奈良の旅の最終日、
二月堂、三月堂を訪ねた。
ゆっくりと東大寺の裏路を歩いたが、
最後に戒壇院にたどり着いた。
小さな戒壇院は当初訪れる予定は無かったが、
折角通りかかったので、そこを参観することにした。
中に入って驚いた…。
私の書道のスタート地点に再会したのだ。
私は、1976年5月号から「書の研究」にデビューしている。
初めて書道を始めた時の、書の研究の表紙写真は多聞天象。
その多聞天象が、この戒壇院に安置されていたのである。
私の書道の原点に出会ったような気がした。
驚きの再会であった。
戒壇院の多聞天象と初めて名前が載った38年前の「書の研究」の本
多聞天は、《(梵)Vairavanaの訳。音写は毘沙門(びしゃもん)》四天王の一。常時、如来の道場を守り、法を聞くことが最も多いことからの名。北方を守る仏法守護の神将。甲冑(かっちゅう)をつけ、両足に悪鬼を踏まえ、手に宝塔と宝珠または鉾(ほこ)を持った姿で表される。日本では福徳の神。多聞天王。毘沙門天。