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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

愛娘の名を冠した中華屋さん 吉祥寺『軼菁(いじん)飯店』

2023年01月20日 | 中華食堂
1990年代、私は現在のような自由業(ほぼ無職)ではなく、吉祥寺のとある飲食店で働いていた。
今も昔も、おカネは大好きだが仕事は大嫌いで、唯一の楽しみが1時間の休憩。
店で飲食することはなく、職場から逃げるように、近隣の飲食店へ向かう。
当然、「今日は忙しいから、食事が終わったらすぐに戻り、お店を手伝います!」なんて申し出をすることは皆無で、
どんな時でも、60分ギリギリまで休憩を満喫していた。まさにダメ社員である。
そんな私が選ぶ休憩先は、「安い・ウマい・量多い」だけでなく、「ゆっくりくつろげる」お店。
立ち食いソバはもちろん、牛丼やラーメンのような長居しづらいお店はなるべく避け、
1.席数多く、相席は滅多にさせない 2.漫画など読み物が充実している 3.デザートやコーヒーが出る
上記条件のいずれかを満たしている店を、巡ったものだった。
具体的な店名を挙げると、『大鵬』、『コーヒーロード』、そして、今回紹介の『軼菁(いじん)飯店』である。

大鵬は、私が通っていたお店は廃業したが、『大鵬本店』と名乗るお店が、今も吉祥寺で営業している。
※追記 大鵬本店は、1月末で閉店した模様です
コーヒーロードも、吉祥寺店はだいぶ前に閉店したが、中野駅南口に支店があったはず。
唯一残った軼菁飯店は、移り変わりの激しい吉祥寺で、長年営業を続けているのだから、
エリア屈指の名店なのだろう。「だろう」と断定でしていないのは、当時の私は失礼ながら、
「そこそこ美味しくて、いつも空いてて漫画が読める店」程度の評価しかしていなかったので。
電車に乗って、わざわざ食べに行く店でもなく、吉祥寺から転勤したあとは、足が遠のいてしまった。

屋号の「軼菁」が常用漢字でないように、お店で働いていた皆さんは、大陸から来た方々。
ただ、料理は日本でもおなじみのメニューばかりで、味付けは濃くなく油分も少なめで、万人受けするテイストだった。
日本語はちょっと怪しかったが、不自由したことはない。店主の挨拶は常に「いらっちゃいまちぇー」で、
八宝菜の注文には「ハーイ、はっぽうちゃーい」と、「しゃ・しぇ」が「ちゃ・ちぇ」なのが可愛かった。

ネット記事によると、「店主夫妻は上海に戻り、現店舗は娘夫婦が引き継いだ」と記載してある。
ここまで書き忘れていたが、屋号の軼菁とは、店主夫妻の娘さんの名前らしい。
下記は、店外に掲示されている軼菁さんの画像だが、今年訪問した際は、彼女らしき方はおらず、


代わりに、画像の美女とは似ても似つかない、クセのある女性店員がいたので後述する。

今年1月、久々の訪問を果たした軼菁飯店だが、実は数年前にも、ランチを食べている。
ガラケー画像しかないが、そのとき注文したのが、下記の「豚肉と玉子炒め定食」850円(現在の価格、以下同)。


昼間っから「青島ビール」500円を頼んでいるのが、私が無職になったことを証明している(苦笑)。
ちなみに、16時までのランチタイムは、ご飯、スープ、右下の麻婆豆腐は、セルフでお替わり自由である。
そのサービスは、私がまだ若く、いくらでも食べられる胃を持っていた頃にやってほしかった(泣)。

ランチを食べてから、さらに数年たった今年。21世紀2度目の訪問を決意。
お店はJR吉祥駅からほど近い、レンガ館モールの地下1階。建物の外観に反し、ちょっと怪しげな雰囲気のエリアにある。


かつては、建物の上が赤い部分までが軼菁飯店だったはずだが、いつの間にか隣まで拡張していた。
さらに、以前は中休みナシの通し営業だったが…やってないではないか!


どうやら、最近は16~18時までは中休みらしい。また「食べログ」に騙された! ※お店HPはここ数年更新ナシ
数時間後に再訪し、八宝菜と餃子と青島ビールを飲んだ…ところまでは前回書いた。

※前回紹介した、八宝菜と青島ビール

久々の八宝菜に舌鼓を打ち、途中で「ウーロンハイ」400円も2杯頼み、シメのお食事へ。


“創業から続く、当店人気の肉野菜麺”という説明されていた「豚肉麺」850円にしようと思ったが、

※一部メニュー左隣の赤丸は後述

「豚肉麺セット」950円にすると、点心と杏仁豆腐が付くそうなので、そちらを選択。
数分後にはセットが登場。こちらのお店、メニューによっては「作り置き?」と疑いたくなるほど高速で出てくる(笑)。


点心は春巻で、ごく平凡な味。杏仁豆腐も驚くほど甘ったるく、どちらも自家製ではないと思う。
一方、メインの豚肉麺は、要するに肉野菜炒め乗せラーメンだが、創業から続いているだけあって、さすがのウマさ。


細縮れの麺は、本場上海のモノに近いとされる玉子麺で、舌触りも良好。
具材の肉野菜やスープも含め、ラーメン専門店では出せない、中華屋さんならではの味わいである。
食べ終えてのお会計は3650円。結構飲み食いしたので高いとは思わないが、
実はこちらのお店、【3500円~食べ飲み放題】というコースメニューがある。そっちにすればよかった!


時間と酒の種類によって価格が変わり、すべての商品が飲み食いできるワケではなく、
さっき載せた麺類メニューだと、商品名の左に赤丸が付いている料理が、食べ放題OKである。
それでも、メニュー数は豊富だし、バイキングと違い出来立て料理が食べられるのも魅力。
ひとり客でも注文可能なのか不明だったのであきらめ、この日は赤丸以外のメニューを食べたのだ。
なお、私の訪問時にも、例のコースを選んでいた団体客がいたのだが、
その相手をするおばちゃんが、めちゃくちゃ怖い。さっき触れた、「クセのある女性店員」とは彼女のことである。

Googleの口コミでも、「女性店員の態度が悪い」という投稿がいくつも見受けられる。
確かに、商品を音を立てて置く、オーダーを無視する、不機嫌そうな返事…などなど、今どき珍しい応対をしていた。
私も若い頃なら激怒していただろうが、あえて女性のフォローをすると、「食べ飲み放題とはいえ、注文は簡潔にしろ」。
ちなみにこの日、店員さんはふたりだけで、そこそこ広いホールを回していた。

たとえば、3人客がいて、客Aが「ウーロンハイください」→店員ウーハイ持ってくる。このとき、客Bが「あ、ぼく緑茶ハイ」
→店員緑茶ハイ持ってくる→ここで客Cが「あ、オレも緑茶ハイ」→これではさすがに、店員さんも不機嫌になるよ。
上記の場合は、なるべく3人同時に注文し、店員さんの往復回数を減らすべきでしょ。
この日は、「すいませーん」と呼びつけておいて、店員が来た瞬間、「え~と、ナニしようかな…」と、
その場で考え始める客もいたが、あんなのは論外。見ていた私も腹が立った(←見なきゃいいのに)。
「こっちは客だぞ」と思っているのだろうが、店員さんだって奴隷じゃない。働きやすいよう気を使ってあげようよ。
そもそも、通常価格が安いのだから、文句があるならチップでも渡せばいい。きっとサービスもよくなるはずだ。

ちなみに私は退店間際、例の女性に「久々に来たんですけど、相変わらず美味しかったです」と告げると、彼女も喜び、
「ヒサビサノオキャクサン、オイシカッタイッテルヨー」と、厨房に伝えていた。そんなに悪い人じゃないぞ。
彼女に好印象を持っていただけた(?)ところで、忘れられないうちに、数日後には軼菁飯店さんに今年2度目の訪問。
飲み仲間の先輩ふたりと、「食べ飲み放題コース」にチャレンジしてきた。

夜の営業開始時間である、18時に到着したところ、店内にはすでに、大勢の客がいた。
この日は土曜だったが、ひょっとしたら「土日だけは中休みナシ」だったりするのかも。
なお、例のクセのある女性店員は、残念ながら(?)不在。春節で早めに帰省しちゃったのかな。
この日のホールは、前回とは別の男女店員が担当。無論、怖くはないけど、失礼のないよう、
注文回数は最低限に、なおかつ丁寧な口調でオーダーしたので、念のため。

選択したのは一番安い「2時間・30品飲み放題・3500円コース」3名分。3時間4500円コースは、年齢的にキツいし、
50品飲み放題4000円コースも、追加になるハイボールや果実酒などは、あまり飲まないので。
「瓶ビール」(通常550円、以下は通常は略)で乾杯し、その後はウーロンハイなどのチューハイ類をお替わりした。

以下で、この日オーダーした料理の画像を、一挙に掲載していく。
まずは私の大好物「木須肉(ムースーロー)」900円=きくらげ玉子炒めと、「鶏の唐揚げ」600円。


きくらげ玉子炒めはハズレのない料理ゆえ、先輩たちも気に入ってくれた。
唐揚げは、一般的な見た目とは異なり、チキンカツのような形状で、塩コショウを付けて食べる。


続いては「ニラ餃子」500円。前回載せた「キャベツ餃子」と、ほぼ変わらぬ外観。


これまた好物の「味付玉子」120円×3に、「焼売」600円。


せっかくの食べ放題なのだから、味玉は人数分ではなく、10個くらい頼めばよかった。
こちらは、先輩が注文した、上海黒酢使用の「黒酢酢豚」900円。実は黒酢嫌いの私は食べていない。


ある程度食べ終えたので、2度目の料理注文。「海老チリ」1050円を頼んだら、10秒で出てきた(本当)。
あまりの早さに驚いているうちに、撮影するのを忘れてしまった。
こちらは、食事にもツマミにもなる「上海焼きそば」750円。右奥に見えるのが、食べ終えた海老チリの皿だ。


焼きそばを取り分けたお皿に、直後に到着した「春巻」も一緒に乗せる。取り皿はひとり2枚までなのでご注意を。


春巻は2本で360円だけど、確か人数分提供されたと思うので540円か。
ここまで、期待どおりというか想定内の料理が続いたが、ちょっと変わっていたのが「もやし炒め」600円。


ここ軼菁飯店さんは、最初の方に掲載した八宝菜のように、塩ベースの透明なタレを使うことが多い。
このもやし炒めも色白な仕上がりだったが、塩というか酸味を少々感じる。酢を使ったのかな?
イヤな酸味ではないのだが、もやしナムルとも違う、食べたことのないもやし炒めであった。
個人的に、この日一番気に入ったのが、こちらの「玉子炒飯」700円。


具材は玉子と少々のネギだけなのに、口に含むと旨味が広がる。お店が“黄金炒飯”と呼ぶだけのことはある。
味の秘密は秘伝のタレか? 化学調味料か? おそらく後者だろうけど、ウマけりゃいいよ。
その後は、「炸醤麺(汁なし)」ジャージャーメン850円が出てきて、


ラストオーダーに「水餃子」500円と「揚げ餃子」600円を注文し終了。揚げ餃子は先に先輩が確保。


餃子は、どちらも本来は6個のはずなのに、人数分の3個しかなかったから、それぞれ250円と300円で計算。

ここまで、「瓶ビール」2本、400円のチューハイ類を3人で推定16杯、先輩が「紹興酒」500円をロックで1杯。
以上、全部合計すると………16900円! 実際のお会計は10500円なので、かなりお得だ。
これでも、おっさん3人が遠慮がちに頼んだ結果なので、図々しく頼む若者なら、3人で2万円超も可能だろう。

初めて「食べ飲み放題コース」を満喫した感想をいくつか。
○点心類はイマイチ→マズくはないが、どこかで食べたような味ばかりで、自家製じゃない気がする。
○海老がウマい→先輩たちも語っていたが、海老チリはソースより、海老自体がウマかった。
そういえば私も、数日前に食べた八宝菜では、海老が一番美味しかった。
○玉子炒飯最高!→パラパラの食感といい、なぜか口内で爆発する旨味といい、近年では最高のチャーハンだった。
○普段より焼酎が濃い→数日前、普通に頼んだウーロンハイより、明らかに焼酎が濃い。
一般客には、薄くしてもっと注文させて、飲み放題客には、あまり飲ませないよう濃くしているのかも。

今回、食べられなかった料理もたくさんあるので、このコースは、また挑戦したいね。
なお、普通に食べるときは、コース対象外の八宝菜がオススメだ。
あと、繰り返しになるけど、例のおっかない女性店員も、そんなに悪い人じゃないと思うよ、たぶん。



上海酒家 軼菁飯店
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-5 レンガ館モール地下1階
JR、京王線吉祥寺駅から徒歩約2分半
営業時間11時半~16時、18時~23時半 土曜は中休みナシ?
定休日 元日、木曜
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