日本映画専門チャンネルの“蔵出し名画座”での今月のプログラムは
大映末期の勝新主役のプログラムピクチャー
そうなんですよねスタジオシステムだからできるプログラムピクチャーの一本でしょ
大映も屋台骨がもう完全にやばくなった1970年に製作された作品
蔵出しって言うだけあって勝新作品でも未パッケージ作品
オープニングで勝新、藤岡琢也に酒井修の三人組が
勝新さんのコルトピースメーカーでの賭場荒らしで、三人のキャラクターを見事に表してくれる
そんな三人組が港町に流れ着いたが、その港町は橋本組と磯部組の二大勢力がシマ争いをしていた
賭場荒らし三人組は、ふと入った大衆食堂で橋本組二代目襲名花会の話を小耳に挟んで
その花金を強奪しようとしたら、彼らの前でなんと花金強奪が始まり
その争奪争いの隙をつき花金を手に入れるが、
その金が橋本組の磯部組への借金返済用の金であったと知り
さらに橋本組が花会のテラ銭用に借金していて
高城丈二演じる代貸の俠気(おとこぎ)に惚れた勝新さんが橋本組の窮状にほだされて金を返そうとするものの
隠し場所にお金がなくて・・・齷齪するお話
野川由美子さんがこの町の娼婦を演じているんですが
野川由美子さんがこの町の娼婦を演じているんですが
野川由美子さんには小ネタが仕込まれていましたが
なんとヒロインは水野久美さんの方だったんですね
そして殴り込み因縁要因だったとは
いや天知さんが二番手にキャスティングされてるのになかなか登場してこずに
完全にクライマックスのために用意されたキャスティング
いや、殴り込み要因と言っていいだろう、ある意味風間重吉みたいな役所でしたねぇ道行といい
そして森一生さんの絵が素敵
クライマックスでの殴り込みでの立ち回りには俯瞰と仰角映像で建物の立体感を出していて
いやもう倒産寸前とは思えぬほど画角に合ったセットをきっちりとの組むという
活動屋さん魂はさすがですねぇ
勝新さん大映マークでは最後の作品になるのかしら
もうここに出演されてる男優さんたちは酒井修をのぞいてみんな鬼籍の人なんだよね
そういう意味でも映画はちゃんと残ってるっていうのは
いいもんですよね
1970年製作、日本映画、大映作品
森一生監督作品
出演:勝新太郎、天知茂、野川由美子、藤岡琢也、高城丈二、水野久美、酒井修、成田三樹夫、北城真記子、水上保広