本願寺からのこのような文書送付はそんなに珍しい事ではないのですが、この文書が西福寺に遺っているところが注目点です。文書の宛先は「肥後求摩仏飯講門徒中」となっており、西福寺はこれを宛先の所へ届けているのです。否、届けるというより門徒の方から取りに来たというべきかもしれませんね。 「仏飯講」というのは隠れ念仏の門徒たちが密かに集まって仏に飯を供えた後それを全員で食べさらに「ナンマイダー」を繰り返し唱えて団結をつよめる宗教儀式です。また弾圧に抗して法灯を守り維持するために編み出した組織形態とも言えます。
では、文章を読んでみます。
今般 思召を以講相続のため
御印書被成下候末々寄講退転なき様に
出精せらるべく候誠に当流安心の一途ハ
何のやうもなくもろもろの難行雑修
自力の心を捨はなれ一心に阿弥陀如来
今度の一大事の後生たすけ給へと
ふかくたのミ奉れハ不可思議の願力ニよつて
一念の立所に光明摂取の大益を蒙り
順次報土往生を遂しめ給ふ事
疑あるべからず候此信決定の上には
王法国法仁義五道之道を守り存命
之間ハ法義無油断相続せられ仁恩報謝
之称名被相続可被遂今度の報土往生之
素懐事肝要之旨被 仰出候依而被顕
御印候者成
明治四年申年
二月 晦日
肥後国求摩
廿八日佛飯講
門徒中
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