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小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

さすがの手腕『流星の絆』by東野圭吾

2018年10月21日 | 小説レビュー
惨殺された両親の仇討ちを流星に誓いあった三兄妹。
「兄貴、妹は本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ」14年後―彼らが仕掛けた復讐計画の最大の誤算は、妹の恋心だった。「BOOK」データベースより


「うまくまとめてくるよねぇ~」と、思わず微笑んで本を閉じました。

最近読んだ小説が駄作続きやったので、ようやく一息つけた感じです。

読み始めから一気に物語に引きずり込まれる筆力は流石の東野圭吾です!

三人で詐欺を始めるまでの経緯が、些かハシょられてはいますが、一気に読めます。

もう少し三人の兄妹が過ごしてきた過酷な日々を描き、それぞれの性格やキャラクターづくりにページを割ければ完璧だったと思いますが・・・、すでに620ページを費やしていますから、それも無理なのかも知れません。

一方で戸神父子の方も描きかたが物足りなく、こちらも今一つです。

それでも後半で一気に真相までたどり着く過程は緊張感がありますし、どんでん返しや伏線回収も見事です。

ラストの仕掛けには思わず笑みがこぼれますし、ハッピーエンドに持っていく手腕は巧みですね!

安心して読める作品です。

★★★☆3.5です。