医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

被ばく量について、悪意に満ちたNHKの報道

2011年03月16日 | 
今日は福島市で1時間に21.4マイクロ・シーベルト(ミリ・シーベルトではありません)の放射線量が観測されたとNHKで報道されていました。北茨城市では1時間に15.8マイクロ・シーベルトだそうです。

上の画像のように、1回の胸部レントゲン検査が50マイクロ・シーベルトなので、福島市の放射線量はそれ以下で全く心配ないと報道しています。しかし、ここでも昨日お伝えした「時間」の概念が全くありません。昨日の私のブログの記事を理解された方なら、もうこの報道の間違いにお気づきだと思います。アホか!と言いたいです

1時間に21.4マイクロ・シーベルトということは、このままの状態が今後も続くならば、1か月間に福島市で被ばくする量は21.4 x 24時間 x 30日 = 15408マイクロ・シーベルト、すなわち15.4ミリ・シーベルトです。1回の胸部レントゲン検査は、あくまでも1回のものなのです。胸部レントゲン検査を連続で何千枚と撮り続ける状況などまったくあり得ません。しかし、福島市の住民は、まさそういう状況に置かれる可能性があるのです。

6か月この状態が続けば、15.4 x 6 = 92.4ミリ・シーベルト(6か月間)の被ばく量となり、ガンの可能性が増えてくる100ミリ・シーベルトに近づいてきます。

少なくとも、この辺の妊婦さんと子供は疎開するべきではないでしょうか?
全身被ばくと局所被ばくでは状況は異なりますが、

妊娠可能な女子の腹部には3カ月で13ミリ・シーベルト以下にしなさいと医療法施行規則第30条の27(許容線量)で規定されています。
また妊娠中の女子の腹部に対して妊娠と診断された日から出産までの間に対しては10ミリ・シーベルト以下と規定されています。
これは10ミリ・シーベルトの被ばくで遺伝に対する障害が1万分の1の確率で発生するようになるからです。


NHKのスタッフは、1回の胸部レントゲン検査と比べただけで本当に心配ないと思っているのでしょうか。そうだとしたら、NHKのスタッフの頭脳は小学生並みだと言わざるを得ないし、時間の概念をごまかしていることを知っているにもかかわらず恣意的にゆがめた報道だとすれば大問題です。NHKや政府や東京電力が、国民に対して「正確な情報を知らせないで、まかせるだけにさせておいたほうがよい」と考えているなら、バカにするなと言いたいです。

今回の原発事故でも、最悪の事態を想定してこなかったからこうなってしまったということが教訓になっていないような気がします。

「サリドマイド」「水俣病」「ゆとり教育」など、「全体責任は無責任」だという姿勢で、後になってあの時対策をとっていたらこんなことにはならなかったなどとならないように祈るばかりです。ちなみに、これを異論も挟まず報道していたのは大越健介氏と青山祐子氏です。


反対に、現場で命がけで対策を施している東電・東京消防庁の職員の皆さまには本当に頭が下がる思いです。

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コメント (1)
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