前回の記事は、「ジェネリック薬全体」対「先発品全体」ということではなく、個々の薬剤で考えなければならないという趣旨だったのですが、「ジェネリック薬全体」=「先発品全体」と誤解されてしまった部分がありましたので、タピゾールというタケプロンのジェネリック薬はタケプロンと比較して効果が低いという論文をご紹介したいと思います。
昨年末にアクセプトされたばかりの論文です。
Comparing the Acid-Suppressive Effects of Three Brands of Generic Lansoprazole with the Original: Pharmacokinetic Bioequivalence Tests Do Not Necessarily Guarantee Pharmacodynamic Equivalence.
Dig Dis Sci. 2008 Dec 18.
(インパクトファクター★☆☆☆☆、研究対象人数★☆☆☆☆)
別の論文で薬剤の半減期、最高血中濃度、最高血中濃度到達時間などが、胃潰瘍などの薬であるタケプロンと同じと報告されているタケプロンのジェネリック薬、タイプロトン(アルフレッサファーマ株式会社)(大正製薬株式会社)、ランソラール(日医工株式会社)、タピゾールの3剤について、胃の中の酸性の度合いをしめすpH(ペーハー)が4以上の時間と、24時間の胃の中のpHの中央値が調べられました。
対象は、除菌によらずともピロリ菌が陰性で消化器疾患の既往がなく、常用薬がない20~23歳の健常人です。調査の2週間前からカゼ薬など全ての薬剤の内服が中止されました。
結果は、上の図に示されるように、先発薬タケプロンと比較して、タピゾールは昼間の胃の中のpHが有意に低く、胃の中の酸性の度合いをしめすpH(ペーハー)が4以上の時間が少ない(胃酸が抑制されていませんでした)という結果でした。
また、タイプロトンは患者によってその時間にかなりのばらつきがありました。
この結果がそのまま臨床の結果(胃潰瘍の治癒率など)に結びつくかは、今後の検討を待たなければいけませんが、タピゾールの効果が先発薬タケプロンと比較して低いことが確認されました。
タケプロンなどのプロトンポンプインヒビターは酸に対してきわめて不安定で、そのまま内服すると胃内ですみやかに分解されてしまうために、胃内では溶解せず十二指腸内で溶解するという特殊な加工がなされています。
タピゾールではそのような加工が不十分なのかもしれません。
もう一度、効果が先発薬タケプロンと比較して低い薬剤と製造and/or販売元を示しておきます。
タピゾール(太陽薬品工業株式会社)、(株式会社カイゲン)、(大正製薬株式会社)、(科研製薬株式会社)
患者によって効果にばらつきがある薬剤
タイプロトン(アルフレッサファーマ株式会社)(大正製薬株式会社)
原文はこちらです
一つ一つの薬剤を調べている、こういう論文って素晴らしいですね。
みなさ~ん。最近ここをぽちっとすること忘れていませんか?
↓「なるほど、ためになった」と思われた方は、ここをぽちっとお願いします
今は何位かな?
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(インパクトファクター★☆☆☆☆、研究対象人数★☆☆☆☆)
別の論文で薬剤の半減期、最高血中濃度、最高血中濃度到達時間などが、胃潰瘍などの薬であるタケプロンと同じと報告されているタケプロンのジェネリック薬、タイプロトン(アルフレッサファーマ株式会社)(大正製薬株式会社)、ランソラール(日医工株式会社)、タピゾールの3剤について、胃の中の酸性の度合いをしめすpH(ペーハー)が4以上の時間と、24時間の胃の中のpHの中央値が調べられました。
対象は、除菌によらずともピロリ菌が陰性で消化器疾患の既往がなく、常用薬がない20~23歳の健常人です。調査の2週間前からカゼ薬など全ての薬剤の内服が中止されました。
結果は、上の図に示されるように、先発薬タケプロンと比較して、タピゾールは昼間の胃の中のpHが有意に低く、胃の中の酸性の度合いをしめすpH(ペーハー)が4以上の時間が少ない(胃酸が抑制されていませんでした)という結果でした。
また、タイプロトンは患者によってその時間にかなりのばらつきがありました。
この結果がそのまま臨床の結果(胃潰瘍の治癒率など)に結びつくかは、今後の検討を待たなければいけませんが、タピゾールの効果が先発薬タケプロンと比較して低いことが確認されました。
タケプロンなどのプロトンポンプインヒビターは酸に対してきわめて不安定で、そのまま内服すると胃内ですみやかに分解されてしまうために、胃内では溶解せず十二指腸内で溶解するという特殊な加工がなされています。
タピゾールではそのような加工が不十分なのかもしれません。
もう一度、効果が先発薬タケプロンと比較して低い薬剤と製造and/or販売元を示しておきます。
タピゾール(太陽薬品工業株式会社)、(株式会社カイゲン)、(大正製薬株式会社)、(科研製薬株式会社)
患者によって効果にばらつきがある薬剤
タイプロトン(アルフレッサファーマ株式会社)(大正製薬株式会社)
原文はこちらです
一つ一つの薬剤を調べている、こういう論文って素晴らしいですね。
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こうして、一つ一つの薬剤を検証していくのって、大変な作業ですね。ジェネリックを使うためだけに、こんな努力しなきゃいけないのは、本末転倒のような気が・・・。
薬価に関しては素人なのですが、「効果が同等かわからない」とか「一つ一つ検証するのが大変」とかだったら、「発売後は薬価を製造コスト+αに設定する」とかで先発品を値下げ出来ないものかなと思いました。こうした問題は、私のように素人である医者が語るより製薬会社の方の意見を聞くと良いでしょうが。
とても興味深い内容です。
ありがとうございました。
文献にアクセスしてみましたが、、、
前文を見ることができませんでした₀⁰(´u_u`)⁰₀
登録が必要なんでしょうか???
ごめんなさい。。。
タピゾールにかえたところ、頭部からの強烈な異臭が消え、脂質代謝異常もなくなりました。
タピゾールの良さに救われた当方のような患者もいる事を知って下さい。
なお、その後、タケプロンで副作用に悩む患者が結構存在する事を(特に腎臓疾患のある方)を知りました。
主成分が同じ様でも、添加物の違いでこのような大きな差が出るのかと推量します。