イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

日本ではまだまだ大変だったコロナ対策と、これ意味あるの?疑問を誰も口にしない日本人の、秩序を重んじる道徳観と勤労意識の高さ!!

2022年11月27日 07時00分00秒 | 日本

自他ともに認識する、世界一清潔で安全な国、日本から帰国してもう3週間です。

(写真は、ほとんど実家付近と最寄り駅界隈以外外出する機会のなかった滞在中に、数回出かけた東京を含む日本の風景です。場所の詳細は一番下に)

軽い「カルチャーショック」のような状態がまだ続いています。

勤勉で礼儀正しく、秩序を好む国際規範の模範になるような国民性も自他ともに知られる日本人の特性です。

実家の事情で滞在した3カ月近く、あらためて上記のすべてが実感できました!

 

 

入国は、コロナ感染拡大防止の「水際対策」なるものの規制が大幅に緩められた8月の半ばでした。

空港ホテルに滞在する検疫隔離と空港でのPCR検査は廃止になり、出国前24時間以内に検査した「陰性証明」の提示が入国の際、求められました。

マンチェスターで有料の検査を受けてきて、即日届いた結果はめでたく陰性!と言っても...検査センターでは陰性だったのはたしかでしょうが、その後、誰一人マスクをしていないラッシュアワーのバスに1時間近くも乗って、ストックポートの自宅まで帰りました。

もちろん、渡航日当日も大勢の乗客であふれかえる空港(マンチェスターと中継地のチューリッヒの二か所)や、世界各国から乗り合わせた乗客といっしょに密閉状態だった十数時間のフライトで感染した可能性は大ありだったはずです。

到着した成田空港でのコロナ検査は一切なしで、うんざりするような長い長~い検疫審査(おもに書類のやり取りと順番待ち)を経て入国できちゃいました。

日本の「水際対策」、まったく意味がありません。

たしかにチューリッヒからの日本行きのジャンボジェット機には「24時間以内の陰性証明」を持った乗客のみが機内でのマスク着用必須で乗り込んでいたのですが...

それでもヨーロッパ各地で観光やら用事を済ませてきた日本入国者は私と同じで、(陰性だった)検査後の20数時間、感染者との密な接触の可能性を経て誰~もマスクをしていないチューリッヒまでのヨーロッパ内航路を搭乗してきた人たちなのですよ。

(繰り返しますが)検査後に感染しちゃった可能性も大ありな人たちばかりなはずなのです!

...まあ、いいか...?日本はとにかく「やってる、がんばってる」という形を世界に示したかっただけなのでしょうから。

 

狭いスペースに大勢詰め込まれて自分の審査の順番を待っている間に「今まで陰性をたもてていたとしても、ここで感染しちゃうことだってじゅうぶんあり得るようなこみ方だな」と思っていたのは決して私だけではなかったはずなのです、私の周りでそのことを口にする人は皆無でした。

「水際対策」の一環として外国人の入国には「短期滞在ビザ」が必要だったためでしょうか、私と一緒にチューリッヒからのジャンボ機を下りた乗客は8割ほどが日本国民のようでした。

文句も言わずに係員の指示に従って粛々と長い審査をやり過ごす辛抱強い入国者、また何時間も親切に同じ説明や指示を繰り返し、入国者を決してぞんざいに扱ったりしないプロ意識の高い係員...日本に帰ってきたことを強く強く実感しました。

決まりを守り人と同じ行動をとることによって得られる秩序や効率について各人が自覚を持った入国者や、自分の仕事に誇りをもって一生懸命ていねいにやり遂げようとする係員...すべて私の同胞です。

長く日本を離れていると、自分が日本人じゃないみたいに感じることがたびたびあります。

もともと日本に住んでいた頃から、形骸状の習慣や形式を重んじて、とりあえずみんながやっているからやっておこうと、無意味なことに疑問を持たない人々の行動にはいつも抵抗感がありました。

日本人じゃないようにふるまってもよかった英国での30数年間を経て経験したこの「入国検疫審査」の間、3回ぐらいは「キレてやろうか」とたしかに思える瞬間がありました。

しかし、行動規範の立派な同胞の中にあって、1人で「キレる」ほど品性が低くない私はニコニコと品のよい言葉づかいで係員の質問に丁寧に答え、必要な書類も提示して無事入国審査を終えることができました。

近頃、日本では特に私ぐらいの年代のオバサンや高齢男性など、公共の場で「キレる」人が多いそうですね。店員に土下座させたり「責任者を呼べ」とつまらないことで喚き散らしたりする(たぶん私より品性の低い)人たちが。あまりにも両極端なのが何とも不穏です。

実際に滞在中に「キレたり」しなかったのはもちろん、「キレた」人もみかけませんでしたが、ははぁ, 人はこういうことで「キレる」んだな...と「キレる」心理をあっさりと理解した私です。

 

「圧」って言うんですよね。3カ月の滞在中にコービットがらみの行動規制でたしかに感じましたよ。

「キレる」人たちって、社会の鼻つまみ者なはずですが、案外何もかも吹っ切れちゃったお気楽者でもあるのかも、とふと感じました。

「なぜこんなことしなきゃいけないの!?いや、みんながちゃんとやっていることだから、私もやらなくてはいけないんだ」と自分を納得させるように努めました。日本にいる間は日本人らしく立派なふるまいをしようとも心がけました。

短期間の滞在ではなく、一生日本に住み続ける人の中にはそれを「生きづらい」と表現する人もいるそうですね。自分の性格や行動規範が、秩序を求める日本社会の中に適合しないと考える人がいる、ということでしょうか。

 

コービッド(新型コロナ・ウィルスによる感染症)によるパンデミックはすっかり終わったことになっていた英国から日本にわたり、不可解な「感染拡大防止策」を体験して、コービッドによるパンデミックはやっぱりすっかり終わっている英国に戻ってきました。

不可解な「感染拡大防止策」とは;酷暑のさなかの自主的なマスク着用や「黙食」、飲食店のテーブルの同席者との間の仕切り!、入院患者や高齢者ホームの入居者への完全な面会禁止、公衆便所のハンドドライヤー使用禁止、そのわりには旅行や外食推進や外貨稼ぎに外国人を呼び込もうキャンペーンの大展開や、安倍元首相のドヒンシュク国葬の際の国際社会を鑑みてのマスク一時撤廃案 ‥などなど...です。

 

とにかく帰国後の先週、後れをとった4回目のワクチン接種を受けてきました。

予約なしで名前と生年月日を受付で言えば、過去のデータと照会して国中どこででも接種を受けられるNHS(国家保健サービス)のワクチン接種ネットワークの無料サービスです。

ついでに、50歳以上は無料で受けられるインフルエンザの予防注射も反対側の腕に打ってもらいました。

平日の教会を使った接種会場はガラガラで、なぜか男性ばかりの職員が、ヒマそうにマスクを外してくつろいでいました。接種者の私が入って来たら慌てて箱に入った使い捨てマスクをつけて対応してくれました。

私の受付を担当したインド・パキスタン系の私服の若い男性ナースは日本が大好きだそうで、最近見た私の知らない日本のアニメの名前を列挙してくれました。

日本に行ってアニメの舞台をめぐるのが夢だそうでした。

 

快適な日本での生活に感じる人は感じるらしい「生きづらさ」について以下、次号。

写真は上から;

千葉県船橋市の駅前商店街の不二家のペコちゃん、初秋の船橋市三番瀬海浜公園(富士山を望む風の強い日没後)、紅葉の季節には早すぎた新宿御苑、 皇居外堀(JR 飯田橋駅から)、夏の潮干狩りシーズンの三番瀬海浜公園、船橋駅周辺の裏通り

 

 

 

 

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2 コメント

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犬と暮らせば (浅井洋)
2022-11-27 12:37:12
キレる方は 体調が悪かったり
 ご家庭や ご自分に 不満が 有ったり
  と されて しまいます
「外面」そとずら と 「内面」気持ちとを分け 
    つまらない授業を長い間 聞く 
       習慣を付けた方が 多いですから
此れを 文化程度が高いって 言う方も多いですが   教育の 弊害と 言う方も 居られますよ
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浅井さんへ (江里)
2022-11-30 23:44:20
「教育の弊害」は目からウロコです。
日本は「従順」と「ブチ切れ」の落差が多すぎませんか。自分の意見を言う教育を受けていれば、キレるまで我慢することもないわけですし。一度キレてしまえば、もう何もガマンすることなく、困った人への下り坂をみるみるうちに転がり落ちてしまうわけですね。キレる前に何とかするべきなのです。(社会も!)
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