楽しく学ぶ翔雲書道教室

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カナヘビと少年…

2013-06-03 08:25:57 | エッセイ・記憶の彼方に…
道端で花の写真を取っていたら、少年に声を掛けられた。

『おじさん! カメラマン?!』
『おじさんは、カメラマンじゃないよ。お花がきれいだから写真を撮っていたの…』
と説明した。

その少年は、とてもフレンドリー、次に
『僕ネ、カナヘビ取りの名人なの…』
自信ありげに少年は言った。
ンッ! これは面白い少年だな━と、一瞬思った。

『おじさん一緒に行く?。去年僕9匹のカナヘビ捕まえたんだ』
『弟と約束したんだ。カナヘビ捕まえるって…』
少年のお話しは、とても面白い。
『カナヘビとっても可愛いんだ。指に尻尾で巻きつくの…』
『何処へ行くの?』
『学校の裏山』
と誘われた。
学校の裏山なら、家の近くだ。
一緒に行ってやろう━そう思って、少年に同行した。

目的地に到着、カナヘビ探しを一緒にした。
探すこと20分、残念ながら名人はカナヘビを捕まえられなかった。
なんだか、子供時代が甦った。
ガッカリした少年は、
『蛙を捕まえに行こう!』
と言って次の目的地に向かった。

そして歩いた瞬間
『バッタだ!』
といって捕まえた。
見たら小さなバッタだった。
バッタを捕まえた少年の指の爪は、汚れていたが、
その汚れを見たとき、妙に嬉しくなった。

この日は、蛙も発見できず収穫なし、
少年は肩を落として帰って行った。
西の彼方の空は、ほんのり朱かった…。






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