日本映画を積極的に見て行こうって言う企画で視聴した作品
一応原作になっているオリジナルのイタリア映画「おみおくりの作法」は見ていませんが
このなんと言うんだろう人の話は全く聞かないっていうか聞こえてても不関心で全くちょっと時間ずれで返答する主人公牧本のキャラはある意味演技としても作ってるんだろうけども
じつに阿部サダヲに実に似合っていたなぁ
まぁ日本の地方行政であるお役所にこう言った名称は様々である係があるってことは必要条件って言う現代社会のある意味歪だと思えるものの
その仕事内容の紹介を兼ねての前半と
一人の男の孤独死を通してその葬儀を行うために遺族を探して歩く主人公の姿に共感しつつも
その人物の行動には自己投影できないのは牧本のどこか自閉症的な性格にあるものの
その執拗な行動力にはわかるんだけどもちょっとその性格には見ててもヒクとこがあるからだろう
がその行動力は遂に孤独死した男の人生に関わった人びとが一堂に参集してくるクライマックスは見事であるものの
そこにここまで心血を砕いてきたまきもとの姿はない
彼自身が実は独り身で身寄りがなく、葬儀に奔走してるときにあんだけ
彼の性格から来てる交通事故に対しての用心深さにもかかわらず
交通事故によって何と彼自身が孤独死しちゃって無縁仏で機械的に火葬されて彼は葬儀もされずに無縁墓地に埋葬される中に
彼が奔走して行われる葬儀模様との対比がじつにいい
個人的に彼が葬儀していた孤独死の魂が在りし日の容姿で感謝の祈りを捧げるシーンは
完全に観客を泣かせに持ってくる演出だと思うひねくれ者な私でした
阿部サダヲさんのキャラクターありきで作られ成功した作品だと思われる
市役所の局長役の坪倉由幸がかなりいい役やっていたなぁ
2022年製作、日本映画、「アイ・アムまきもと」製作委員会作品
水田伸生監督作品
出演:阿部サダヲ、満島ひかり、宇崎竜童、松下洸平、でんでん、松尾スズキ、坪倉由幸、宮沢りえ、國村隼