夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。
ロートレックの作品に彩られ、優雅な数日間のバカンスが始まったかに見えたのだが…。
二発の銃声が惨劇の始まりを告げた。一人また一人、美女が殺される。邸内の人間の犯行か?アリバイを持たぬ者は?動機は?推理小説史上初のトリックが読者を迷宮へと誘う。前人未到のメタ・ミステリー。~「BOOK」データベースより
ずっと読みたかった筒井康隆氏『ロートレック荘事件』です。
筒井康隆氏の作品は、『旅のラゴス』に以来二作目です。『旅のラゴス』がとても面白かったので、これも楽しみにしていたんですが、何てことはない、僕のあまり好みのジャンルではない「叙述トリック」ものでした。
読者をミスリードしながら、「ええっ!こいつがっ!」って感じで、最後に犯人が明かされるんですが、それまでの展開も面白くなく、キャラクターにも魅力を感じず、描写もイマイチで、まったくダイブできないままに真相が明らかになりました。
犯人がわかった後も、犯人自身の口からダラダラと動機や行動の告白があり、最後まで楽しめませんでした。
「これは読むべし」というランキングの中でも良く見かけるタイトルであっただけに残念でした。
★★☆2.5です。