今回もピールの『積極的考え方の力』から、ポイントになる部分を紹介しましょう。
ピール氏は牧師なので、キリスト教用語を使っていますが――私も元牧師なので用語にまったく抵抗はありませんが――抵抗を感じる人でも、私のコスモロジーと唯識の授業を受けているみなさんなら、「神」や「イエス・キリスト」を「コスモス」や「コスモスの意志」と言い換えれば、そのまま理解できるはずの言葉です。
ポイントは、コスモスあるいは大自然あるいはサムシング・グレイトが自分と一体だということをまず学んで認識し、そしてそれにとどまることなく信じるところまで行くということにあります。
しかし、本当に信じるというのは、単なる意識の表面の働きではないので、潜在意識――唯識でいえば「アーラヤ識」――に働きかけて信じさせる必要があるのです。
潜在意識に信じさせるには、積極的な考え方を表現した語句を繰り返し断言的に言い聞かせることです。
繰り返し強く断言的に言い聞かせているうちに、言葉が種子のように潜在意識という土壌に蒔かれていき、やがて深い信念が芽生えてくるのです。
例えば、「コスモスが137億年かけて私に与えてくれている潜在能力にアクセスさえすれば、打ち勝てない困難なんかどこにもない!」「私はそれを信じる!」と。
ある意味でもっとも重要なポイントは、こういう言葉を読んで「ふむふむ、なるほど、こんなふうにやればいいのか」と思っただけで実行しないのでは何の効力もないということです(残念なことに、そういう人が実に多いのですが)。
指示どおり実行することが絶対に必要です。
ピールの言うことと私の言うことをとりあえず信用してみようと思う人は、実際に毎日五回必ず指示どおり実行してください。
では、以下の引用をしっかり読んで理解し、何よりも実行してください。
ある黒人の男性が、「どのようにして困難に打ち勝ったのかと尋ねられた時、このように答えた。「まず、困難の周りを回ってみます。もし回ることができなければ、その下に潜ってみます。もし潜ることができなければ、それを跳び越してみます。もし跳び越すことができなければ、それをかきわけて切り抜けてみます。私は神と一緒に困難をかきわけて切り抜けるのです」
先に紹介した不屈の男のやり方を思い出してほしい。「私を強めてくださる方のお陰で、私にはすべてが可能です」と繰り返して自分に言い聞かせるのだ。そして、一回ごとに「私はそれを信じます」と断言する。これを毎日五回行いなさい。そうすれば、あなたの心の中で不屈の力が解放されるだろう。
潜在意識というものはいつでも変化を嫌うものなので、「そのようなことは信じるな」とあなたにささやくかもしれない。しかし、潜在意識はある意味でこの世で最大の嘘つきだ。あなたが自分の才能を誤解しているのに同調して、ネガティブな気持ちをあなたに送り返すからだ。
潜在意識の中にネガティブな態度を作りあげると、潜在意識もこの間違った状態のままでいいといった反応をあなたに返すようになる。だから、まず潜在意識に向かってこう言いなさい。「さあ、私はできると信じるぞ。それが可能だと断言するぞ」
こうして潜在意識に積極的に言い聞かせれば、自然に確信が持てるようになる。なぜなら、今やあなたは潜在意識に対して積極的な考えを与え、それを育てているからだ。言い換えれば、潜在意識に対して真理を語っているのだ。やがて潜在意識は、あなたに真理を繰り返し始めるだろう。その真理とは、「イエス・キリストの助けがあれば、打ち勝てないような困難などどこにもない」ということだ。
(ノーマン・V・ピール『積極的考え方の力』ダイヤモンド社、p.153-155)
潜在意識から信念が湧いてくるように感じ始めたら、困難だった就活に驚くべき展開が起こるでしょう。
就活に勝ちたい人は、実行してください。漠然と「就活がうまく行くといいなあ」とかまして「あーあ、どうしてうまく行かないんだろう」と思っていても、実際に勝てるようになる可能性はほとんどゼロです。勝ちたいのなら、毎日、五回必ず繰り返し、強く自分に言い聞かせてください。
例えば、「コスモスの助けがあるのだから、打ち勝てないような困難などどこにもない!」と。