ふわり・舞う・毎日

気持ちに余裕がないと、心の泉が枯れちゃうもんね。

終わりの、始まり

2008年11月29日 | フォ撮りある記
穂和の車の調子が悪くなってきたのは、もう、少し前のことだった。
端的に言えば、「セルが回らない」。
バッテリーの問題ではなく、セルモーターの問題だ。
トンカチの柄で叩くという昔ながらの方法でだましだまし乗っていたが、それでもいよいよ悪くなるばかりということで、一度いつものディーラー(穂和の従兄の勤め先)に相談しに行こう、と、23日の日曜日に静内まで出かけた。
※ここまでの詳しい経緯と状況は穂和が書いてます→コチラから

行くとなれば、久しぶりにカメラを持ち出す。
目的は、静内川河口にある緑地公園。
ここは特に冬に、様々な野鳥が集まって来るので私たちの好きな撮影スポットでもある。
今までに遭遇しただけでもスズメ・カラス・トンビは当たり前として、セグロカモメ・ユリカモメ・カモ・オオハクチョウ・ホオジロガン・アオサギ・ダイサギ(亜種の可能性も)・オジロワシなどなど実にバラエティ豊か。


ユリカモメ。夏毛より冬毛の顔の方が愛嬌があってかわいい。


ダイサギ(もしくは亜種)。
立ち姿がバレリーナみたいに美しいので、好き。
でも警戒心が強いのであまり近寄れない。


カモのオスたち。
シンクロ中?

朝の河原はさすがに寒くなってきていたけれど、久しぶりにファインダーを覗けばやっぱり楽しいもの。
……それが穂和の車、シビック君との最後の遠出になったとも知らずに浮かれる私……。
以下次号→ではなく、穂和のブログをご覧下さい

秋ヲ惜シム

2008年10月24日 | フォ撮りある記
昨夜から風と雨が強くなった札幌。
日中の最高気温はここ数日ほとんど変わらず18℃前後。
でも太陽があるのとないのとでは、室内での体感気温が全く違う。
雨で一段と暗い今日などは、特に肌寒く感じる。
この雨が通過するのと同時に、強い寒気が来るらしい。
もう10月も残りわずか、本来ならいつ雪がちらついてもおかしくない時期なのだ。
そう思うと急に過ぎた季節が惜しくなる。

今年の秋は9月の連休の道東と大雪山系の紅葉を皮切りに、美瑛、富良野、豊平峡、近所の公園までそこそこ計画的に撮ってまわった。
行くたびにどこかで雲が来たり雨に当たったりしてなかなか思うように行かなかった、という気がしていたのだけど、後から写真を見てみると案外そうでもない。
撮るだけ撮って整理もされていなかった今年の秋を、惜しみつつプチ総集編。


札幌の奥座敷、定山渓温泉の外れから上がっていったところにある、豊平峡ダム。
常緑樹、紅(黄)葉樹が入り混じっていて、見事。


同じく豊平峡ダムにて。


札幌の町外れ、平和の滝にて。
滝と紅葉との組み合わせが見事な場所。


近所の公園で。
短いながらも、気持ちの良い銀杏並木。
そういえばこの場所ではギンナンの匂いがしたことがない。
全部雄木なのだろうか?


上記と同じ公園。
大きな人工池と、それをぐるりと囲む雑木林はどの季節に歩いても気持ちがいい。

今年は8月が暑くなりきる前にお盆が来て涼しくなってしまった、という印象だったが、9月に入って急に真夏に逆戻り、そして9月中旬からようやく例年並の気温になった。
そのために、場所によっては8月に早々と色付き始めた葉が9月の残暑で葉を散らしてしまったところもある。
そんな不規則な秋の始まりではどうなることやらと思ったものの、終わってみれば(札幌近郊に限って言えば)ここ数年で一番きれいに色付いてくれたような気がする。
これから雪が積もりきる年明けくらいまでは、自然風景というよりは街のイルミネーションを撮る機会のほうが多くなる。
閑散期とも言えるこの時期に、一度カメラをメンテナンスに出そうかな。

北国へようこそ

2008年10月05日 | フォ撮りある記
9月の終わりごろ、穂和宛に一通のメールが来た。
写真SNSで交流のあった、BUNさんからだった。
北海道へ撮影旅行に来る、というのだ。
BUNさんが美瑛・富良野方面にも行ってみたいとのことだったので、案内がてら自分たちも撮りに行こう、と決めた。
2週間前の連休に出かけたときは、紅葉が例年より遅くて目的の場所がまだ色付いていなかった。
10月の第一週にもう一度望岳台と、あとは朝霧を期待して美瑛に行ってみよう、とちょうど話していたところだった。

土曜の美瑛は雨もあり、夜中の気温も7℃くらいまで下がり、翌日曜日の朝には時間帯によって晴れという、朝霧が出るには悪くない条件だった。
が、思ったより雲が多かったのと、十勝岳とその周辺の山々に厚い雲が乗っかってしまったために美しい日の出が見られず、しかも町にもほとんど霧が下りなかった。
BUNさんにあの美しい風景をぜひ見て欲しいと思っていたのだが、自然が相手ではそうそう思うようには行かない。


霧がなければマクロ遊び。

白銀荘で朝風呂に入ってから望岳台、青池、拓真館、洋食や純平と巡って、すっかり美瑛が気に入ったというBUNさんとお別れ。
午前中はいまいち雲の切れが悪かったが、午後になってようやく薄日の差す時間が長くなって来たのを狙って、帰る前にもう一度だけと望岳台へ。


昨年、この場所へ来たときは紅葉の色付きはベストだったのに、もう夕暮れの時間で明るい光の中で撮ることができなかった。
今年は何としても明るい時間帯に撮りたい。
その願いがようやく叶った。

BUNさんは物静かで穏やかなお人柄だった。
目的地を定めて次々と移動をする私たちのペースにつき合わせてしまった感もあるのだが、北海道は良いところですね、と言って楽しんでもらえたようで、嬉しい。
私たちと別れた後、BUNさんの北海道の旅はまだまだ続くらしい。
どうか事故やトラブルに遭うことなく、無事に北海道を満喫して欲しいと思う。

こちらですぅ~

2008年09月24日 | フォ撮りある記
22日月曜は糠平湖のタウシュベツ橋梁→旭岳→(wakaさんいちこちゃんとお別れ)→天人峡。
23日火曜は美瑛→青池→望岳台→上富良野丘めぐり。

と紅葉を追いかけの旅だったわけだけれど、いろいろあってまとめる気力なし。
詳細は穂和の記事でお楽しみ下さい←完全なる人任せ。
※22日分の穂和ブログ記事はコチラから
※23日分の穂和ブログ記事はコチラから

どの場所もすでに訪れたことのある場所だったが、ひとつ、今までと大きく違ったのが青い川で知られている美瑛川中~上流域の青池。
これまでは砂防ダムの建設現場であり、工事車両の出入り口であることから「関係者以外立入禁止」区域だったところが、いつの間にか「立入禁止」の文字が消え、今回はついに「白樺遊歩道はこちら。工事中につきご迷惑をおかけしております」と、一般車両の通行を公式に認める記述に変わっていた。
(注・白金温泉街入り口にある「白樺遊歩道はこちら」とは別)
そして工事車両に遠慮をしつつ小道に入ると、とうとうこんな看板まで。



分岐のたびに立てられているので、まず迷うことなく川原と青い池にたどり着くことができる。
本来なら工事のために一時的に川の水をせき止めたことでできた池であり、いずれ消滅するはずのものだったはずなのだが、この感じだとそのままプチ観光名所として残されそうな予感がする。
道道からの入り口は相変わらずちょっとわかりにくいけれど。
それでも以前に比べればはっきりとした「入り口」であり、工事関係者用のプレハブ事務所が道道から見える。
元々、ある写真家さんが美瑛のポスターにここの写真を使ったことから有名になった「幻の青池」。
この先どうなっていくのやら。
(これまでの青池の様子は、私の別ブログに記事と写真をまとめてます。良ければコチラからどうぞ)

秋の花旅

2008年09月21日 | フォ撮りある記
祝日と日曜日との間である月曜に休みを取れば、4連休。
それに取っていない夏期休暇の残りを1日足せば、5連休。
そうしてスケジュールも万全で迎えたはずの連休、だったのだが、結局土曜日に穂和に急ぎの仕事が入って半日潰れてしまったため、予定が少しずれた。
それでもとにかく、秋の道東へ。

土曜日は午後からしか動けなかったので、完全なる移動日。
翌朝も早くから動きたいということで、早めに寝る準備をしていたら、突然写真仲間のいちこちゃんからメールが。
今もう遠軽にいるよ、と返信をすると、では自分たちも向かいます、との返事。
こうして札幌から片道4時間の場所での待ち合わせが成立した。

21日朝。
早朝は天気が良かったが、推定雨男のwakaさんが近付いて来るに従って、雲が出始めた。
遠軽の目的地である「太陽の丘えんがる公園」は、本当は9時から開園なのだが、私たちを含めて時間前から待っているお客のために、スタッフが来た8時過ぎにはもう中へ入れてくれた。
連れのいちこちゃんの晴れ女パワーのおかげで、どうにか晴れ間も見えつつの、コスモス撮影。
今年は、八重のコスモス「ダブルクリック」という品種がかわいくて、夢中になった。
この八重秋桜、実は昨年からあったとのことだが、昨年は全く気が付いていなかった。





コスモスを堪能し、次なる目的地の能取湖に向かっていくと、雲はどんどん厚くなっていった。
この時期の能取湖と言えばサンゴ草(アッケシソウ)だが、いかんせん陽が射さないと美しい赤色が出てこない。
何とか少しでも太陽を、と願ったが、なかなかそううまくは行かない。



サンゴ草の群生地にはたくさんのカモメが舞い降りて、泥の中をつついてエサを獲っていた。
カモメの種類がわからなくて家に帰って調べたところ、どうやらユリカモメらしい。
ユリカモメと言えば黒い頭、だと思っていたが、冬毛になるとこんなに淡くてかわいい模様になるようだ。

こんな曇天では本日最後の目的地、メルヘンの丘には夕陽は沈まないかも知れない。
今まで何度かメルヘンの丘へ行っているが、どの季節でも、沈む夕陽に出会えないことはなかった。
だけど今度こそはダメかも。
そう思えるほど厚い雲に覆われていた網走周辺だったが、案に相違して女満別に入ったところでうっすら薄日が射してきた。
そして夕暮れの時間にはちゃんと太陽が顔を出し、くっきりと輪郭を見せたまま丘の向こうに沈んだ。
残照も、きれいに見えた。


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霧海テラス

2008年09月16日 | フォ撮りある記
13日からの三連休初日。
真ん中の14日日曜日は今年4組目となる友人の結婚式へお呼ばれしていたので、連続して出かけることはできない。
でもせっかくだからどこかへ行こう。
ただ、天気予報がどうもいまいち良くない。
さてどこがいいだろう?

いろいろと悩んでいるうちにふと、昨年のこの時期にローカル番組で見たトマムの「雲海テラス」を思い出した。

山間ににょきっと生えているかのような高層のホテル群を中心とした、滞在型リゾート施設「トマムリゾート」。
冬にはスキー場となる山の、上級者コースとなっている山頂は、夏の間はスタッフだけが立ち入る場所だった。
夏の早朝、その山頂からトマムリゾートの敷地を見下ろすと、霧が下りていることがある。
霧というより、厚い雲となっていることがある。
そんな時、山頂にあるテラスは雲の上になることから「雲海テラス」と名付けられている。
実際、夏の間は雲海が発生する気候条件が揃いやすいらしく、低くない確率で遭遇できるらしい。
雲海テラスのスタッフ、「雲海仙人」さんが不定期更新しているブログを見れば、翌日の雲海発生予報もわかる。
(2008年9月13日の記事もあります。上から3枚目、4人組が記念撮影しているすぐ左側に私たちは陣取ってました・笑)

私たちが行こうとした日の前日には更新がなかったので、予報は見られないまま出発。
早朝の天気予報は「曇り」、ということは雲海発生?との期待も持った一方で、前日が雨のために日中の気温が上がっておらず、夜中との気温差がほとんどなさそうだったため、あまり発生してくれないかもという覚悟もしていた。
山頂に向かうゴンドラ乗り場の駐車場で車を降り、空を見上げると星が見える。
星が見える、ということはお天気が良すぎてダメかも、とまた苦笑い。
とにかく行ってみましょう、とゴンドラ乗り場に行き、始発の便に乗って山頂を目指した。
ゴンドラに乗っているうちに、山向こうから朝陽が上がり始めた。
雲海テラスから出会えたのは、雲海にまではなりきれない、霧の海だった。
遠くの山は霧の中に浮かんでいるよう。
美瑛の秋の朝霧ともまた少し違う、それはそれで美しい光景だ。



夏のゴンドラ運営は前期が朝5時から8時半、後期が5時半から8時半。
どんなに遅くても8時半までにはゴンドラに乗って帰ってこなくてはならない、まさに早起きした人だけが味わえるひとときなのだ。
前期と後期の切り替え日は年によって異なると思われる(2008年は9月16日までが前期)。
私たちが行った前期の最後に近いころになると、朝イチの便で上がれば雲海に朝陽が昇るという最高に贅沢な条件にめぐり合うこともできそうだ。
ゴンドラの乗車券代わりになっている絵葉書は、雲海テラスにあるポストに入れれば、切手の代わりに記念スタンプが押された状態で配達される。
雲の上からお手紙、なんてちょっと楽しいじゃない?
というわけで私は穂和宛に送ってみた。
16日、無事に自宅に届いていた。

トマムアルファリゾート公式ページはコチラから

竜竜めぐり

2008年07月31日 | フォ撮りある記
毎年この時期には欠かせない場所のひとつ、「太陽を味方につけた町」北竜町。
去年は台風に当たってしまい、雨こそ上がったものの今ひとつ晴れきらない空の下だった。

今年はもうひとつの「竜」の名の付く町、雨竜町の雨竜沼湿原(北海道の尾瀬と呼ばれているとの説もあり)にも行ってみたいと思っていた。
片道1.5時間の山道の手前にある駐車場は、シーズンになるとあっという間に満車になるらしい。
それを心配して朝6時には湿原に向けて歩き出したのだが、これが駐車場問題とは別に、良い判断だったと後々気付かされることになる。

雨竜沼湿原の先には、南暑寒別岳などの登山道がある。
湿原まではハイキング、程度の気分でまだ濃い霧の残る中を歩き始めた。
が、目の前に現れたのは、よいしょと足を持ち上げなければならないような、ひざ高の岩が続くれっきとした登山道だった。
汗が出て喉は渇くけれど、湿原にはトイレがないとわかっているからどうしても水分をセーブしてしまう。
それでもシャッターを切ることは忘れず、ゆっくり撮りながら目的地にたどり着くのには2時間かかった。



陽はだいぶ高く上り、東屋のひとつもない湿原の木道に立つとじりじりと焼けつくようだ。
それでも湿原を通り過ぎて行く風は確かに気持ちがいい。
一周約4kmの木道を廻るのに、また2時間。
鳥とトンボと高山植物と。
今度はぜひ、雪解け直後くらいの時期に行ってみたい。
戻り道の下りは下りで、足元に集中しなければならなかった。
すれ違う人たちはみな、息を切らせ大汗をかいている。
霧のある、涼しい時間帯に登っておいて良かった、もしこの陽の高い時間に登っていたら、きっとバテて倒れていたに違いない。

予定外の体力を使ってしまい、足の裏も痛い。
軽く昼寝をしてから、北竜町のひまわり畑に向かった。
この日(26日土曜日)は夕暮れ時に逆光となるひまわり畑を撮り、夜には沼田町のホタルに会いに行き、翌日(27日日曜日)はもう一度午前中に北竜へ戻って順光のひまわり畑を撮って帰る、という計画にしていた。
ひまわりは、例年と同じ時期に来ているつもりだったのだが、いつも満開になっている手前の畑は半分終わりかけで、いつもならまだ緑色の畑になっている奥の方が黄色のじゅうたんになっていた。
そういえば雨竜沼の植物も、例年より1ヶ月弱も前倒しになっていたようだった。
日没になる前に、沼田町へ行く。
ホームページではそこそこの数が出ているはずだったホタルだったが、私たちが訪れた晩はあまりにも気温が下がりすぎて、飛んでくれていなかった。

       

午前中のひまわり畑にて。
これぞフィッシュアイの本領発揮。
魚眼は楽しい。
そしてまたしても黒焦げの上塗りをした格好で、帰宅。

本土へ

2008年07月29日 | フォ撮りある記
焼尻島、実質3日目、21日。
あっという間の離島最終日、羽幌から札幌へ帰るスケジュールの都合上、この日はもう焼尻でゆっくりしている暇はなかった。
朝食を食べて荷物を片付けたらすぐに宿を後にし、フェリー乗り場へ。
泊まった民宿のおばちゃんの誘いで早めに港に着くと、ちょうど沖から小型の舟が次々と帰ってきた。
舟には大量のウニ、ウニ、ウニ。
黒くてかてかと光る鋭い針のエゾムラサキウニが、カゴの中でしゃりしゃりと音を立てながら動いている。
港に集まったおばちゃんたちはそれをリズム良く別のカゴにあけて、台車に乗せては選別場所へ運んでいく。
面白くて夢中でシャッターを切っていたら、おばちゃんが傷もついていない大きなウニを2つ、あげると言って手に乗せてくれた。
海水で味付けされた、すくい上げても少しも崩れることのない新鮮なウニ。
ツルンと舌に乗せると口の中でとろけていく。
美味しくないわけがない。

最後まで良い思い出をもらって、高速船に乗り羽幌に戻る。
かなり沖に出るまで、ウミネコとオオセグロカモメが追いかけてきては見送ってくれた。



北海道本土に着いたら、もうひたすら帰札の途につく。
それでも途中にあるウィンドファーム苫前だけは寄らずにはいられない。
2年ぶりのそこには、ついにウォーキングコースなるものまでできていた。
さすがに風車の数は前ほどのペースでは増えてはいないようだったが、久しぶりの風車、そして絶好の青空に雲と、期待にこたえてくれていた。



ここ半年以上更新をしていない「フォ撮りある記」にも、このウィンドファームを載せようと思っている。
北海道に来て、通った回数上位にランクインするであろうほど、大好きな場所のひとつなのだ。

日焼け止めを塗っていても「黒い」と言われてしまった私と、焼く気まんまんで見事に黒焦げの穂和の夏はまだまだ続く。

オンコと羊の島

2008年07月25日 | フォ撮りある記
焼尻島、実質2日目、20日。

昨日は到着した後すぐに夕食となり、食後に日没を撮りに出かけるだけで終わったので、焼尻探検は実質初日となった。
たった28kmしか離れていないのに、天売と焼尻では生態系も違うらしい。

まずはレンタサイクルをして、島一周の旅に出る。
島の外周を走る道路の距離は約10kmと、天売とほとんど変わらない。
けれども天売ほど起伏が激しくない(だから断崖絶壁もなく、そこを住処にする海鳥の姿もないようだ)。

焼尻で目指すもののひとつが、オンコの森。
オンコは北海道に多く自生している木で、本州ではイチイと呼ばれている。
日差しも強くなってきて、汗をかきかき入ったオンコの森は、木漏れ日がいっぱいで涼しい風が吹き抜けていく、気持ちのいい場所だった。



案内地図に載っていた「オンコの荘」。
どんな場所なのだろうと見当がつかないままだったが、行って見て納得。
外側から見るとこんもりとしたオンコの木の茂みのようだが、中に入ることができる。
それはまるで、オンコの木でできたおうちのよう。

焼尻島でもうひとつ目玉になっているのが、島の中央に位置する広い牧草地。
そこで育てられているのは、高級食材としても有名なサフォーク羊だ。
北海道本土の士別町にもサフォーク牧場はあるのだが、その肉を食べられる場所は牧場だけ、士別の町の中では食べられない。
(現在では期間限定で食べられるところもある、という不確定情報あり)。
焼尻でも食べられないかも、という懸念はしていたが、港にある食堂のひとつがジンギスカンの肉としてこのサフォーク羊を出していた。
お値段は地元とはいえ、ちょっとお高めの一人前3000円。
でもネット通販などを見ると100gで500円以上の値段で販売されていることを考えれば、妥当なところだろう。



羊も海を眺めてたそがれる。

夕食を終えてから、今日もまた夕陽を狙って展望台へ。
雲は多いながらも、ようやく美しい夕焼けに出会うことができた。



離島の旅も、気付けば残すところ1日。

海鳥の楽園その2

2008年07月24日 | フォ撮りある記
天売島2日目、19日。

昨日は島の外周をぐるりと走っている道を自転車で回っていたので、今日は島の内側を走る野鳥観測の小道を歩いてみることに。
天売島で最もたくさんの野鳥が観察できるのは、5月~6月らしい。
ヤツガシラやオオルリなど、海鳥以外にも珍しい鳥たちに出会えるという。
次回はぜひその時期に来たい。

それでも小道を歩いていると、両側の林からはたくさんの鳥の鳴き声が聞こえてくる。
木々の葉に隠れて姿を探せないことがほとんどだったが、ある場所で声に耳を傾けながらじっとしていると、その声が徐々に近付いてくるのを感じた。
黙って、草むらに目を凝らす。
と、ついに目の前の草むらにその声の主が現れた。



姿かたちから、おそらくスズメのヒナ。
無防備にもチョンチョンと跳ねながらやってきたその子は、ついに私の足の下をくぐっていった。
巣から落ちたのか、でも親鳥の姿はなさそうだ。
その子はまたチィチィと鳴きながら、草むらに帰っていった。

天売島に貴重な海鳥がたくさん繁殖をしているのは、4つ足の天敵が少ないからということもあるようだ。
確かに、いるのはネコくらい。
ネコは、人の暮らす港や町にしかいないが、数は多い。
どの家にも、どの路地にも必ずいるといっていいほどだ。
ひさしぶりにこんなたくさんのネコに会ったような気がする。



夕方の船に乗り、天売から28Km、北海道本土に少し近い焼尻島へ向かう。

船を下り、予約していた宿に着いたと思ったら、
「今夜から? 明日だけの予約じゃなかったっけ」
と言われ、他のお客さんに詰めてもらって部屋を確保してもらったというハプニングから始まった。