blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ

2011-01-13 21:37:14 | 日記
自宅のすぐ近くには、おそらく富山県内では最も座席の数が多いラーメン店がある。
150席もあるというのは県内というより全国的にもなかなかないのではと思うが、その本店がもうすぐ閉店してしまうらしい。
富山市内にはもう一つ支店があるので完全にはなくならないものの、その本店はやたらに広いラーメン屋として結構有名だし、路線バスのラッピング広告にもなっている。
伝え聞く話ではご主人の体調が思わしくないためとのことだが、あれだけの店舗を閉める決断をしたのは何とも潔いというのか表現に困るくらいだ。

今日は帰りが遅くなったので閉店前にもう一回賞味しようと思ったのだが、広い店舗が埋まるくらいの人であふれていて何分待ったらという感じだったから断念した。
もう一週間くらいしか時間がないので、少しご飯どきから時間をずらすなど工夫して閉店までに何とか一回行きたいと思う。

さて、わが部署のK氏であるが、小さな体のわりには大食漢で、仕事中でも二言目には腹が減った腹が減ったと言っている。
同じ富山市内在住でもあり、一緒に仕事をする時間帯には食事をするお店の話題になることも多い。
今日はその閉店してしまうラーメン店のことも含め、どこがおいしいかという話をしながらダンボール箱と格闘していた。

K氏は私がかつて今の職場に派遣という立場で行っていた時にもいたので、私がまた復帰してきたことで大変喜んでもらった。
食べ物はもちろんゴルフや野球など、こと柔らかい話題に関しては事欠かないので、みんなでああだこうだと言いながらできる仕事のときはいろんな話をしながら乗り切っている。

K氏に関して残念なのは、本人からラーメン屋に行こうとかホルモンを食べに行こうとかという話がちょくちょく出てくるわりには、まず間違いなく実現しそうにないことである。
たまたま仕事の時間が合わないとかいうレベルではなく、要するに本当に行こうとは思っていない。
話題の中で、こちらが「時間はどうしましょうか」などと具体的な話を振ると、急に及び腰になって結局自分から流してしまう。

こういうことが何回もあると、結局は何を言っていても社交辞令なのかと思ってしまう。
本当に私なり同期のM氏なりと一緒に食事に行きたいのなら「思い立ったら何とやら」でやや強引にでも誘っていいはずだがそうはしない。
だいぶ前の記事に「善人キャラ」であることをチラッと書いたが、何となく他人と深い関係を結びたくないように見える。
関係が深くなければ傷つかなくても済むが、ホンモノの人間関係を作るのは難しい。
悲しいかな、このようなタイプの人は本人のがんばりに比して軽く見られがちであり、中身の薄い人間関係ばかりの中で生きていくことになる。

八方美人でなく捨てられるものは思い切って捨ててしまえば意外なほど気が楽になるし、そういう姿勢に共鳴してくれる人とまた新たにつながりができることも多い。
お互いに打てば響くような関係になれる人間など、人生に一人か二人いれば十分だ。
誰にも嫌われないように生きれば嫌われないかもしれないが、本気で好いてくれる人には巡り会えない。
今のような生き方では得るものがあまりに少ないことを、K氏にはぜひ知ってほしいと思う。

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