(36)
206 2九金(38)
207 5七角打
208 2八金打
209 1七玉(27)
210 3八金(48)
211 1五歩(16)
212 1九金(29)
213 2五歩(26)
214 3四桂打
215 投了
まで214手で後手の勝ち

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大山将棋研究(545); 四間飛車に居飛車穴熊(加藤一二三)

2017-06-09 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?

☆ 今日の棋譜20170609
昭和55年7月、加藤一二三先生と第7回名将戦です。


大山先生の四間飛車に加藤先生は居飛穴です。負けても関係なくて、自分が納得するまでは続けるのですよね。

大山先生は56銀の形で、少し居飛穴は弱体化しています。今なら51角~73角~32飛という指し方でしょうか。加藤先生は72飛で千日手含みの揺さぶりです。

大山先生は構わず45歩同歩同銀。角を交換してもらえれば61角~34銀があります。よっておとなしく44歩で

7筋の歩交換を許し、55歩があるので78歩と備えます。これで加藤先生は手を作りにくいのです。普通は74飛~64歩ですが、あまりやりたくない気もします。

76飛~86歩同角(86同歩は85歩か)に55歩、苦心の手順です。55歩よりは88歩77歩86飛同歩89歩成かも。

銀を引いて飛を追われ、角と交換することになったのですが

手順に香を取っても、それ以上はありません。このわかれは振り飛車が良さそう。

加藤先生は4筋から攻めて

桂馬を得て

王手飛車の筋ですが

飛車を切られて桂損で金当たりでは駄目でしょう。

香を打ちあっての寄せ合いですが、穴熊が薄すぎます。ここで角を逃げても仕方なく

飛角の取り合いで

そのまま一直線で大山先生の勝ちです。

本譜の攻め方は居飛穴が飛桂だけで攻めるのでうまくいかなさそう。どこかで45歩から決戦できるのならよいのでしょうが。大山先生からあまり難しい手はないのですが、こういうのが自然に勝つということでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:加藤一二三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 5三銀(62)
15 6七銀(78)
16 3三角(22)
17 3八銀(39)
18 2二玉(32)
19 4六歩(47)
20 1二香(11)
21 5六銀(67)
22 4四歩(43)
23 5八金(69)
24 5二金(61)
25 3六歩(37)
26 4三金(52)
27 1六歩(17)
28 1一玉(22)
29 4七金(58)
30 2二銀(31)
31 3七桂(29)
32 8五歩(84)
33 7七角(88)
34 3一金(41)
35 1五歩(16)
36 7四歩(73)
37 6五歩(66)
38 7二飛(82)
39 4五歩(46)
40 同 歩(44)
41 同 銀(56)
42 4四歩打
43 5六銀(45)
44 7五歩(74)
45 同 歩(76)
46 同 飛(72)
47 2六歩(27)
48 7三桂(81)
49 7八歩打
50 7六飛(75)
51 9八香(99)
52 8六歩(85)
53 同 角(77)
54 5五歩(54)
55 6七銀(56)
56 7四飛(76)
57 6六銀(67)
58 8五歩打
59 7五銀(66)
60 8六歩(85)
61 7四銀(75)
62 8七歩成(86)
63 8一飛打
64 9八と(87)
65 7七桂(89)
66 5六歩(55)
67 同 歩(57)
68 2四角(33)
69 4六歩打
70 4五歩(44)
71 同 桂(37)
72 5四銀(53)
73 4八飛(68)
74 4四歩打
75 5三桂成(45)
76 同 金(43)
77 9一飛成(81)
78 4五歩(44)
79 同 歩(46)
80 6五桂(73)
81 3一龍(91)
82 同 銀(22)
83 6五桂(77)
84 4六歩打
85 3七金(47)
86 6五銀(54)
87 同 銀(74)
88 4七香打
89 2五香打
90 6九飛打
91 2四香(25)
92 4八香成(47)
93 2三香成(24)
94 1六桂打
95 2七玉(28)
96 3八成香(48)
97 3三角打
98 投了
まで97手で先手の勝ち




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20170609今日の一手(その521);堂々と受ける;追記あり

2017-06-09 | 今日の一手

20170609今日の一手

これも5月のR選手権予選から、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは少し後手のほうが堅いです。(84歩の存在を考えると差は小さいです。)
先手の攻め駒はありません。ただし駒がぶつかっているのですぐに増えます。
後手の攻め駒は34飛13角45銀で3枚。

総合すれば後手有利です。

☆ 大局観として
先手不利にも見えるかもしれませんが、84歩の存在(継ぎ歩に垂れ歩の手筋)があり、玉の堅さがあまり違わないから互角だと思っていました。美濃囲いは上部からの攻めには弱いのです。
左玉なので、右翼を攻められるというのは歓迎ですし、38にいた金を寄せられたので手ごたえがありました。

ここからは受けるか、逆に寄せを目指すか、中間の攻め合いにするか、方針が分かれます。この手を指せば受け、攻め、攻め合いというのがわかりますか?

後手からは66歩同金46銀同歩57銀と攻める手があります。これを受け入れるかどうか。
先手から45銀と取れば角交換+銀交換での攻め合いになりそう。
先手だけ攻めようとするなら、生け贄を指し出して、その間に攻めます。


○ 素直な65同歩は

堂々とした受けの手です。84飛には85銀34飛84歩としておいて

82歩と謝ったら45銀と取ります。後手の応手もいろいろありますが、57歩成

が一番良さそう。57同角同角成同金上45桂56金直

これは先手が受けきった感じです。

後手は82歩の余裕がなくて66歩

から攻めるのでしょう。66同金46銀同歩57銀同金同歩成同角45桂

と桂を跳ねるのは気持ちよいですが、79角と引いて案外に手がなく、58金くらい。83歩成同銀82歩

受けきりは狙いにくいですが、反撃が利きます。82同玉と呼んで84歩72銀83銀71玉72銀成同金83歩成同金54銀

長い手順ですが、形を乱して上から攻める感じで先手優勢です。

後手の84飛は効果が薄いので66歩

からすぐに攻めるほうでしょう。前と同じ手順で、66同金46銀同歩57銀同金同歩成同角45桂79角58金

85飛82歩で歩切れにさせて、67銀打57桂成58銀同成桂67銀

57銀56金68銀成同角同成桂同玉38角83桂

2枚換えになると後手の攻めが鈍りますから、反撃して寄せに行けば先手優勢です。

後手は45桂を控えて47金

のほうが駒を渡さない攻めです。79角46金85飛82歩

これで先手が悪くないはず、なんですが次の手がわかりません。変に攻めて後手の飛が4筋に移動すると56金同金79角成同玉49飛成、という怖い筋があります。最善手不明ですが、先手ややよしくらい。


△ 65同銀と取れば

66歩とたたかれることはないです。84飛に76銀と

我慢できるかどうか。65同歩84飛の局面と比べると2手損なのです。それにこだわらなければ互角です。

普通は我慢できなくて45銀と取りそう。

57歩成同角同角成同金上45桂

56金直57歩68金に86歩85歩87角

という怖い筋があります。67玉58銀同金同歩成に35角

でなんとか受けが利いて、難しい勝負です。


× 85飛と出て

82歩を打たせれば気分が良いところですが(後手からの84飛が無くなる)、66歩同金82歩には89飛くらい。

やはり46銀同歩57銀同金同歩成同角45桂

と攻められて、79角58金67銀打57桂成58銀同成桂67銀に57歩

最初に65同歩と取る変化に比べて、後手の持ち歩が2つ多いのです。これは受けきりにできず、攻めるのも気持ち悪いですから後手有利。


○ 実戦では65同桂

これで攻め駒を増やした、ということになります。角銀は交換できるので3枚、あとは89飛を使えれば、というのが理想です。ただし64歩で桂を殺されますからその間に攻め切れるかどうか。
64歩45銀68角成同金45桂に43角

ここで33飛もかなり有力(変化が難しいけれど飛車を捨てて攻め合いに持ち込む)でしたが、44飛が実戦で、61角成同玉53金に52銀

まで進めて、案外難しい、と考えこみました。金を打つ前に83歩成同銀を入れておくのだったか(83に打ちこむことを考えて見送った)とかも思いましたが、54銀とかぶせておけば寄りでした。
そこを筋よく行ったつもりで、63金同銀右53銀71角

飛は取れても形勢不明です。(44銀不成65歩43金44角同金57銀45金86桂)と進んで

いまさら逃げていられないので86同飛同歩21飛(保留するのが正しかった)41歩54桂に89角

激しい攻め合いです。でもこの角が実は悪手とは思いませんでした。(87角なら後手有利か。)89同玉68銀成に83角

で後手の合駒が悪く、71玉に35角82玉68角

で逆転です。以下も易しくはないのですが、私の勝ちに終わりました。スリリングで面白い将棋でした。Tさんありがとうございました。


× 最後は45銀と取る手です。

68角成同金45桂に46銀

と受けるくらいなので駒損になります。57歩成同銀同桂成同金右84飛85銀

で34飛か、あえて24飛で35角と打たせるか、というのは互角です。駒損なのは気になりますが、83歩など反撃の筋もありますから。

追記;コメントがあり、45銀68角成に同玉でどうかと。

45桂56金66歩

45金は56角でだめですが、67歩と合わせて受けるか、66同金として84飛に(83歩成同銀56角の筋がある)46銀

と持ち駒は盤面に打って受けます。これなら駒損にならないからまあまあですね。45桂を取る楽しみがあります。

後手は角を換えないで45同桂

もあります。13角成同香に56金と受けますが、66歩

が取れません。68歩84飛85銀24飛35角44歩

飛角交換を誘い、45桂に支えを作る味が良さそう。24角同歩に82歩同玉74銀

という攻め筋はありますが、後で76銀と打たれると危ないです。

こういう感じ。


☆ まとめ

素直な応手は65同歩ですが、66歩と叩かれて46銀から攻められても大丈夫か、という読みが必要です。感覚的には受けていても84歩の存在が楽しみなのですが。
76に銀がいる形なら84飛には85銀と返せるわけで、その筋は怖くないです。そこまで考え合わせると65同歩が正着でしょう。こういう堂々とした受けで勝ちたいと思っているのですが、つい相手のねらい筋ははずしたくなるので避けてしまうのですよね、反省です。

65同歩に比べて65同銀は利かされた感じが強く、84飛と払われるのがしゃくに障ります。ですが2手損を気にしなければこれから。

85飛は82歩と受けてもらえるなら得ですが(受ける意味では得で、攻めるなら83への打ち込みをやりにくくなるから攻めるには損なのかと考えていました)、66歩同金で後手の持ち歩が2枚増えます。受けている時には相手の持ち駒を意識することが必要です。歩1枚でも、あるいは金銀の違いくらいでも、得をした方が受けやすいのです。だから細かい違いを気にしています。

45銀と先手から取るのは、後手の56歩の拠点が生きそうなので、あまりやりたくはないです。後手から46銀と取らせて同歩の形で13角の筋が止まるので受けやすくなります。

実戦の65同桂は攻め駒を増やす手です。ただし桂馬は殺されるので、その間に手を作れるかを読む必要があります。一目は何とかなりそうなのですが。





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大山将棋研究(544); 陽動振り飛車(内藤国雄)

2017-06-08 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?

☆ 今日の棋譜
内藤国雄先生と第39期名人挑戦者リーグです。


内藤先生の振り飛車模様でしたが、左美濃か矢倉かに切り替えです。陽動居飛車というほうが当たっているのかも。

大山先生は中央の位を取ります。内藤先生は棒銀で攻めようとしました。

大山先生の受け方が振り飛車みたいなんですよね。

三間飛車に。戦型は陽動振り飛車としておきます。

銀を追い返して石田流みたいになりました。

ただし左銀は53なので、玉を(後手の)右側に持っていくことはできません。

内藤先生は86角~77角で手損をしているようですが、52金と上がらせて85歩同歩82歩を狙っています。大山先生は飛を浮いて25飛の準備。これは85歩25飛同飛同桂で相入玉のコースかと思ったら

25で飛交換は後で37歩成があるから後手が良さそうですか。24歩から1歩手に入れるのは妥当な判断だと思うのですが(23歩18飛25飛27歩と我慢して85歩同歩82歩狙い)、これには23金から

26歩~24飛を食らうとまずい。うまいカウンターでした。内藤先生は暴れるしかなく

銀を進出して歩を突き捨てて、と動きます。

でも25歩同銀同桂24金、飛を追われだすとうまくないです。

飛は取られることになり

大山先生は29飛成がまわれば勝ちです。

内藤先生はうまく両取りをかけたようですが

銀を打たれて防がれました。まあ新聞用に見せ場を作ったということでしょう。

投了図。

大山先生はもともと力戦を好む居飛車党でしたから、定跡型ではない相居飛車なら困りません。内藤先生などは対抗型でうまくいかないので、時々工夫して見せるのですがうまくいかないんですよね。
中央の位を取られて角筋が二重に止まり、銀と飛だけで3筋を攻めるというのではうまくいかないです。1筋あるいは2筋の守りは薄いので、そちらに手があればよかったのですが。力戦になると大山先生のうまさがわかります。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:内藤国雄9段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 5八金(49)
8 5四歩(53)
9 2六歩(27)
10 5五歩(54)
11 2五歩(26)
12 3三角(22)
13 4八銀(39)
14 5三銀(62)
15 3六歩(37)
16 4二銀(31)
17 3七銀(48)
18 4四歩(43)
19 6八玉(59)
20 4三銀(42)
21 2六銀(37)
22 4五歩(44)
23 3五歩(36)
24 4四角(33)
25 3四歩(35)
26 3二飛(82)
27 3七銀(26)
28 3四飛(32)
29 6七銀(78)
30 3六歩打
31 4八銀(37)
32 3三桂(21)
33 7八玉(68)
34 3二金(41)
35 9六歩(97)
36 4一玉(51)
37 6八金(69)
38 6四歩(63)
39 7五歩(76)
40 3一玉(41)
41 1六歩(17)
42 1四歩(13)
43 7七角(88)
44 9四歩(93)
45 8六角(77)
46 5二金(61)
47 7七角(86)
48 2二玉(31)
49 8六歩(87)
50 3五飛(34)
51 2四歩(25)
52 同 歩(23)
53 同 飛(28)
54 2三金(32)
55 2八飛(24)
56 3四飛(35)
57 3七歩打
58 同 歩成(36)
59 同 銀(48)
60 3六歩打
61 3五歩打
62 同 飛(34)
63 2六銀(37)
64 3四飛(35)
65 6五歩(66)
66 同 歩(64)
67 1五歩(16)
68 同 歩(14)
69 5六歩(57)
70 2五歩打
71 同 銀(26)
72 同 桂(33)
73 同 飛(28)
74 2四金(23)
75 4五飛(25)
76 3五金(24)
77 5五飛(45)
78 同 角(44)
79 同 歩(56)
80 2四飛(34)
81 5四歩(55)
82 4四銀(53)
83 5三歩成(54)
84 同 金(52)
85 4二角打
86 3三銀打
87 5一角成(42)
88 2九飛成(24)
89 6九歩打
90 6六桂打
91 投了
まで90手で後手の勝ち

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大山将棋研究(543);中飛車に45歩急戦(山口千嶺)

2017-06-07 | 大山将棋研究

☆ 昨日の復習

先手番中原先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170607
昭和55年7月、山口千嶺先生と第28回王座戦です。


山口先生は四間飛車だと思っていましたが中飛車です。「英ちゃん流中飛車」は54歩を突かない駒組みです。ここで45歩同歩33角成同桂24歩の時に46角23歩成28角成33と、そこで54銀と逃げられるという寸法で、この図では45歩の仕掛けがないのです。でも32金と備えておいたら大山先生はどう指したかというのは気になります。加藤流の袖飛車をやったとは思えないのですが。

57銀と上がった後なら46角はないわけで、45歩の仕掛けができます。54歩を突いてあれば55歩同角54飛という受け方もありますが、突いていないのですから32金。

この形は居飛車が46歩と控えて打って、45桂を狙うというのが手筋です。

大山先生の天守閣美濃も珍しいと思いますが

結局は銀冠に組み替えです。山口先生は玉の堅さで劣るので仕掛けどころと見ました。

44銀が動けば33角の利きが通ります。

大山先生は予定通りの45桂で反撃。

山口先生としては先に45飛もありましたが37歩成。これは王手で取られるのですが、その前に34銀と抑え込みを狙われました。ここが勝負の分かれ目です。28と43銀成ではまずいですが、45飛同銀28とはありそう。次の49飛が両取りです。

41飛でチャンスを逃しました。王手で37と を払えば大山先生が指しやすいです。

駒損でも山口先生は桂を使って筋よく攻めます。

角を取られても飛をさばき

飛桂交換でも勝負の形になっています。これで後手玉が堅ければよい勝負ですが。

馬を作り、金を剥がしに行き

駒損でも と金で攻めようとしています。

だけど後手玉が堅くないのです。大山先生の寄せは75桂から。

大駒を急所に打って、でも粘られた感じですが、

角を切って62歩成。軽い決め手がありました。75桂が大活躍です。

51香を取れればもう少し。山口先生の攻めも確実ですが、小駒だけなので足は遅いです。

取った香を83に打って寄り筋でした。

後手玉は詰めろ。投了です。

山口先生は筋の良い振り飛車党なのですが、大山先生の34銀で惑わされました。打つ方も空振りになると形勢が悪くなるので勇気が必要ですが、本局はうまくだましてしまった感じです。
大山先生の寄せ方を学んでおきましょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:山口千嶺6段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 5二飛(82)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 5八金(49)
14 6二玉(51)
15 2五歩(26)
16 3三角(22)
17 3六歩(37)
18 7一玉(62)
19 4六歩(47)
20 8二玉(71)
21 9六歩(97)
22 9四歩(93)
23 5七銀(48)
24 6四歩(63)
25 1六歩(17)
26 1四歩(13)
27 4五歩(46)
28 3二金(41)
29 4四歩(45)
30 同 銀(43)
31 3七桂(29)
32 4二飛(52)
33 4六歩打
34 5四歩(53)
35 8六歩(87)
36 7四歩(73)
37 8七玉(78)
38 6三銀(72)
39 7八銀(79)
40 7二金(61)
41 6六歩(67)
42 8四歩(83)
43 6七金(58)
44 7三桂(81)
45 7七角(88)
46 4三飛(42)
47 8八玉(87)
48 4二金(32)
49 6八角(77)
50 5二金(42)
51 7七桂(89)
52 6二金(52)
53 8七銀(78)
54 6五歩(64)
55 同 桂(77)
56 同 桂(73)
57 同 歩(66)
58 3五歩(34)
59 2四歩(25)
60 同 歩(23)
61 6六銀(57)
62 3六歩(35)
63 4五桂(37)
64 同 銀(44)
65 同 歩(46)
66 3七歩成(36)
67 3四銀打
68 4一飛(43)
69 4六角(68)
70 5五歩(54)
71 3七角(46)
72 3六歩打
73 2六角(37)
74 5四桂打
75 7七銀(66)
76 6六歩打
77 6八金(67)
78 3七歩成(36)
79 同 角(26)
80 7三桂打
81 3三銀(34)
82 同 桂(21)
83 2三角打
84 4五飛(41)
85 同 角成(23)
86 同 桂(33)
87 5五角(37)
88 4七角打
89 6四歩(65)
90 5二銀(63)
91 7八銀(87)
92 5六角成(47)
93 1一角成(55)
94 5七桂成(45)
95 同 金(68)
96 同 馬(56)
97 5九香打
98 5六歩打
99 5七香(59)
100 同 歩成(56)
101 5三歩打
102 同 銀(52)
103 7五桂打
104 6四銀(53)
105 6三歩打
106 6一金(62)
107 4四馬(11)
108 5三歩打
109 4三角打
110 7一金打
111 2一飛打
112 5一香打
113 6一角成(43)
114 同 金(71)
115 6二歩成(63)
116 同 金(61)
117 5一飛成(21)
118 7五銀(64)
119 同 歩(76)
120 6七と(57)
121 6四金打
122 7七と(67)
123 同 銀(78)
124 6五角打
125 8三香打
126 同 玉(82)
127 9一龍(51)
128 8七銀打
129 7九玉(88)
130 8二金(72)
131 6三歩打
132 投了
まで131手で先手の勝ち



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20170607今日の一手(その520); 反撃を見せる

2017-06-07 | 今日の一手

20170607今日の一手

これも5月のR選手権予選から、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。(細かく比較すると、先手玉は上部に厚く、後手玉は横からの攻めにも強い。)
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒はありません。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
本局は私が先手で76歩34歩77角に同角成から始まっているのですが、後手番で33桂の形での角換わり、というのを30年来(時々思いだしたように)指しています。対局相手も大学の後輩のK君で、懐かしい戦型です。私の中では少しずつ進化していて、攻撃力は少ないけれど、少し固く囲ってみました。
後手は65歩からの銀桂交換が狙い(飛銀桂が攻め駒になる)ですが、73角と打たれる傷があるので自陣に82角と据えたわけです。
65歩から動かれたら後手の攻め駒はうまくいけば4枚になります。先手は攻め駒1枚ですが、28飛はすぐに使えるとしても、3枚目、4枚目の攻め駒は難しいですね。左側に目を向けながら、やや受け身で指すことになりそうです。


○ 実戦は35歩同歩26飛と進めたのですが、これは定跡の応用です。

これはやや古い形なのですが、30年前に谷川先生が開発した攻め筋があって、25桂24銀28角

から415歩同歩64角を目指す攻め筋で、それまで角換わり腰掛銀は千日手になると思われていたのがひっくり返りました。
これを15年前に後手を持った郷田先生(20020801棋聖戦第5局で、注釈康光戦記に詳しい)が75歩同歩84飛

と受けて、45歩同歩同銀に76歩同銀45銀同飛54角

という筋で有利になった(ただし銀得でも大差ではない)、というのが基礎知識。75歩を手抜いて、というのも検討されましたが、現在ではこの攻め筋は見送られています。先手は4筋に飛をまわるよりも、2筋のまま攻めるほうが主流です。

さて、それを元に問題図からでも35歩同歩26飛

と受けたわけです。65歩に同桂同桂34歩

普通の腰掛銀と違って、桂交換になるので後手から34桂を打たれないように注意します。(34桂28飛46角を嫌った)34同銀65歩に55桂

何だろう?と思いました。まあ65銀同銀同飛56角が両取りになるというのは同じですから、それは回避するだろうと思っていたのですが。応手はいろいろありますが、66金が普通のはず。47桂成?

これで感心してしまったのが間違いでした。うまい手ではないだろうという直感と、69飛成を食らってまずい、という読みが違う結論を言っているわけです。
これは直感のほうが正しくて、素直に47同銀65銀同金同飛56角69飛成に79金

56の角が78に利いているのです。78金がないので大丈夫。ここまで読めませんでした。(私が読む深さはその日の体調次第です。)49竜なら58銀打から34角がまわれば勝ちです。竜を作られていても金と銀銀の交換ならばいいでしょう。(長年の修行で少し読めるようになった、というのが間違いのもとで、3手くらいしか読まないならこう進んだのに。)

さて、47桂成を取れないと思い込んで(そのために55桂の応手を間違ったかと、局後もずっと悩んでいたのですが)64桂

が次善策です。64同角同歩同飛で歩切れ、55角

と打つのが形だと思ったのですが、この時に後手の持ち駒は桂と歩だけなので、角を打たずに67金と引いて66歩68金引

としておけばよかったのです。利かされでかなり指しにくいのですが、73角が狙い。角と成桂の交換ですから我慢しておくべきだったか。

さて実戦は55角

以下、55同銀同銀61飛83角62飛74角成

これも悪くはなさそうに見えます。57成桂64歩に58角

これも私には不可解な手だったので、次の手がわからず。(67歩ならわかりますが。)27飛が正解でした。それを73銀92飛63歩成42金右44銀と進めてしまったので、54桂65金67成桂

で不利になりました。後手からは54桂~67成桂の他にも、67歩~68歩成のねらいがあり、ひとつ前の図で27飛を逃したら勝てないようです。
後手Kさんの意味不明(私には)な手に惑わされました。彼のような思考派(読みを中心のタイプ)とは、感覚が合わない場合があります。


△ 普通の受けは48飛で

これは普通の角換わり腰掛銀でも最初に検討されていた手です。後の46角を防いだわけです。
65歩同歩同桂66歩77桂成同銀65歩

65飛~25飛を防ごうとしても、しつこく攻められると少し指しにくいです。(後手からは85桂もある。)

ならば素直に交換させて(65同歩同桂同桂同銀同飛)56角

とすれば29桂にひもがついています。それでも25飛74角42金右には28歩くらいか。

持ち歩があるので28歩もそんなにつらくはない(37桂と跳ねられる)のですが、後手から55桂もあるので形勢不明。ただし後手玉が堅くなって、先手玉が薄くなっているので勝ちにくいです。


△ 37角なら後の25飛はないです。

65歩同歩同桂66歩77桂成同銀35歩

でも角頭に嫌味があります。少し指しにくい感じです。


△ 何もしないで待つなら86歩くらい。

85桂を避けつつ銀冠を目指した、という手です。65歩同歩同桂同桂46角37角

37同角成同桂65銀同銀同飛66歩61飛73角

バランスは保っていますが、1歩損なのであまり指したい手順でもないです。


× 37桂と攻めの態勢を作ろうとするのも自然ですが

65歩45歩66歩68金引85桂

と攻め合いではまずいです。

65歩には同歩(あるいは同桂)しかなく、

65同桂同桂46角には73角

があるので先手よし。

後手は素直に交換しておきます。(65同桂同桂同銀同銀同飛66歩62飛)

これは互角の図ではありますが、玉の堅さが違う(37桂が77にあるなら互角)ので後手を持ちたいです。


○ 他には83角

後手の攻め駒候補が動きだしていないので、けん制しておきます。
こうなってはいけない順は、63金37桂85桂同桂同歩45歩73金

で角を殺されることですが、

63金に75歩同歩を入れておけば48飛

で困りません。85桂同桂同歩には74桂で返せます。後手から手を出せなくなっていて、22玉に45歩同歩37桂とか攻めることができます。


○ もうちょっと工夫して75歩同歩74角

から83角成を狙ってみます。85桂83角成65歩なら

65同桂46角18飛

76歩くらいしかなくて、73桂成92飛47歩

と角を追います。13角なら15歩同歩同飛で指しやすいし、73角同馬95歩には84馬から受けます。

これくらいの図で、銀と馬の交換なら悪くはないです。

戻って85桂の前に65歩としたら

65同歩85桂48飛77桂成同銀71桂

互いに我慢して、という図です。52角成から攻める(52同金64桂42飛52金43飛72桂成)


よりも、じっと66銀と上がっておいて

63銀同角成同金55桂

から43銀を狙うほうが手厚いです。



☆ まとめ
互角の序盤から有利にになろうと思ったら、何か好手が必要です。

35歩同歩26飛というのは定跡を応用した好手です。直感派はこういうのを思い出すのが得意なはず。部分的でも使えそうな筋を思い出して、適用できそうか考えるのです。これはただ受けただけではなく、後手からの65歩以下の攻めをやりにくくしている(65飛の形で34歩同銀56角がある)わけです。こういうのは「働いた受け」といいますね。反撃の味がある受けなのです。

もちろん48飛とか37角とか放置して86歩でも形勢が悪くなるというわけではありません。ちょっと指しにくいかなあ、くらいのところです。

先手陣が左に偏った(玉を固めるのを優先した)ので、37桂は方向違いで指しにくくなりそうです。単純な攻め合いには持ち込めません。

先手陣が左に偏っているのですから逆で戦うほうが良く、83角でけん制するとか、75歩同歩74角とか、角を打ち込む筋を考えるのは良い手になります。
83角はもたれて指す感じ
75歩同歩74角は攻め駒を攻める(責める)という感じです。
後手の攻撃陣が重い(まだ攻め駒は0枚)ので、その隙を突くわけです。通常は後手の85桂が銀当たりですが、この場合はせいぜい桂交換なのでぬるいわけです。先手玉が上部に厚い、というのがわかります。89玉の位置なので、玉頭で戦っているという感じも薄れていて、この場合は正しい感覚だと思います。


代償なしで後手の65歩からの桂+銀交換は避けたいです。そのために少し違う筋で反撃を見せておく、という問題でした。

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大山将棋研究(542);四間飛車に中央位取り(中原誠)

2017-06-06 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170606
昭和55年6月、中原誠先生と第21期王位戦挑戦者決定戦です。当時の王位は米長先生。


大山先生の四間飛車に中原先生は中央位取りです。

66歩は持久戦のほうですね。大山先生は5筋の歩を交換し

63銀引のダイヤモンド。中原先生も6筋の歩を交換します。

持久戦なのに36歩や46歩は指さないほうが良いです。

角を引かれて38飛には24歩同歩22飛から決戦か。68金上が間に合っていないですから、ここで決戦は嫌ですね。

それでも仕方なく54歩から44角でさばき合いになりそうです。

角交換から桂を取りに行くのですが、これは怖いです。

大山先生は中央から反撃します。

39角が入れば楽勝という気もしますが

76銀は欲張り過ぎ。金を上がられてやや損です。76銀ではなくて56銀同銀66銀とかとりあえず食いついておけば悪くなさそうでした。

中原先生は強く受けます。

角を切ることになり、やや攻撃力が落ちました。それでも攻め駒4枚なので何とかなりそうなのですが。75に銀を打つのは攻防のようですが、ここも57桂成~65銀と絡んでおくほうが良さそう。

76歩と打たれて銀で桂を取ることになり、桂馬のお代わり。

好調に攻めているようでも中原先生に桂を渡すと怖いのです。攻めるだけというわけにもいきません。85桂には84銀が欠かせず

47金と寄られて、金を取りそこなったという図です。やむなく飛を取らせて駒の補充を図りますが
手数をかけて駒を取りに行っている感じです。この歩の突き出しも飛の詰めろですが

寄せ合いに出られてみると速度が足りません。

これでもまだ詰めろになっていないです。形作り。

93銀から即詰みでした。


桂損でも大山先生が良さそうな中盤でしたが、中原先生が頑張った受けを指して、それが通ってしまいました。わずかな差ですが、大山先生の攻めが急所をそれている感じです。
中原先生でも自然な指し方をしていないときはあまり怖くないと思うのですが、混戦になれば地力が出ますね。大山先生はもう少しなんですが、いつもと指し方が違う感じもします。なにか特別な意識をしてしまうのでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:中原誠名人
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 5八金(49)
14 7一玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 5七銀(48)
18 6四歩(63)
19 5五歩(56)
20 4三銀(32)
21 5六銀(57)
22 5二金(41)
23 6六歩(67)
24 8二玉(71)
25 6八銀(79)
26 5四歩(53)
27 同 歩(55)
28 同 銀(43)
29 5五歩打
30 6三銀(54)
31 2五歩(26)
32 3三角(22)
33 6五歩(66)
34 同 歩(64)
35 同 銀(56)
36 6四歩打
37 5六銀(65)
38 7四歩(73)
39 3六歩(37)
40 3二飛(42)
41 4六歩(47)
42 1二香(11)
43 5七銀(68)
44 7三桂(81)
45 6七金(58)
46 5一角(33)
47 5四歩(55)
48 同 銀(63)
49 4四角(88)
50 3三角(51)
51 同 角成(44)
52 同 飛(32)
53 2四歩(25)
54 同 歩(23)
55 2二歩打
56 6五銀(54)
57 2一歩成(22)
58 5三飛(33)
59 8六桂打
60 6三金(52)
61 5五歩打
62 3九角打
63 2四飛(28)
64 7六銀(65)
65 5八金(69)
66 6七銀成(76)
67 同 玉(78)
68 6五桂(73)
69 4八銀打
70 2三歩打
71 2五飛(24)
72 4八角成(39)
73 同 金(58)
74 7五銀打
75 9五歩(96)
76 同 歩(94)
77 7六歩打
78 5七桂成(65)
79 同 金(48)
80 8六銀(75)
81 同 歩(87)
82 6五桂打
83 4四銀打
84 4八銀打
85 6五銀(56)
86 同 歩(64)
87 8五桂打
88 8四銀打
89 4七金(57)
90 2四歩(23)
91 4五飛(25)
92 8五銀(84)
93 同 歩(86)
94 4三歩打
95 5三銀成(44)
96 同 金(63)
97 4八金(47)
98 4四歩(43)
99 1五飛(45)
100 1四歩(13)
101 1六飛(15)
102 2五歩(24)
103 3一角打
104 6三金(53)
105 9五香(99)
106 9四歩打
107 同 香(95)
108 同 香(91)
109 9五歩打
110 9二歩打
111 9四歩(95)
112 6六金打
113 5八玉(67)
114 5六桂打
115 9三銀打
116 同 歩(92)
117 同 歩成(94)
118 同 玉(82)
119 9一飛打
120 投了
まで119手で先手の勝ち






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