週間予報では雨・曇りでしたが、昨日から曇りベースになり、明日も晴れ間があるようなので、宮本町M邸の増築部分の建て方を行っています。
この季節は晴れの日がとても貴重です。
写真は、長岡市役所です。
ケヤキの紅葉も終わりに近づき、落ち葉の季節になっています。
赤い葉っぱと、レンガの建物の市役所の対比が美しく、シャッターを押しました。
「越後杉震災復興基金」も、資金が底を突いてきたようで、来年の2月をもって終了しそうです。今回の美沢町N邸の申請書を出す折に、受付の人が教えてくれました。
中越地震から5年が経ちましたが、住宅の復興に越後杉を使うと補助金が降りるということで、有利でしたが、いよいよ制度も終わりとのこと・・
私も我が家の新築時に使おうと思っていましたが、お客さんが優先で、とうとう使わず仕舞いとなってしまうのは残念です。
被災した家を直すのも、お客さん優先で、ついこのあいだ壁の表具を直したばかり。震災直後ならば国の復興補助も受けられたのでしょうが、灯台元暗しといったところ・・
現在、国の住宅政策として、「長期優良住宅」が掲げられ、国産材の流通が加速されています。越後杉の補助金がなくなってしまえば、国産材にシフトして行くのが自然の流れ。
価格面では太刀打ちできない県産材の運命は如何に?
価格も高く、質も悪い県産杉を使い続けるのにメリットはあるのでしょうか?
今まで補助金が出るということで消費者の視線が当たっていた県産材ですが、工務店としては、クレームの対象となる確率が高く、極力目立たないところでの使用に限ってきたのでしょうが、制度的な制約が無くなれば、県産材離れも必至。
しぶしぶ使っていた工務店と、積極的に使おうとしている工務店がふるいにかけられる時がやってきました。
「長期優良住宅」をうたい文句に、国産材にシフトしていくか、補助金なしでも県産材を使い続けていくか、どちらかの選択になるでしょう。
何故、県産材なのか、地元産材にこだわるのか・・
その目的が明確に示されなければ、今後の行く末も危ういでしょう。
市も、長岡の山の木をどうしようとかいうビジョンは全く持っていないようで、県や森林組合に委ねるだけのようです。
の前段階である、
でさえもクリアできない。
というのを、みな期待しているだけなのではないでしょうか?
民主党による政権交代の予算編成見直しによって予算が削られたりしているのでしょうが、予算がなくても工夫とか知恵を絞ることで切り抜けようとはできないものか。
そう思って止まない所です。
私の会社としては、たとえ制度が変わろうと、補助金が打ち切られようと、他の工務店が国産材にシフトしようとも、県産材、地元産材は使い続けるでしょう。新築だけでなく増築、リフォームでも県産使用率100%に近づけるよう努力する・・ていうか黙ってるといつの間にか県産材を使っているわけで、国産材メインに切り替えようなどという安易な方向には行かないでしょう。
県産杉材って、癖があるからかえって使うのが面白い。
「変」な材料を使いこなす快楽があります。
大工の血が沸き立つというもの・・・
特性を理解して使えば、かえって強いものが出来上がる。
更に、地元の山の整備や環境保全に役立ち、循環経済の形成、持続可能な社会の形成に貢献できるなら、これ以上のものはないでしょう。
そういうポリシーがある以上、県産材は絶対に見捨てません。
逆に、見捨てれば、山から見捨てられる。いや地球から見捨てられる・・そんな感じがするのです。
地球環境を守る最後の砦として、がんばっていきたい。
山の木の話へ・・