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構成が巧い!「七つの会議」by池井戸潤

2017年05月20日 | 小説レビュー
〜トップセールスマンだったエリート課長・坂戸を“パワハラ”で社内委員会に訴えたのは、歳上の万年係長・八角だった―。
いったい、坂戸と八角の間に何があったのか?パワハラ委員会での裁定、そして役員会が下した不可解な人事。
急転する事態収束のため、役員会が指名したのは、万年二番手に甘んじてきた男、原島であった。
どこにでもありそうな中堅メーカー・東京建電とその取引先を舞台に繰り広げられる生きるための戦い。
だが、そこには誰も知らない秘密があった。筋書きのない会議がいま、始まる―。“働くこと”の意味に迫る、クライム・ノベル。「BOOK」データベースより

池井戸潤の二作目です。やっぱり売れっ子作家さんは違いますね!とっても読みやすい!面白いです。

世の中には、大企業、中企業、小企業、個人事業主などの分類があり、またその企業規模内にも、社長、役員、平社員、パート従業員など、職階も様々です。

この「七つの会議」には、その全てに当てはまる人々が登場します。

そして、それぞれの視点でそれぞれの立場で、使命感や正義感、欲望、怒りなどの思いを通して、七つの短編集が一つの物語を築き上げていきます。

まさに池井戸潤氏の真骨頂でしょう!

とても読みやすく、グイグイ引き付けられる展開に一気に読みきってしまいました。

企業の仕組みや商売の基本のようなことが、わかりやすく書かれているので、池井戸潤の入門編としても最適な読み物と言えるかも知れません。
★★★☆3.5です。