素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

秋十年却って江戸を指す故郷 ・ 芭蕉

2014年09月17日 | 日記
 3週に渡り芭蕉の句をたくさん読んできた。その中で、秋十年(あきととせ)の句は心に響いた一つであった。
伊賀から江戸に出て、10回目の秋を江戸で迎えた。遠くに故郷があると思っていたが、江戸住まいも年を重ねてからは、よそに出かけると、むしろ江戸が懐かしい。という過ぎた歳月への感慨を詠んだ句である。

 今夏の甲子園は大阪桐蔭と三重高が決勝を戦った。この時、私にとって故郷はどちらだろうとふと思った。ブログにも18年生まれ育った三重と40年暮らした大阪という書き方をした。

 帰郷という言葉がある通り、故郷は帰るところである。大阪に居ては志摩に帰る、志摩に居ては大阪に帰るという。どうでもいいことなのだが、考えてしまう自分がいることは確かである。こんな思いが出てきたのはここ2年のことである。
 
 口に出して言っても笑われるのがおちだから、心に持ってきたが、芭蕉の句を読んだ瞬間『芭蕉よお前もか』と嬉しくなったのである。

 旅に出て「あなたの故郷はどこですか」と尋ねられたら、さて どう答えるだろう?そのようなことを考えるのも秋の気配が漂ってきたせいか。
コメント
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