不知火をまつかゞり火にうしほよせ 迦 南
時々雨の落ちてくる生憎の天候でしたが午後から上がるという予報をを当てにして戸馳島まで句碑を拜みに行ってきました。
案内板は少し大きめの写真にしましたので説明文は読めるはずです。
句碑の建っているのは若宮海水浴場の一角で、海水浴場はきれいに整備されていました。この海が不知火海で対岸は八代市です。
さて、迦南の句ですが、海岸に大勢の見物客が押し寄せて不知火の顕れるを待っています。空に月の無いときで、篝火が何本も焚かれ燃え盛っています。
この時は満ち潮だったのでしょう。沖合いから潮が寄せてくる、その波頭が篝火に照らし出され、また、群集の姿もその灯りのなかにあります。
これから見ようとするものが、怪火であるだけに独特の雰囲気もあるのでしょう。それらを省略の利いた見事な句に仕上げました。
何が省略されたかと言えば群集。不知火を主体とすれば群集は客体なわけで、いわばその場における主役のはずなのに、それを篝火を掲示して省略するのですから、写生の冴えを見て取るべきです。
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