JR西日本はずい分早く全線運休の決断をした。午前中は風のみであったが枕崎に上陸して北東に進路を変えてからは急速にスピードを上げ午後には高知の宿毛、夕方には岸和田付近に上陸して日付の変わる頃には近畿から東海へとぬけていった。明日、山野草の会で丹波篠山へ日帰り観察会を予定している妻はホッと一息である。
こんな日は読書しかない。『幕末維新の漢詩』(筑摩選書)は一日一人のペースで来てちょうど半分の10人目、細川藩の山鹿流兵法学の師範の家に生まれた宮部鼎蔵である。知らない人物であった。萩毛利藩の山鹿流師範の家を継いだ吉田松陰とはそのことが縁で親交を深め、一緒に東北視察の旅をする間柄であった。池田屋で討死するまでの45年の生涯を漢詩ととともに辿ると幕末という時代に生きた志士の姿が浮かんでくる。
歴史上有名な人物に混じって取り上げられている、四国讃岐の金刀比羅宮あたりの博奕打ちの親分でありながら、勤王の志あつく、和漢の学問にも通じていた日柳燕石(くさなぎえんせき)の生き方も興味深かった。
そして、並行して読んでいるのが奥泉光さんの書かれた「東京自叙伝」(集英社)。題名から東京という都市の歴史的な変遷がテーマだと察するが、その手法がユニークである。まだ最初の幕末の江戸から明治となったあたりだが、ちょうど『幕末維新の漢詩』の内容と重なり合うので面白く読み進めている。独特のリズム感があり読みやすい。今後の話の展開を楽しみにしている。
こういう荒れた天気に読むのにうってつけの本である。
この2冊を読むことが大阪マラソンに向けての心のトレーニングになっているように思える。明日は天気が回復しますように。
こんな日は読書しかない。『幕末維新の漢詩』(筑摩選書)は一日一人のペースで来てちょうど半分の10人目、細川藩の山鹿流兵法学の師範の家に生まれた宮部鼎蔵である。知らない人物であった。萩毛利藩の山鹿流師範の家を継いだ吉田松陰とはそのことが縁で親交を深め、一緒に東北視察の旅をする間柄であった。池田屋で討死するまでの45年の生涯を漢詩ととともに辿ると幕末という時代に生きた志士の姿が浮かんでくる。
歴史上有名な人物に混じって取り上げられている、四国讃岐の金刀比羅宮あたりの博奕打ちの親分でありながら、勤王の志あつく、和漢の学問にも通じていた日柳燕石(くさなぎえんせき)の生き方も興味深かった。
そして、並行して読んでいるのが奥泉光さんの書かれた「東京自叙伝」(集英社)。題名から東京という都市の歴史的な変遷がテーマだと察するが、その手法がユニークである。まだ最初の幕末の江戸から明治となったあたりだが、ちょうど『幕末維新の漢詩』の内容と重なり合うので面白く読み進めている。独特のリズム感があり読みやすい。今後の話の展開を楽しみにしている。
こういう荒れた天気に読むのにうってつけの本である。
この2冊を読むことが大阪マラソンに向けての心のトレーニングになっているように思える。明日は天気が回復しますように。