素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

ミゲル・ロドリゴの言葉

2014年10月14日 | 日記
 昨夜、BS1で「奇跡のレッスン・サッカー熱血教室」があった。「奇跡のレッスン」は、プロチームで活躍する現役の「名コーチ」による短期集中レッスンに密着する新しいドキュメンタリー番組である。『奇跡』とか『熱血』『白熱』『情熱』『魔法』などを冠につける番組や本にはまゆつばものが多く基本的には避けているが、ちょっと気分転換に見ることにした。

 フットサル日本代表をアジアカップ2連覇に導くなど、世界トップレベルの指導力を誇る監督・ミゲル・ロドリゴさんが、東京・文京区の子どもたちのサッカーチームを指導した1週間を追っていた。

 2009年の来日当初、練習時に指示待ちの選手が多かったことに衝撃を受け、そこから自己判断力を培う上でどのようにすればいいのか試行錯誤を繰り広げていった。“決断力を磨くこと”で個々の選手が躍動しはじめチームは機能する。選手たちの決断力を磨くことで、チームは躍動しはじめる。とミゲル・ロドリゴさんは別のところのインタビューに答えていた。

 文京区の子どもたちの指導にあたっても同じであった。

 一日目は普段やっている練習を見ることであったが、そこで監督やコーチから安全第一を求める声が多く出ていることに気づく。彼は「リスクのないところから学ぶものはない」と考える。中央でつなぐことも、ゴール近くのエリアでボールをキープすることも注意することはない。

 『ミスはしてもいい。ミスから学べば良い』と繰り返し呼び掛ける。常に『頭は使えているか?』と自分で判断することを要求する。そして子供の判断は最大限尊重する。

 ゴール前のA君、味方にパスをしたら「そこはシュートだろう」と叱責され、次の場面でシュートをすると「なぜパスをしない」と叱られる。そうするとA君は自分で判断することに臆病になり、持っている力を発揮できなくなってしまう。うまくいかなかった部分は後の練習でアドバイスして気づかせてあげればよい。と彼は考える。そして、うまくいった時はほめてあげればよい。

 彼は言う。『人のミスを見つけて叱ることは誰でもできる。人の隠れた良い所を見つけて褒めることは難しいが、私はそのことを心がけている。そのためには常に観察を怠ってはいけない。』

 監督、コーチ、保護者にも『子どもたちを社会のプレッシャーから解放してやってください』と要求する。

 子どもたちの決断力を磨くことで、やる気や自信、思いやりなどメンタル面の成長が自然と促されてくるということをカメラはとらえていた。

 後味の良いドキュメンタリーであった。フットサル日本代表にも目を向けてみようかなと思った。
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