MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

傷つける野獣

2023-02-27 23:05:37 | 邦画
一月の衛星劇場の“幻の蔵出し映画館”の放送枠で拾った二谷英明さん主演の1959年製作の未パッケージ作品
川地民夫、二谷英明、水島道太郎、宍戸錠、筑波久子と言った連中で構成されたモノクロ刑事ドラマ。
南田洋子さんも特出枠で二谷英明野恋人役出出演されてる
当時としては日活として他社からスカウトや日活ニューフェイス一期生とかで作っていた作品
なんと熊井啓が脚本を書き、野口博志が監督を務めた85分の作品
 
恋人が“一番欲しいのはお金”って言うTVニュースを見て、大阪に飛んで
麻薬ルートで稼ごうとして刑事を殺してしまった若者川地民夫が刑事の拳銃を持って
横浜の銀行強盗に入り、支店長を銃殺し追ってきた県警パトカーを振り切り
横浜駅から特急“つばめ”の上りに飛び乗り逃走
その一報を受けて東京駅で”つばめ“を待ち受ける刑事達を尻目に
乗客の学生服を奪いそれに着替えて逃走した川地民夫
 
拳銃の線状痕から大阪と横浜の拳銃の一致から川地民夫と割り出した警視庁の一課は川地の姉の家を張り込むものの
見事に裏を書かれてしまう刑事達
この姉を演じているのは高友子さんという新東宝の大蔵貢の息子さんと結婚された方だそうで
けっこう女優期間の短い人だったようで、個人的にはお初で今んところ最後でもある女優さんになるのかなぁ
川地の恋人役の筑波さんも活躍の場をアメリカに移されてからの筑波久子しか知らない私には日本での女優筑波久子の作品はお初になるのかな
 
宍戸錠さんも一課長での出演で頬にはまだシリコン入れる前だったようで普通の御顔でしたねぇ
っていうことっでニューダイヤモンドラインに乗っかる4年くらい前の作品ですものね
 
いちおうドラマとして刑事達を主体に描いていくものの犯人側の犯罪に走ってしまう社会の歪みみたいなものを並行しては描くことによって
”罪を憎み人を憎まず“って言う刑事の捜査基本を描いた作品だったようですね
 
クライマックスでのオーケストラの演奏と追い詰める刑事とのベートーベンの音楽がスリリングで緊張感をも生み出していましたが
犯人を逮捕するのは多摩川土手でしたねぇ
59年の電車っていうことっでみんなチョコレート色一色だったんですね
 
こう言った古い作品で自分のよく知った繁華街(新宿)の当時の姿が見られるのも一つの楽しみでもありますねぇ
 
1959年製作、日本映画、日活作品
熊井啓脚本、野口博志監督作品
出演:川地民夫、二谷英明、筑波久子、高友子、高品格、天草四郎、徳田健吉、土方弘、宍戸錠、弘松三郎、雪丘恵介、長弘、馬瀬良雄、紀原耕、田中正之、三原一夫、八代康二、宮原徳平、柳瀬志郎、木崎順、大治誠、水島道太郎、南田洋子(特別出演)
 
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リトルワールド

2023-02-27 17:36:43 | 洋画
ヒューマントラストシネマ渋谷の恒例企画興行<未体験ゾーンの映画たち2023>で上映された珍しいポーランド映画。
ここのブログでは今年の”未体験ゾーン“2本目になります
っていうか未公開DVD作品の箔付の企画興行なんですが、こんなに直近でDVDリリースされる作品もあるのに
一年以上たってもリリースされてない作品もあったりで
興行成績もリリースに作用されているのかなぁ?
 
いや、コレは邦題に比してなんとも重たい作品でした
っていうのもいわゆる少女拉致して人身売買にかけて幼児売春させるって言う国際犯罪のお話ですからねぇ
いわゆる邦題からイメージされるお子様向けのファンタジー作品の対極に位置する作品
特にポーランド製作っていうことっで東欧の国にはありがちって言ったらあかんのやろうけども
実に幼女拉致人身売買っていうのにリアリティーを感じさせる作品
 
物語はポーランドで4歳になるウーラが拉致されて、母親が必死に国境まで追いかけていくが
それを見つけた刑事はスピード違反で停車させたために
国境で取り逃し責任を感じた刑事がなんと一人でロシア、ロザラムそしてタイのバンコクと娘を追いかけての執念の12年間を綴っていく作品
その12年間でウーラは何人の男たちの慰みものになっていたことやら
2021年の作品ですからまだロシアがウクライナに侵攻する以前の作品ですから、この国境ってウクライナとのなのかな
そしてウクライナを通ってロシアなんでしょうね
しかしロシアの警察も粗っぽいよね、少女ポルノの男は逮捕してもいわゆるその対象であった子供達はホッパらかし
児童福祉局みたいなとこに連絡もしないからここでウーラを取り逃してしまうんだよね
 
何せポーランドでは刑事であるが他国では唯の人ですからねぇ
敵に捕まって、12歳のウーラに性的にサービスされたりと
映画は実に容赦なく我々をある意味暗いどん底に刑事とともに落としてくれる作品
いや、国家権力に裏打ちされてない男が執念で最後に取った手段が凄まじい
まさに埒があかないと少女買春の巣窟に単身乗り込んでなんと軽機関銃と拳銃でその場の男どもを皆殺しのクライマックスでようやっと見てるこっちにも溜飲を下げさせてくれるものの・・・
命を賭しての主人公の行動
そしてなんと16歳のウーラは母親の住む家のチャイムを身重の体で押すとこでFIしてのエンドクレジット
決してハッピーエンドではないような終わらせ方でした
 
映画としてはじつによく出来た作品と言える
 
2021年製作、ポーランド映画
パトリック・ベガ脚本・監督作品
出演:ピョートル・アダムチク、エンリケ・アルセ、ユリア・ヴィーニャーヴァ、モントセラト・ロイグ・ド・ピュイグ、アンドリス・ケイス
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