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「性格スキル」の成長で豊かな人生『性格スキル』

2022-10-10 07:55:50 | 経営・リーダーシップに必要な事
人前で発表する機会に「性格スキル」は多いに「成長」できる要素があると感じた。それは特に自分の中の「想像力+審美眼」「やり抜く力」「社交性+明るさ」を成長させるものだ。これからの日本は特に子供の頃から一方通行の教育だけではなく子供自身が大いに発表できる機会と教育が必要だと感じた。グローバル社会・ビジネスに不可欠な外交性+日本独特の開放性が必須だと思うからである。
子供への教訓は3つ(大人への教訓にも繋がる)
1、解らないないのに解ったふりをするな
2、解らないことは決して恥ずかしいことではない
3、解らないことを誤魔化すことが一番恥ずかしい
『性格スキル』鶴光太郎
「概要」「性格スキル」にはビッグ・ファイブと呼ばれる5つの要素「開放性」「真面目さ」「外向性」「協調性」「精神的安定性」がある。中でも、「真面目さ」は人生のどの側面にも圧倒的に重要だ。また、「性格スキル」は「認知スキル」に比べ、大人になっても伸ばすことができる。
ー現代「人生100年時代」では昨今の技術革新がスピードの速さを考えると陳腐化してしまう。それには学び続けること(リカレント教育)が重要で、人づくり革命も大切だ
「能力」とは学力+身体、さらに非認知能力(性格スキル)が求められる
    認知スキル(cognitive skill)+性格スキル(character skill)
企業が求めるスキル
    大学の体育系人材採用が増えている(理由:忍耐力+やり抜く力+強調性+規律)
    強調性、チームワーク力、論理的思考、コミュニケーション力、チャレンジ精神、リーダーシップの6つ 特に責任感、真面目さ、自己管理
ー性格スキル 5つ
    開放性:新たな美的、文化的、知的な経験に開放的な傾向  好奇心・想像力・審美眼
    真面目さ:計画性、責任感、無弁性の傾向  自己規律、粘り強さ、熟度
    外交性:自分の関心や精力が外の人や物に向けられる傾向 積極性、社交性、明るさ
    協調性:利己的ではなく協調的に行動できる傾向 思いやり、優しさ
    精神的安定性:感情的反応の予測性と整合成の傾向 不安、イライラ、衝動が少ない
 特に仕事上の順位は「真面目さ」「外交性」「精神的安定性」「協調性」「開放性」となる
ー性格スキルの関係性
    大人になってからも十分鍛えることが可能 特に「真面目さ」+「協調性」
    「やり抜く力」=「情熱」x「粘り強さ」
    「情熱」=「興味」x「目的」
ー幼少期の環境と教育
    子供が好奇心や本への興味を抱く機会の提供、美意識を育むような自然な環境を提供
    (図書館+美術館+ミュージカルなど)
    「解らないないのに解ったふりをするな」
    「解らないことは決して恥ずかしいことではない」
    「解らないことを誤魔化すことが一番恥ずかしい」
    子供の発言の機会(プレゼンテーション)人前で喋れるようにする経験
ー自己紹介
    「カッコ悪い事」を人前で言える、素直さが真面目さにもなる


シンプル+エレガント=シンプリシティーの生き方『エレガント・シンプリシティー』

2022-10-09 07:45:03 | 世界の動きから見えるもの
昔からの「シンプルライフ」は現在、「断捨離」「田舎暮らし」などとして盛んになってきた。今回の「+エレガント」とは「量」より「質」で自分なりのアートとしてものを持ち、自分に合った「シンプリシティ」(物質社会に惑わされず)を求めて生きるのはとても良い事だ。仏教にもある「足るを知る」、その為にも物欲から智欲「一生学び」に臨むのも良いかもしれない
『エレガント・シンプリシティ』サティシュ・クマール
「概要」こころをこめてマインドフルに生きること、それがシンプリシティ。世界的名著『スモール・イズ・ビューティフル』を著したE.F.シューマッハーの意思を継いで、イギリスのエコロジカル雑誌「リサージェンス&エコロジスト」の編集主幹となった先駆的エコロジスト、サティシュ・クマールが、いま世界に「簡素」に生きることの素晴らしさを説く!
「大量生産という産業のありかたは、醜い文明をこしらえてしまったのではないか。私たちは数字に支配され、経済にとりつかれ、スピードのとりこになっているが、これら三つは美しさの天敵だ。日本には「わび」「さび」という美学的な概念がある。そこには「飾りけがない」「気取らない」「謙虚」などの意味が含まれている。高級そうで、華やかで、大げさで目立つものである必要はない。ザラザラ、ゴツゴツしていたり、あっさりしたりしていてもよい。ありのままで、手がこんでいない。
ー「シンプルの中にこそ美しさが宿る」人は本当は必要で無いものにも時間とエネルギーをかけ浪費している。「必要」より「貪欲」が上に置かれ、「優美」より「華美」に、「対話」より「搾取」に高い価値が与えられている。人は、愛によって、寛大な心によっていき、シンプルに生きることが、私たちを自由へと導きます。 それは「深く見ること」(Watch > Look > See)
(Need < Greed,  Grace < Glamor, Conversation < Exploitation)
ー「エレガント・シンプリシティ」より少ないものでよりよく生きる技術(art)、大切なのはどれだけ所有している方いった「量」ではなく「質」。哲学者エーリッヒ・フロムは『所有より存在、「持つことよりあること』ですと言う。(Having < Being)
「人生を複雑にしているもの」「善v悪」、「苦痛vs快楽」、「得るvs失う」対立二元論
恐怖こそが自我や怒り、貧よくや驕りが原因 自然を愛し、人間を愛し合う事
ー「人生の4つのステージ」 25年周期
1、人生の基礎となる学びの期間
2、学んだ技術や考えを実践する期間
3、コミニュティーや社会奉仕のために献身する
4、瞑想し、塾講師、物質的な所有物や心理的な執着などを断ち、真の自分を生きる期間
「マインドフルに生きる」あれこれ考える代わりに、真っ直ぐ問題の核心に進む。話す時も回りくどい言い方はやめて、本当に言いたいことを分かりやすく、簡潔に言う。心と言葉と行動がひとつづきに、物事の限度を受け入れ、最小限に、本物を求めありのままに生きることだ。
「エゴ」(我欲)から「エコ」へのシフトを可能に、自分がシンプルに楽しく暮らす事、自分が心地よいと思う、自分自身の基準と理想で、それで充分だ。 詩人のハリール・ジプラーン「昨日は今日の記憶、明日は今日の夢に過ぎない」(現在が大切だ)
「足るを知る」計画を懸命になるよりビジョンを持ち豊かに生きること。老子「私には3つのことしか教えることはない、簡素、忍耐、そして慈愛 この3つこそ、最も貴重なあなたの宝物」
自分で作ること3H (頭・心・手)Head/Heart/Handsが真の生き方を作れる 本来なら学校での教育は「考えること」「感じること」「作ること」を学ぶべきだ (暮らしに必要な畑仕事、料理、裁縫、修繕、木工、音楽など)
本当の学びは、経験が感動を生むときに起こる、人の役に立つとき
「物質社会」 「数字」に支配され「経済」に取り憑かれ「スピード」の虜になる 大量生産と大量消費の経済は、どこまで行っても不満が渦巻く、終わりのない競争社会


事前予防・予防対策は今後大切な活動『上流思考』

2022-10-08 07:45:14 | 世界の動きから見えるもの
『上流思考』とは事前予防、事前予防対策。問題、事件事故が起きる前に何を事前に対策しておくべきか、が今後非常に大切なると言う事。それは事後の費用は事前の対策費用に比べ多大に膨れ上がるケースが多いから、と言う。文中にあった若者の暴力・非行行為をなくするには「時間をうまく利用」でスポーツ施設に投資、若者が健康に活動できる場の提供は理解できる。平和ボケで若者間で発生するのは「持て余した時間の使い方」は得てして非行に走るのだ。
『上流思考』ダン・ヒース
「概要」私たちは「ちょっと変えればいいだけ」のことをしていないために、毎日、膨大な「ムダな作業」をくりかえしている。果てしない「下流の徒労」から抜け出せるたった1つの思考法なぜ人は、根本からの問題解決をしないのか?
「上流」活動とは問題を未然に防ぐ為の活動、問題による被害を改革的に減らそうとする活動
 上流=事前予防対策・事前予防活動・事前予防投資
*警察での誤解(交通事故を減らす工夫)
    1、事故が多い場所で警察が警戒し見守る
    2、事故が多い場所に隠れて事故発生者等を検挙する
    結果:#1の安全への貢献度は高いが#2に対する警察内部で誉められ出世する
 (目に見えない犯罪を防ぐ、「予防」「事前対応」に対する評価は低い)
ー事前事後 投資の多いのは事後に対する対策    
    医療・災害・事件事故など 事後に対する対策評価、投資が増える(優先順位は下流)    
問題は「常態化」すると見えなくなる
    見て見ぬふりをしてしまう、だから誰も事前の対策・対応を考えない
    人はたくさんの問題を抱えると、全てを解決することを諦める
    「急場しのぎ」で充実しまう(トンエリング)
    「見える化」させて危機意識を高める(恐れ、恐怖感は多くの人の関心をもたせる)
ー対処するための7つの質問で解決
    「然るべき人たち」をまとめる(危険因子・防御因子を増やす)
    「システム」を変える(明確なデータの収集と提供・数値で周知する)
    「テコの支点」はどこにあるかを明確化
    問題の「早期警報」を作り出す
    「成否」を正しく測る
    「害」を及ぼさないようにする方策
    誰が「起こっていなこと」の為に金・投資をするか(サブスク対策)


一枚の写真『俺の言うことを聞け!』

2022-10-07 11:54:27 | 一枚の写真
「企業は賃上げせよ! 丁寧に説明する  と偉そうに言うだけ』
政府は減税なり身を削る政策努力が全く見られない またしても「言うだけ」 それに大量の税金を使い一部の企業に給付金と・・・元は国民のお金なのに
既に3兆円をガソリン補助金に使っており、更に増えそうだ。
(写真提供:Bbmail)

子供の世界(悩み)を知る手立て『光媒の花』

2022-10-06 07:44:09 | 人生を「生かす」には
子供の悩みは大人の多くは理解でない。だから子供の悪さに対して親は上から一方的に叱る方が多くなる。子供目線での理解は難しいかも知れないが、ある書に子供にも理解する方法はあると。それは「叱るをやめて質問する事」だと言う。考えさせることで子供が社会の常理を理解することにつながると言う事らしい。
『光媒の花』道尾秀介
「概要」認知症の母と暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄妹が、小さな手で犯した罪。心の奥に押し込めた、哀しみに満ちた風景を暖かな光が包み込んでいく。
「隠れ鬼」別荘で知り合ったい美しい大人の女性、実は父の恋人で偶然視てしまう。その女性がある日他殺死体で見つかり、その後父は自殺すると言うミステリー
「虫送り」兄妹で夜に虫とりを出かけるとホームレス男に虫を取る方法を聞くが、不気味に思い妹を男から連れ出すと、橋の袂でコンクリート片が落ちる その石だったのか橋の下にいた先ほどの男が翌日死体で発見される 
「冬の蝶」女子同級生の悲惨な生活を見て何とか守ろうとした矢先にその同級生が罪を犯す 「あなたが食べさせてくれる」の一言で助けると言う行動に躊躇する
「風媒花」父が亡くなり弟は母に対する姿勢が厳しくなる。それは父の入院中に見舞いにも来ないで料理屋商売で忙しくしていたことだ。だが母は父の入院等で家族の生活費等を稼ぐために一生懸命だったことを後から知り反省する。
「遠い光」子猫をいじめたという少女に周りが冷たい目で見るようになる。少女の両親は事故で亡くなり両親の妹が養母に、最近その養母が初婚することに悩んでいたのだ。


一枚の写真『ビビりまくり』

2022-10-05 11:46:00 | 一枚の写真
『子猫に攻められてビビる 何も出来ない内閣』
北朝鮮のミサイル イージス艦からの防衛は本当にできているのか これで過去2回目の日本列島超え 「言葉だけでは通じない列国」を知る必要がある
これからもミサイルが着弾してからアラートがなることは間違いない
(写真提供」Bbmail)


先見の明は固定概念を打ち壊すことも多い『千思万考』

2022-10-05 07:45:07 | 歴史から学ぶ
歴史の裏には虚偽も多い、「江戸城無血開城」など勝海舟と思いきやその裏での活躍者は山岡鉄舟がおり、「薩長同盟」も坂本龍馬の裏には中岡慎太郎、と歴史の史実は逆説、裏話があることを知っておくべきかも知れない。最後の(武蔵)634-(小次郎)526=(煩悩)108は中々面白い発想で人の煩悩は善と悪がある、やはり貪欲に成らない事だろう。麒麟麦酒の命名者がグラバーとは!
『千思万考』黒鉄ヒロシ
「概要」混沌とした現代を生きる日本人よ、先人たちからのメッセージをしかと受け止めよ!
ー織田信長「是非に及ばず」
    アイデアと派手さ、行動の裏で身構える智
    禅僧沢彦宗恩に学び、中国殷の湯王、周の武王を範とした
    「一元的発想は必ずや多言的発想に敗れる」固定概念を打ち壊す
ー斎藤道三「成り上がりの限界を見る」
    道三の恐怖政治による親子の戦い(道三2700人vs義龍17500人)
    世襲にも限界がある、三代で振り出しに戻る(成り上がりものの姿)
豊臣秀吉「主人は1年、部下は3年」
    出世世渡術「主は家来に見所が無い場合1年で暇を出す、家来は3年支えて主を見限る」
ー徳川家康「人の一生は、重き荷を負ふて遠き路を行くが如し」「己を責めて、人を迫むるな。及ばざるは過ぎたるより勝てり」
    「律儀」「忍耐」など年少時代(竹千代)の今川、織田での人質の教訓
    武田信玄4.3万人vs家康8千人での三方ヶ原戦いでの惨敗(爪を噛むしかみ像)
ー真田幸村「欲は一代で蒸発するが、『義』は末代にまで遺って作用し続ける」
    家康を恐れさせた幸村の「優先順位の予測」長期的に観た「価値観」
ー源義経 天才的軍略 「冒険」「活劇」「逃避行」「死」
    「鵯越の逆落とし」「弓流し」「八艘飛び」だが、兄弟地位を越える事で討伐される
ー楠木正成「勇気」「知恵「」覚悟「」「潔さ」「儚さ」
    「忠義の軍神」正成の人気は尊王攘夷や軍極主義時代のみ
ー坂本龍馬 固定概念の打破と先見性
    人間的魅力・人脈作り(松平春嶽・勝海舟・佐久間象山・大久保一翁など)
    命懸けの交渉術(紀伊藩vs海援隊)沈没事故での損害賠償(鉄砲・金塊・砂糖)
ートーマス・グラバー 「死の商人」
    薩摩・坂本龍馬仲介(ゲベール銃7千挺、軍艦ユニオン号)売却
    ヨーロッパ派遣(五代才助・寺島宗則・伊藤博文・井上馨ら)
    岩崎弥太郎の麒麟麦酒の命名者でもある・キリン(龍+馬)
ー西郷隆盛「敬天愛人」「律儀」
    「政をするものの俸給は、低給で頑張って仕事をしているうちに、周りから可哀そうだから上げてやれと言う声が出て、始めてそうする性質のものである」と言った。西郷が状況した光景は高級を取り豪邸に住む政府容認たちの堕落した暮らしぶりだった。
ー大久保利通「リアリスト」「自己犠牲」
    予測性に富・優先順位に過ちがなく、決断力と行動力があった
    財産は総額百円程度だった(官僚の月給が5百円~7百円)
ー吉田松陰「かくすれば、かくなるものと知りながら、止むに止まれぬ大和魂」
    「松下村塾」門下生には高杉晋作・苦坂玄瑞・伊藤博文・山縣有朋・品川弥二郎ら
井伊直弼「茶非茶 非非茶 只茶耳 是名茶」
    茶は茶に非ず、茶に非ざるに非ず ただ茶のみ、これ茶と名づく
    自信家は一度パニックの精神状態になると過剰に反応する(橋本左内・吉田松陰など遠島が死罪と改めた)
ージョン万次郎 通訳者(ペリー提督伝には隣接流部屋で通訳もした)
    英語教育者・西洋航海術者・辞書とミシンを持ち帰り思想開国を論した先駆者
ー伊藤博文 初代内閣総理大臣「無学は吸収の余地が多く、愚直さは疑いを知らない」
    女たらし、塙次郎殺し、信念の無い八面六臂
松平容保「「義に死すとも、不義に生きず」
    義を背負い背負い込んだ会津藩・白虎隊・娘子軍の悲劇を背負う
伊能忠敬 4千万歩(地球1周分)1日20km
    50歳を過ぎて測量旅に出る(蝦夷地から)領土地形の重要性を悟る
新渡戸稲造「武士道」ルーズベルト大統領を動かす書
    ドイツ滞在中での疑問「日本の道徳教育」が発端
ー福澤諭吉『学問のすすめ」(当時十人に一人が読んだ)
    「貧富の差は、学問の有無にあり」
宮本武蔵「五輪書」
    武蔵(634)ー小次郎(526)=108(煩悩の数)「自己実現への欲望」


一枚の写真『ここなら安全かな』

2022-10-04 08:06:56 | 一枚の写真
『初めてのJ-アラート? 8時になっても警告しているけど』
「約10分ほどで落下する」と言うが発表があったのは7時30分を超えてから・・・発射されたのは27分と言う。 ラジオでは8時を過ぎてもず〜っと避難を呼びかけているがどうやって避難するのか!
(写真提供:Bbmail)

才能がない上司に見切りを付ける『裏切り姫大脱走』

2022-10-02 07:39:28 | 歴史から学ぶ
人間不信症、武田信玄没後の勝頼、勇猛だが戦いでの才能がない、配下の家臣に不信を抱き信頼しなくなり、噂話でも謀反者(裏切り・寝返り)と察すると上意討ちとして忠臣に臣下の殺害命令を出していく。現代でもそうだが、参謀役次第でもことは大きく変化する。だが、戦略、戦術の才能がないリーダー、特に内部での辞退者、退職者が多く出る企業では次第に衰退する。その前に早々に転職するのが現代である。
『裏切り姫大脱走』鈴木英治
長篠の合戦から7年、滅亡の淵に立つ武田家。駿河を任されていた親族衆筆頭の穴山信君も密かに徳川方への寝返りを画策していた。武田勝頼の馬廻り・前島平蔵は、その動きを察知し、甲府にいる信君の妻・千鶴、嫡男・勝千代の身柄確保に乗り出す。手勢を率いて穴山屋敷を囲んだ平蔵。はたしてその鉄壁は破られるのか?
小説の内容は武田信玄後の勝頼政権の衰退物語である。衰退の要因が勝頼の失政が内部分裂を招き、多くの臣下が勝頼の執政に疑問を持ち、武田を捨て寝返っていく。武田勝頼は武将としては勇敢に戦うが知恵、戦略戦術に欠け周りに不信を抱えみ見通しが効かなくなる。その失政とは臣下への不信であり、親族も含めて殺戮するという酷い仕打ちを繰り返すことにあった。
ー長篠の合戦で敗戦した勝頼には、戦略を練る参謀がおらず、木曽家、その他の謀反での戦いでも兵の士気も上がらなかった。そんな中、平蔵に裏切り者(信君の妻子)を監視し、逃げ出したら全て殺戮せよと命令を出した。
ー穴山信君も遂に徳川に寝返り、妻子は必死に駿河に向かうが平蔵一味は頑なに追い詰めようとする。が、途中徳川の助っ人服部半蔵に助けられ、平蔵も退散。勝頼から「穴山勝千代を殺すとか、信君をどうするだとか、もはやそんなことはどうでも良いことに過ぎぬ。苦労であった」と一言で武士としての役割と死ぬ気もうせ百姓に精を出す。