「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

空虚な物語「だれかの木琴」by井上荒野

2017年09月17日 | 小説レビュー
~あなたの奥さんが何してるか知ってるんですか?ストーカーですよ。
「またお店でお会いできるのを楽しみにしています」主婦・小夜子が美容師・海斗から受け取った、一本の営業メール。
そのメールを開いた瞬間から、小夜子は自分でも理解できない感情に突き動かされ、海斗への執着をエスカレートさせる。
明らかに常軌を逸していく妻を、夫の光太郎は正視できない。
やがて、小夜子のグロテスクな行動は、娘や海斗の恋人も巻き込んでゆく―。「BOOK」データベースより


「もう二度と食べたくない甘いもの」から二作目の井上荒野作品です。

常盤貴子主演で映画化もされてますし、結構「オススメ小説」にもランクインしてます。
「まぁ、『もう二度と・・・』みたいなことはないやろ(^_^;)」と信じて読み始めましたが、全ぁ〜ったくの期待はずれでした。

「面白くない作品」というのは、こういう小説のことをいうのでしょう。

盛り上がりとか、どんでん返しとか、もちろんありませんし、キャラクターに深みや含みも全くなく、良い意味での裏切りもなく・・・。

ただ文字を並べただけの薄っぺらい小説でした。

小夜子は行動をエスカレートさせ、狂気じみていきますが、結局、美容師の海斗を自分のものにしたかったのではなく、夫・光太郎から愛されたかっただけだったというオチなんでしょうかね?

しかし、それを真相とするならば、もっと夫を精神的に追い詰めるとか、違う形で狂気的に夫への愛と執着を表現する文章があっても良かったかと思います。

いずれにしても、「もう二度と」井上荒野作品を手に取ることはないでしょう。
★★2つです。