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「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

冒険長編スペクタクル!『ガダラの豚』by中島らも

2016年11月10日 | 小説レビュー
~アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。
彼の著書「呪術パワー・念で殺す」は超能力ブームにのってベストセラーになった。
8年前に調査地の東アフリカで長女の志織が気球から落ちて死んで以来、大生部はアル中に。
妻の逸美は神経を病み、奇跡が売りの新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てるが…。
超能力・占い・宗教。現代の闇を抉る物語。まじりけなしの大エンターテイメント。日本推理作家協会賞受賞作。「BOOK」データベースより


題名からして、「どんな話なん?」と、思うでしょう(^_^;)

いきなり聖書の一文を引用したところからスタートし、何とも言えないゾクゾクするような心のざわめきを覚えながら読み始めました。

なんせ3巻セットなんで、読み応えがありました!

1~3巻を簡単に解説すると、

1.『新興宗教と奇術』日本
2.『呪術信仰と暮らし』アフリカ
3.『呪術家最終決戦!』日本

とまぁ、「なんじゃこりゃ?」という感じですが、これがホンマにオモシロイんです!

巻末の膨大な参考文献の数々を見るときに、「恐れ入りました」と言いたくなりました。

まさに中島らもさんが、自分で見て聞いて体験してきたかのような記述ですから、その筆力には感服します。

まぁ、クライマックスからエンディングに向けては、少し物足りなさを感じましたが、1〜2巻までの求読力は素晴らしい!

読後感も爽やかで、読んで良かったと思える作品です。

★★★★4つです。