まわる世界はボーダーレス

世界各地でのビジネス経験をベースに、グローバルな視点で世界を眺め、ビジネスからアートまで幅広い分野をカバー。

世界は美しい観光地であふれている (コロナの時代のツーリズム広告)

2020-05-22 16:02:36 | 広告

国をまたいでの渡航が制限され、海外からの観光客を頼りにしていた国や都市や関連産業は、先の見えない経済の落ち込みで暗い気持ちになっています。しかし、そんな状況にありながら、「コロナが終わったら来てね」とアピールしている広告コンテンツがいくつか見受けられます。おそらく、継続的にリマインドしていないと、徐々にマインドシェアが低下していくということもあるのかもしれません。現実的な渡航ができなくても、そこに行きたいという憧れは、コロナが終わり、渡航制限が解除された後まで持っていてもらいたいのではないでしょうか。おそらくは、すでに、渡航先として選ばれるためのレースが、コロナの期間中に開催されていているのかもしれません。というわけで、今回は観光局の映像コンテンツをピックアップしてみました。どれも、コロナの時代の文法というか、トーン&マナーを守っていて、視聴者のステイホームで我慢せざるをえない辛い気持ちに寄り添うものになっています。

まずは南アフリカ観光局。

South African Tourism



南アフリカってこんなに楽しそうな国だったのという感じで、これまでの印象が随分変わります。さらに南アフリカの続編。



今は来れないけど、後で来てね、というメッセージが実にあたたく響きます。コロナの時代、みんな心がすさんでしまうのですが、やがて旅行ができるようになるというメッセージは、人々の心に希望を与えます。

そして次はアイルランド。

Ireland “I will return”



「私はここに戻ってくる」というメッセージ、いいですね。ビジュアルとしては、荒涼とした風景で、通常だと個人的にはそんなに憧れることのない景色なのですが、外に出られない今の時期だからこそ、このようなワイルドで粗野な景色が輝きを増すのかもしれません。アイルランド、頑張れ、と応援したくなってしまいます。

さて次はクロアチアのザグレブ。

Zagreb Loves You



ザグレブはクロアチアの首都なのですが、実は、今年の3月22日にマグニチュード5.3という、140年ぶりの地震がこの街を襲い、街のシンボルでもある大聖堂の尖塔の一部が破壊されたのだそうです。上の映像の最後のイラストがそれを示しています。コロナと地震のダブルパンチから復興して、やがて自由に旅行できるようになれば、是非ザグレブに来てねというメッセージ。ザグレブ、応援したくなります。

そして次はハワイ。

Share Aloha



これは観光局のコンテンツではないですが、観光プロモーションではなく、アロハスピリットをアピールするものになっています。コロナを疫学的にやっつけるのではなく、スピリットで癒すという感じで、とても安らぎを覚えます。「ハワイは地球上で最も陸地から離れた島」というコピーもいいですね。島自体がソーシャルディスタンスです。そして最後の虹の美しさ。ハワイに行きたくなります。

お次はジャマイカ。

Soon Come Jamaica



ステイホームの状況とは対極の明るい、楽しい、夢のような世界ですね。

そしてこちらはオーストラリア。

With Love from Aus



大自然、動物たち、海の美しさ、素晴らしい!

こちらはマドリッド。

Thank You, Madrid



観光誘致ではなく、市民への感謝を示したもののようですが、観光地としての魅力も十分伝わってきます。

こちらは観光局ではなく航空会社のコマーシャル。中東ドバイを拠点とするエミレーツのものです。



以前にもこのブログでご紹介しましたが、コロナが終息した後の未来から今を振り返るという視点で語っています。

こちらはカナダのニューブランズウィック州。カナダの頭部の大西洋に面する州です。

New Brunswick #NBalways



ナレーションの中で、「希望」はパワフルであるというのが印象的です。そして、「間も無くお互いに会える」というフレーズも、奇病を与えます。

最後はチリのラタム航空。

チリの航空会社Latam航空の#FurtherTogether



航空業界は新型コロナで最も打撃を受けている業界の一つです。おそらく経営的には大変な状況だと思います。ナレーションは飛行機の機内アナウンスの体裁をとっています。「乗客の皆さま、停止する時間が参りました」という出だしで、旅ができなくなった時代になったことを伝えます。「皆さまがご覧になれる地平線は、飛行機の窓からではなく、バルコニーや裏庭からになります。未来のために、エンジンをしばし止めることが、我々全員の使命だからです」というナレーション。そしてその後で「でも誰かが飛ばないといけないのです」と語り、このような困難な状況でも飛行機での輸送が必要な例を列挙していきます。この航空会社は、何があっても飛び続けるという決意を語るのですが、こういう会社は、応援したくなります。商売を度外視した企業姿勢に好感を持ちます。

みなさん、コロナの間に世界旅行した感じになったのではないでしょうか?早く渡航が解禁されて、自由に旅行できるようになると良いですね。

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