前回の続きです。
ヨークシャー北部の「編み物イベント」、ヤーンデール Yarndale の話題です。
町外れにある農業振興会の広大な建物を利用して開催されました。
まわりはヨークシャーの丘陵地です。
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中世の古城のある町の中心から レトロな赤い二階建てバスの送迎付き。
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家畜のオークション会場で時間がわりのワークショップをやっていました。
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小さめのオークション会場では靴下の展示も。
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ずらっと手すりりにめぐらせた物干し綱に下がっている手編みの靴下は一般の手編み愛好者からの善意の寄付だそうです。
編み物の著作もある有名な靴下のデザイナー企画したチャリティーイベント、寄付された靴下はフェアの後は恵まれない人たちへ送られるということです。
.....イギリスの牧羊の歴史は数千年もさかのぼれるそうです。
今、ちょっと調べました。現在(2014年の記録)でも約2,400万頭のヒツジが連合王国にいるそうです。
先週10月5日の連合王国の総人口は67,623,517人だったそうですから、比率は....ええっととにかくヒツジの数はすごいです。
17世紀に東インド会社を通じてインドから綿が渡来するまで、ウールと麻の2種類の布地しか普及していなかったイギリスでは羊毛生産は本当に長い間、非常に重要な産業だったらしいのです。
特に17世紀以降、毛織物産業で栄えたヨークシャーの歴史はヒツジとの縁が深いようです。
現在はほとんどすべてのイギリスのヒツジは食肉用に飼育されています。
一歳未満のオスの子ヒツジ(ラム lamb)が、母ヒツジが次の子ヒツジ(弟か妹)を出産する前にと殺され肉用に出荷されます。
肉用ヒツジの被毛(フリース)は繊維が短く長く強く紡ぐのには向いていないらしいのです。
夏に羊の毛刈りをするのは、虫がヒツジの暖かい皮膚に卵を産むのを防ぐためです。
大量に刈り取られたフリースは建築資材(壁や床下の詰め物)ぐらいしか使い道がなく、二束三文で引き取られるとか。
ブリテン島には古代から記録に残っているだけでも600種類ものヒツジがいたそうです。(!世界最高)、
残念、その多くは絶滅したそうです。
絶滅を免れた希少価値の優れた羊毛繊維用のヒツジは篤農家の努力によって保存繁殖され続けています。
やっぱりいたいた、イギリスの編み物フェステバルになくてはならないイギリス原産の(高級)羊毛繊維用のヒツジたち!
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この二頭はエクスムア・ホーン Exmoor Horn という、聞いたことのない古代種の腹違いの兄弟です。
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2歳足らずのトビーと8か月のテディ。
アッと驚くトビーの股間。
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まだ子ヒツジのテディの股間も十分立派でした。
タネヒツジの資格充分!
エクスムア・ホーン専門のブリーダーのこの農家はエクスムア・ホーン種の手編み用の毛糸の製造販売もしています。
コンテストの連続優勝羊のトビーは弟のテディと全国の羊毛フェアや農業博覧会などを回るのが仕事だそうで、本当に人になれていました。
そばによると柵に体を擦り付けてきます。かわいい!かわいい!
おさわりし放題。
きれいに洗われたもこもこ被毛にこっそり顔を押し付けてみました。
ヒツジのケモノっぽい脂のにおいが最高です。実際すごく脂っぽく、一瞬お肌がツヤツヤになった気がしました。
あまりにも何度も何度も見に戻ってきたので、喜んだ飼い主のおじさんがお土産に展示用のヒツジくさいもこもこフリースをひとつまみ分けてくれました。
南米産、アルパカも大人気。
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観光牧場で客寄せに飼われているのをよく見ます。
イギリスの国産アルパカ糸もよく売れています。
ちょっと写っているのは、腋臭(ワキガ)のようなにおいのするアンゴラ・ヤギです。
会場は一時、身動きも困難なほど大盛況でした。
たいていの入場者は大きなバッグやリュックサックを肩にかけているので(もちろん毛糸製品の買い出し用です)余計に窮屈でした。
人が3~4人ぐらいすり抜けて通れるほどのはばの通路の両側に、毛糸の玉や枷や紡錘コーンや手編み作品の見本(販売品の見本や、デザインを売るための展示です)などの色とりどりの展示が壮観だったのですが、写真を撮りませんでした。
よく空いているスポットで撮った写真です。
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右側の、この店のディスプレイがちょっと気に入ったので。
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毛糸を染める染料を売る店でした。
ヒツジのぬいぐるみを自社製品の染料で染め分けて見本代わりに吊り下げていました。
たくさんの店で染められていない毛糸が枷で売られていました。
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生成りやグレー、キャラメル色の自然な色のまま編んでももちろんいいはずですが、自分で好みの色に染める人が多いらしいのです。
イギリス原産種のヒツジの被毛そのままの色はとても美しく、染めるのは惜しい気がします。
比較的安い羊毛そのものの色の枷売りを買おうかと迷ったのですが、やめました。
ヨークシャー産のシェットランド【風】Shetland-type 糸の紡錘巻き700gを17ポンドという格安で購入。
「シェットランド」というのは、編み物をする人たちの間では糸の種類の名前(普通名詞)として通っているのですが、現在、イギリス国内でシェットランド糸と銘打って販売することができるのは、シェットランド地方で紡がれたシェットランド種の糸だけなのだそうです...こういった知識も販売者とのおしゃべりで仕入れました。
イヌの毛ブレンド糸を扱う業者がいました。
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イヌのにおいがかすかにしましたよ!!
自分の飼い犬の毛ならともかく(紡いでくれるビジネスが存在します!)どこの誰のイヌかもわからないよそのイヌのクサい毛がブレンドされた毛糸を買う人がいるのか...?.....いるんでしょうね。
赤ちゃん用セーターの編みあがり見本。
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久しぶりに見た、かわいくないっ(!)教育玩具(?)新生児人形。
顔立ちも体つきもリアルな新生児人形には、上の写真のように肌が茶色い黒人バージョン、釣り目の東洋人バージョンがあります。
23歳の上の息子が小さい頃に行った公立の保育園にもこの「3人種バージョン」があって、男の子も赤ちゃん人形をあやしたり寝かしつけたりしていました。
「イギリスの公正な社会」を目指す姿勢にちょっぴり心を打たれたものですが....
人種や信条によって差別されることのない公正な社会の建設を次の世代にゆだねる教育は大賛成ですが、この編み物見本の展示はちっともかわいくありません!
自分の子供や孫のために編んでやりたい!と思う人がいるのか...?....やっぱりいるんでしょうね。
真ん中の店の出ていない空いた通路の両側には家畜を入れておく仮囲いがそのままありました。
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人ごみをかき分けたりしないで手早く会場を横切るのに都合の良いエリアです。
イギリスでも「町の毛糸屋」はどんどん閉店しています。
編み物の愛好者は増えているらしいのですが。
頑張って営業を続けている昔ながらの「町の毛糸屋」は主におばあさん相手の、とても安いアクリル100%の毛糸を扱っているところが多い気がします。
衣料品がとても高かった30年ぐらい(?)前まで、節約のために一家全員のソックスやセーターを編んだ世代の女性ですね。
このヤーンデールに高い入場料を払って入場し、いろいろ買い込んで帰った「新世代の編み物愛好家」は質(と値段も)の高い毛糸を、膨大な選択肢からじっくり選べるオンライン(インターネット)で購入することが多いのです。
販売者が一堂に会するこのフェア(販売会)は売り物の毛糸に触って、つまんで、においまでクンクンかげるという、編み物愛好者の極楽浄土でした!
ウェッブサイト・アドレスがプリントされた、気に入った業者の絵葉書や名刺をいくつかもらって帰りました。
フランス語を話すおしゃれっぽい女性のグループと、ロシア語(だと思います)を話すおばさんグループも来ていました。
フランス人グループが出品者と(英語で)会話しているのが耳に入りました。
この毛糸フェア訪問は「イギリス・ツアー」に組み込まれているそうです。
町にもどる送迎バスを待つ、入場者たち;お買い物に大満足。
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ヨークシャー北部の「編み物イベント」、ヤーンデール Yarndale の話題です。
町外れにある農業振興会の広大な建物を利用して開催されました。
まわりはヨークシャーの丘陵地です。
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中世の古城のある町の中心から レトロな赤い二階建てバスの送迎付き。
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家畜のオークション会場で時間がわりのワークショップをやっていました。
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小さめのオークション会場では靴下の展示も。
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ずらっと手すりりにめぐらせた物干し綱に下がっている手編みの靴下は一般の手編み愛好者からの善意の寄付だそうです。
編み物の著作もある有名な靴下のデザイナー企画したチャリティーイベント、寄付された靴下はフェアの後は恵まれない人たちへ送られるということです。
.....イギリスの牧羊の歴史は数千年もさかのぼれるそうです。
今、ちょっと調べました。現在(2014年の記録)でも約2,400万頭のヒツジが連合王国にいるそうです。
先週10月5日の連合王国の総人口は67,623,517人だったそうですから、比率は....ええっととにかくヒツジの数はすごいです。
17世紀に東インド会社を通じてインドから綿が渡来するまで、ウールと麻の2種類の布地しか普及していなかったイギリスでは羊毛生産は本当に長い間、非常に重要な産業だったらしいのです。
特に17世紀以降、毛織物産業で栄えたヨークシャーの歴史はヒツジとの縁が深いようです。
現在はほとんどすべてのイギリスのヒツジは食肉用に飼育されています。
一歳未満のオスの子ヒツジ(ラム lamb)が、母ヒツジが次の子ヒツジ(弟か妹)を出産する前にと殺され肉用に出荷されます。
肉用ヒツジの被毛(フリース)は繊維が短く長く強く紡ぐのには向いていないらしいのです。
夏に羊の毛刈りをするのは、虫がヒツジの暖かい皮膚に卵を産むのを防ぐためです。
大量に刈り取られたフリースは建築資材(壁や床下の詰め物)ぐらいしか使い道がなく、二束三文で引き取られるとか。
ブリテン島には古代から記録に残っているだけでも600種類ものヒツジがいたそうです。(!世界最高)、
残念、その多くは絶滅したそうです。
絶滅を免れた希少価値の優れた羊毛繊維用のヒツジは篤農家の努力によって保存繁殖され続けています。
やっぱりいたいた、イギリスの編み物フェステバルになくてはならないイギリス原産の(高級)羊毛繊維用のヒツジたち!
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この二頭はエクスムア・ホーン Exmoor Horn という、聞いたことのない古代種の腹違いの兄弟です。
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2歳足らずのトビーと8か月のテディ。
アッと驚くトビーの股間。
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まだ子ヒツジのテディの股間も十分立派でした。
タネヒツジの資格充分!
エクスムア・ホーン専門のブリーダーのこの農家はエクスムア・ホーン種の手編み用の毛糸の製造販売もしています。
コンテストの連続優勝羊のトビーは弟のテディと全国の羊毛フェアや農業博覧会などを回るのが仕事だそうで、本当に人になれていました。
そばによると柵に体を擦り付けてきます。かわいい!かわいい!
おさわりし放題。
きれいに洗われたもこもこ被毛にこっそり顔を押し付けてみました。
ヒツジのケモノっぽい脂のにおいが最高です。実際すごく脂っぽく、一瞬お肌がツヤツヤになった気がしました。
あまりにも何度も何度も見に戻ってきたので、喜んだ飼い主のおじさんがお土産に展示用のヒツジくさいもこもこフリースをひとつまみ分けてくれました。
南米産、アルパカも大人気。
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観光牧場で客寄せに飼われているのをよく見ます。
イギリスの国産アルパカ糸もよく売れています。
ちょっと写っているのは、腋臭(ワキガ)のようなにおいのするアンゴラ・ヤギです。
会場は一時、身動きも困難なほど大盛況でした。
たいていの入場者は大きなバッグやリュックサックを肩にかけているので(もちろん毛糸製品の買い出し用です)余計に窮屈でした。
人が3~4人ぐらいすり抜けて通れるほどのはばの通路の両側に、毛糸の玉や枷や紡錘コーンや手編み作品の見本(販売品の見本や、デザインを売るための展示です)などの色とりどりの展示が壮観だったのですが、写真を撮りませんでした。
よく空いているスポットで撮った写真です。
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右側の、この店のディスプレイがちょっと気に入ったので。
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毛糸を染める染料を売る店でした。
ヒツジのぬいぐるみを自社製品の染料で染め分けて見本代わりに吊り下げていました。
たくさんの店で染められていない毛糸が枷で売られていました。
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生成りやグレー、キャラメル色の自然な色のまま編んでももちろんいいはずですが、自分で好みの色に染める人が多いらしいのです。
イギリス原産種のヒツジの被毛そのままの色はとても美しく、染めるのは惜しい気がします。
比較的安い羊毛そのものの色の枷売りを買おうかと迷ったのですが、やめました。
ヨークシャー産のシェットランド【風】Shetland-type 糸の紡錘巻き700gを17ポンドという格安で購入。
「シェットランド」というのは、編み物をする人たちの間では糸の種類の名前(普通名詞)として通っているのですが、現在、イギリス国内でシェットランド糸と銘打って販売することができるのは、シェットランド地方で紡がれたシェットランド種の糸だけなのだそうです...こういった知識も販売者とのおしゃべりで仕入れました。
イヌの毛ブレンド糸を扱う業者がいました。
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イヌのにおいがかすかにしましたよ!!
自分の飼い犬の毛ならともかく(紡いでくれるビジネスが存在します!)どこの誰のイヌかもわからないよそのイヌのクサい毛がブレンドされた毛糸を買う人がいるのか...?.....いるんでしょうね。
赤ちゃん用セーターの編みあがり見本。
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顔立ちも体つきもリアルな新生児人形には、上の写真のように肌が茶色い黒人バージョン、釣り目の東洋人バージョンがあります。
23歳の上の息子が小さい頃に行った公立の保育園にもこの「3人種バージョン」があって、男の子も赤ちゃん人形をあやしたり寝かしつけたりしていました。
「イギリスの公正な社会」を目指す姿勢にちょっぴり心を打たれたものですが....
人種や信条によって差別されることのない公正な社会の建設を次の世代にゆだねる教育は大賛成ですが、この編み物見本の展示はちっともかわいくありません!
自分の子供や孫のために編んでやりたい!と思う人がいるのか...?....やっぱりいるんでしょうね。
真ん中の店の出ていない空いた通路の両側には家畜を入れておく仮囲いがそのままありました。
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人ごみをかき分けたりしないで手早く会場を横切るのに都合の良いエリアです。
イギリスでも「町の毛糸屋」はどんどん閉店しています。
編み物の愛好者は増えているらしいのですが。
頑張って営業を続けている昔ながらの「町の毛糸屋」は主におばあさん相手の、とても安いアクリル100%の毛糸を扱っているところが多い気がします。
衣料品がとても高かった30年ぐらい(?)前まで、節約のために一家全員のソックスやセーターを編んだ世代の女性ですね。
このヤーンデールに高い入場料を払って入場し、いろいろ買い込んで帰った「新世代の編み物愛好家」は質(と値段も)の高い毛糸を、膨大な選択肢からじっくり選べるオンライン(インターネット)で購入することが多いのです。
販売者が一堂に会するこのフェア(販売会)は売り物の毛糸に触って、つまんで、においまでクンクンかげるという、編み物愛好者の極楽浄土でした!
ウェッブサイト・アドレスがプリントされた、気に入った業者の絵葉書や名刺をいくつかもらって帰りました。
フランス語を話すおしゃれっぽい女性のグループと、ロシア語(だと思います)を話すおばさんグループも来ていました。
フランス人グループが出品者と(英語で)会話しているのが耳に入りました。
この毛糸フェア訪問は「イギリス・ツアー」に組み込まれているそうです。
町にもどる送迎バスを待つ、入場者たち;お買い物に大満足。
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2年前に行きましたがすごい行列で(笑)
すごい人ですよね。
あんなに人が来てるのにちょっと入場料が高いと思いませんか?
行きたかったなぁ。
私にはがっかりだったハロゲートと違って、編み物に対象を絞ったこの催し、気に入りました!
おっしゃる通り、ものを売る会で入場料をとるのはちょっと賛成できかねます。
なんか入場料払ったからには買わなきゃって気にもなるんですよね。消費者の心理をうまく ついてる
う~ん、楽しかったからモンクは控える!
でもお茶を買うのに長蛇の列、座れる場所が少ない、意外に空いていて清潔だった簡易トイレに手を洗う設備がない...etcが、モンクではなく、「入場料とるからにはもうちょっと何とかした方がいいんじゃないの、次回から?」というconstructive criticizmとして主催者に提案したいです。
特に手を洗う設備に関しては強調したい。ハンドサニタイザーが設置されていたので衛生面には問題ないのでしょうが気分的にねえ?洗ってない手で触られた毛糸、ちょっといやだった。ヒツジもワシワシさわったし。
個人的に親切なご指摘があり一部、本文を書き替えました。(わかるかな)