彼女は疲れた顔をして、正気がない
今、ここに立っているのがやっとなのだ
彼女は結婚し、心優しい娘、そして二人の息子に恵まれた
彼女の旦那は人あたりがよく、地元でも消防団に入っていて、どこから見ても円満な家庭に見えた。ところが本当の現状はそうではなかった
彼女の旦那はお酒を毎日飲み、時々怒りをぶつけるようになっていった
人あたりがいいので、気を使う。時には我慢の連続。それでも他の人への態度は変わらなかった
内側に溜めていったのだ
その感情はどんどん膨れ上がり、時々お酒を飲んでは怒りを彼女にぶつけるようになっていった
そしてとうとう、手をあげるようになった
一回あげた手は、もう治まりがつかなかった
感情を噴出すように、彼は彼女に手をあげていった
私のところに来た彼女はもうボロボロになっていた
私は彼の怒りの原因をエネルギーで見る事にした
すると彼の幼少の姿が出てきた
そして、彼は泣いていた
なぜなら、自分の父親が
母親を殴っていたのだ
そしてその姿を見て泣いている
そう。同じ事を繰り返していたのだ
彼は泣きじゃくってこう言う
「もう止めて~。殴らないで。」
彼はすべてを見ていた
父が仕事で苦しんでいた事。人からの裏切りで生活が大変だった事。
その辛さを全身で受け止めていた母の姿も
彼は助けてあげられない自分、哀しみを怒りを状況を変えられない自分が嫌になっていった
いつしか、自分の感情を殺す事で哀しみを感じないようにハートをブロックしていった
その方が生きる上で楽だから・・・生きられなかったから
「感情を出してはいけない」
いつしか彼は我慢が癖になり、次第に自分の感情すらも分からなくなっていった
長い年月、彼は母にそっくりな人に出会う
それが彼女だ
彼は会った瞬間から結婚を決めていた
彼はいい父親になろうと努力した
でも押し込めて殺してしまっていたあの感情は時々噴出してくる
自分も又、父親と同じようになっているのを
どうする事もできずにいたのだ
彼女がやってきた時、やっかいな出来事があった
それは息子の一人が社会的な問題を犯し、警察沙汰になってしまったのだ
エネルギーで見たら大した事ではなかった
彼は友達に言われて恐喝をおこなった
彼女は自分を責めた
私が息子を犯罪者にしてしまった
これは、一人の問題ではない
あなたが悪いわけでも、彼が悪いわけでも、旦那さんが悪い訳でもない
それを告げてから、ゆっくりと絡まってしまった糸をほぐすうように問題を見つめていかねばならない事を感じていた
そしてセッションに入っていった
「あなたは息子さんを見てどうしたい?」
私は聞いてみた
「分からない」
彼女は目を伏せた
旦那さんをあなたは全身で受け止めた
あなたと旦那さんは前世、母と子
あなたは彼の苦しみは母として見ていられなかった
だから、今こうして母親役をしてしまっている
そして一生懸命分からないながらも受け入れてきたね
彼女は声をあげて泣き出した
息子さんはこう叫んでいます
「僕はお母さんを助けたかった。助けられないと分かると自分がキライになったんだ。だって見ていられなかったから。お父さんも大好きなんだ。強がっているけど、自分をいつも心配してくれて、世間体とかその中でも必死にもがいているお父さんの本当の優しさを知っていたから。自分を我慢させて必死に守ってくれていたお父さんを知っているから。だから責める事はできなかったんだ。」
彼はすべてを見てきました
でも誰も責めていません
どうする事もできないこともあるって事を見ているから
「彼は優しいね」私は言った
彼女は顔をあげ、私を見た
私は目を閉じてみているが、すべてが見える
彼を抱きしめてあげるのはあなたしかいない
今あなたが抱きしめてあげなければ、彼は本当の犯罪者になってしまうよ
人は時々駄々こねていいんだよ
「淋しいよ~」彼と息子さんの叫び。後ろ姿にでている
勿論、犯罪はいけない。でもその中にあるハートの声を聞いたら
そんな事を通り越して抱きしめずにはおれない、愛さずにはおれないと思う
だって彼は犯罪者でも何でもない。素晴らしいハートを持つ魂なんだから
彼女の顔には影はもうなかった
「もう一度向き合ってみます」そう言って彼女は帰っていった
人生は時には何とも切ないと思うことがよくある
それぞれの思いと・・・それぞれの苦しみと哀しみが交じり合う
それぞれに哀しみがあるのだ
一番大事なのは、その声に耳を澄ますこと
それは悲痛な叫びをあげている
誰か一人でも、その声を聞く事ができたなら
そして愛する事ができたなら
もっと自由に・・・もっと楽に
もっと優しくなれるのだろう
愛がすべてを溶かしていくのだ
愛は生命そのもの・・・最も強力なパワーであり、怒りをも溶かしていく
すべての答えはその生命の本質、愛にある
価値判断が愛を止める
だから答えが見つからないのだ
今、ここに立っているのがやっとなのだ
彼女は結婚し、心優しい娘、そして二人の息子に恵まれた
彼女の旦那は人あたりがよく、地元でも消防団に入っていて、どこから見ても円満な家庭に見えた。ところが本当の現状はそうではなかった
彼女の旦那はお酒を毎日飲み、時々怒りをぶつけるようになっていった
人あたりがいいので、気を使う。時には我慢の連続。それでも他の人への態度は変わらなかった
内側に溜めていったのだ
その感情はどんどん膨れ上がり、時々お酒を飲んでは怒りを彼女にぶつけるようになっていった
そしてとうとう、手をあげるようになった
一回あげた手は、もう治まりがつかなかった
感情を噴出すように、彼は彼女に手をあげていった
私のところに来た彼女はもうボロボロになっていた
私は彼の怒りの原因をエネルギーで見る事にした
すると彼の幼少の姿が出てきた
そして、彼は泣いていた
なぜなら、自分の父親が
母親を殴っていたのだ
そしてその姿を見て泣いている
そう。同じ事を繰り返していたのだ
彼は泣きじゃくってこう言う
「もう止めて~。殴らないで。」
彼はすべてを見ていた
父が仕事で苦しんでいた事。人からの裏切りで生活が大変だった事。
その辛さを全身で受け止めていた母の姿も
彼は助けてあげられない自分、哀しみを怒りを状況を変えられない自分が嫌になっていった
いつしか、自分の感情を殺す事で哀しみを感じないようにハートをブロックしていった
その方が生きる上で楽だから・・・生きられなかったから
「感情を出してはいけない」
いつしか彼は我慢が癖になり、次第に自分の感情すらも分からなくなっていった
長い年月、彼は母にそっくりな人に出会う
それが彼女だ
彼は会った瞬間から結婚を決めていた
彼はいい父親になろうと努力した
でも押し込めて殺してしまっていたあの感情は時々噴出してくる
自分も又、父親と同じようになっているのを
どうする事もできずにいたのだ
彼女がやってきた時、やっかいな出来事があった
それは息子の一人が社会的な問題を犯し、警察沙汰になってしまったのだ
エネルギーで見たら大した事ではなかった
彼は友達に言われて恐喝をおこなった
彼女は自分を責めた
私が息子を犯罪者にしてしまった
これは、一人の問題ではない
あなたが悪いわけでも、彼が悪いわけでも、旦那さんが悪い訳でもない
それを告げてから、ゆっくりと絡まってしまった糸をほぐすうように問題を見つめていかねばならない事を感じていた
そしてセッションに入っていった
「あなたは息子さんを見てどうしたい?」
私は聞いてみた
「分からない」
彼女は目を伏せた
旦那さんをあなたは全身で受け止めた
あなたと旦那さんは前世、母と子
あなたは彼の苦しみは母として見ていられなかった
だから、今こうして母親役をしてしまっている
そして一生懸命分からないながらも受け入れてきたね
彼女は声をあげて泣き出した
息子さんはこう叫んでいます
「僕はお母さんを助けたかった。助けられないと分かると自分がキライになったんだ。だって見ていられなかったから。お父さんも大好きなんだ。強がっているけど、自分をいつも心配してくれて、世間体とかその中でも必死にもがいているお父さんの本当の優しさを知っていたから。自分を我慢させて必死に守ってくれていたお父さんを知っているから。だから責める事はできなかったんだ。」
彼はすべてを見てきました
でも誰も責めていません
どうする事もできないこともあるって事を見ているから
「彼は優しいね」私は言った
彼女は顔をあげ、私を見た
私は目を閉じてみているが、すべてが見える
彼を抱きしめてあげるのはあなたしかいない
今あなたが抱きしめてあげなければ、彼は本当の犯罪者になってしまうよ
人は時々駄々こねていいんだよ
「淋しいよ~」彼と息子さんの叫び。後ろ姿にでている
勿論、犯罪はいけない。でもその中にあるハートの声を聞いたら
そんな事を通り越して抱きしめずにはおれない、愛さずにはおれないと思う
だって彼は犯罪者でも何でもない。素晴らしいハートを持つ魂なんだから
彼女の顔には影はもうなかった
「もう一度向き合ってみます」そう言って彼女は帰っていった
人生は時には何とも切ないと思うことがよくある
それぞれの思いと・・・それぞれの苦しみと哀しみが交じり合う
それぞれに哀しみがあるのだ
一番大事なのは、その声に耳を澄ますこと
それは悲痛な叫びをあげている
誰か一人でも、その声を聞く事ができたなら
そして愛する事ができたなら
もっと自由に・・・もっと楽に
もっと優しくなれるのだろう
愛がすべてを溶かしていくのだ
愛は生命そのもの・・・最も強力なパワーであり、怒りをも溶かしていく
すべての答えはその生命の本質、愛にある
価値判断が愛を止める
だから答えが見つからないのだ