今年の恵方は坤(ヒツジサル)、その方位を探したら益城町広安に「熊野宮」がありました。ここに私の歳徳神が遷座まします(坐す)。さっそくお詣りに行って来ました。
写真のような小さなお社ですが、境内には熊本城の楠よりも大きそうな楠が2本もあり古い時代の創建であることを思わせます。産土神で社格は村社そういう雰囲気でした。
拝殿にアルミサッシの戸が付いていますが、鍵が掛けてあり中へはいることはできません。しかし戸には小窓が切ってあってお賽銭を入れることはできます。賽銭どろぼう対策の工夫です。昔は村人の喜捨によってこういう小社にも祝がいました。
地図には「熊野宮」とありましたが鳥居の額は「権現社」となっています。なんで?と思っていたらお水舎の石に説明書きが彫りつけてありました。
それによると「熊野宮」というのは昔の人が誤って書き付けたもので、ほんとうは「府内権現社」と言うのだそうです。地震で鳥居が落ちて再建の時、正しい社名に戻したと書いてありました。「府内」というのはこの地の字名です。
村人が社名を誤ったと書きましたが、これは私の推測に過ぎないのですが、これには明治初年の廃仏毀釈が関わっているように思われます。「権現」というのは佛や菩薩が垂迹して神になったものとする思想があり、神仏分離に悖るから、仏教色のない熊野宮としたのではないかと思うのです。