べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

「住宅分野への地域材供給支援事業」研修会

2008-02-02 10:19:51 | 山の木の話(越後杉)
昨日、県の林政課主催の研修に行って来ました。
150人くらい、大勢の人が研修に来られていた。
県産材に興味がある、実際に使っている、では流通させるにはどうするか?

「高品質木材住宅における乾燥材の重要性」
講師:長野県林業総合センター木材部 吉田先生
  内容:木材を十分乾燥させないと、クレームのもとである。
     人工乾燥、天然乾燥の強度差はない。
     天然乾燥は8ヶ月以上乾燥させる必要がある。
      等・・


「地域の特徴を活かした住宅づくりと地域ネットワークづくりのポイント」
講師:空間工作所 小須田先生
  内容:地域の特性を活かした商品づくりが重要
     中小企業がネットワークをつくる
     元気のいいネットワークは、独自の商品がある
     女性の側からの意見が大切
      等・・

でした。
そして、一緒に「越後に生きる家をつくる会」で活動している設計士のかたから、こんなメールが届きました。

こんばんは。
今日は大変お疲れさまでした!
いろいろな会合があり、本当に大変ですね。

さて、今日の後半の講演は、何だか内容がいまいちでしたね。
本当は、後半の内容に期待して参加したのですが、
前半の講演の方が、結果的にはためになりました。
ところで、藤川さんのところでは、
材木は、天然乾燥材でしたっけ?
今日の話を聞いて、天乾の限界というのをちょっと感じてしまいましたが、
藤川さんは如何でしたか?
また、内装材の隙間については、
これまでは、お客さんに納得しては頂いておりますが、
「クレーム」という言葉を聞き、「張りなおした」との話を聞くと、
今後は注意が必要だと強く感じました。





そして、次なる返事を返しました。


先日はお疲れ様でした。

私としては、後半のほうがためになった。
今後の「生きる会」の方向性として、

1.ネットワークの強化(会員内、顧客内)
2.共同購入による設備機器等の単価の交渉
3.地元ならではの商品開発(木組、それ以下のランクの標準)
4.役所からの御墨付(優良杉住宅供給団体の認定)

等があげられます。
外観として、今までのOB客からベスト10とかとってもよさそうです。
いろいろなデータがとれそうです。

乾燥材に関しては「クレーム」というのが問題だと思います。
無垢材を使用している以上、割れやひびはどうしても入る。
人工乾燥だからヒビガは入らないとは言い切れないので、あらかじめ収縮することを納得していただくお客さんで無いと危険です。
よほどひどいときは対応しなければならないでしょう。
その、線をどこで引くかです。
お客さんとの小まめな打ち合わせ、確認が必要となってくるでしょう。


私としては、山林ボランの尾形さんに久しぶりに会えたのが一番の収穫でした。

林政課の土田さんに、
「新潟市で需要を伸ばさなければならない」
「なぜ、山の杉を使うのか共通意識、目的を持たなければならない」
と、尾形さんと一緒になって要望してきました。

今後は、山林ボランティアの方々と密接に展開していくことを願っています。

なぜ、山の杉を使うのか・・
上流の恩恵を受け続けてきている下流側(街)が、
川上側が危機的状況の中、何かできないか模索した上での結論として、
山の木を流通させることで、川上側が経済的に潤い、雇用確保、整備が進む。
その効果として地域環境、地域経済に貢献できる。

というねらいを生産者、加工者、消費者が共通認識をもつことです。

「杉を使うメリットがあるのか?」
と尋ねられたときに、「何も無い」と答える工務店の方がいました。
まだまだ、その程度なのです。仕事として他の住宅に差をつけたいだけ。

杉を使うその根本にはこういうことがあるということを、知らない。
これは、県職の方々も同じです。
だから「クレーム」が問題になり、危なくて使えなくなるのでしょう。

「なぜ、杉を使うのか」
その根本が根付かなければならないと、再認識しました。
突破口としては、尾形さんのような団体と力を合わせていかなければならない。
当面は、県と力を合わせて、新潟市に働きかけることが重要だと思います。


藤川建設 藤川





「何故、杉を使うのか」
それを一般の人に浸透させたい。私の切なる願いです。


山の木の話へ・・
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6 コメント

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薪の提供場所を公表 (藤川)
2008-02-08 09:49:40
なるほど、ユーザーの方々に、薪の伐採場所があるときに知らせるという方法ですね。

例えば、放置間伐の現場があれば、その場所を知らせて、無料で持っていってもらう・・
森林組合とのネットワークで出来そうです。

でも、森林組合も結構、融通が利かず、山主の了解が必要とか、いたずらをしないかとか、入山費を払えとか、持って行った材木のm3数で薪代を払えとか・・

言ってきそうです。

「無料で」というのが、無理かもしれません。
やはり、

「それに見合った報酬を払う」

それが、基本だと思います。
山側も、放置しているよりは利用してもらったほうがいいと考えてはいるでしょうが、
それでも、只ではなく、気持ち程度にお礼を渡す・・
そういった礼儀が必要です。

ネット社会と言われる現在、人と人との付き合いが軽視されていますが、基本的に人付き合いには礼儀があります。
しっかり守れば、次の展開も考えられますが、適当にあしらっていると、相手も付き合わなくなってくるでしょう。

そういう、ネットワーク作りができれば、本当の意味での循環社会が形成されていくのだと思います。
返信する
Unknown (サガンエドワルド)
2008-02-07 23:43:04
すでに実践されてましたね^^
九州の薪ストーブ屋さんがこんな事されています
http://www.ctb.ne.jp/%7Ekanamono/kako.htm
このように参加者は無料で持ってけ!いかがですか?
藤川さんの新築や増改築されて薪ストーブ導入されたお客さんには配達サービスしてもいいでしょう、大評判になると思うのですが・・・
「藤川さんとこで薪ストーブ導入したら薪集め心配ない」
全てのお客さんに配達は大変でしょうから、お客さんに取りに来てもらったり(1トントラックレンタルしても1日7000円程度です)薪情報をメールで連絡してもいいかと・・・

色々問題あるかもしれませんが薪ストーブユーザーは喜ぶ事間違いないでしょう
お客さんが喜ぶことは成功する可能性があると思います

がんばってくださいね
返信する
薪ストーブ (藤川)
2008-02-07 13:24:58
実は、我が社の前の道路沿いに、小屋を作り100円コーナーを設けています。

30キロの米袋に杉の端材を入れて、無人販売で1袋100円です。

一冬で小屋に入れた袋がなくなるくらいです。
杉の場合、広葉樹よりも火の付が良く、直ぐに燃え尽きてしまいます。

ご存知の通り、1冬薪ストーブを燃やすと、庭に置いてある薪の山を一山使ってしまうくらい量が要ります。

このストック場所でなかなか普及が進まないのが現状です。

「私の会社でストックすればいい」

という意見もあるのでしょうが、それだけで満杯になってしまう・・

自宅の庭にストックする・・

ということをして頂ければ、提供は可能でしょう。
要らない端材は夏も出ますから、それを持って行ってもらえばいいのです。

返信する
薪ストーブはいかが? (サガンエドワルド)
2008-02-06 23:19:19
薪ストーブはどうでしょうか?杉は薪には余り適さないようですが残材等を無償で藤川さんや参加してる業者さんで施工したりしていないお客さんに提供するのです。
薪に最適な広葉樹でもほんの僅かだけ請求するのです
今日の記事の樹氷綺麗ですね、厳しい寒さがひしひしと伝わってきます。薪ストーブユーザーは薪の確保が頭痛の種です、無料とか格安で提供されたら喜ばれますし(これが重要です!)薪の問題さえクリアなら薪ストーブも普及するでしょう、薪割りイベント等で山に一般人を案内できそうです

何よりマキストーブのある家!と最高の宣伝文句ができますよ^^
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杉の産地 (藤川)
2008-02-06 19:22:50
ありがとうございます。

杉の産地は、手放しでも物産としての地場産流通、加工製品の販売がさかんに行われるのでしょう。

誠に、うらやましい限りです。

ここ新潟県は日本での有数の杉林保有面積を誇りますが(全国で5番目)、その流通は全くといっていいほど少なく、保全、伐採等がすすんでいない。

県としても、何とかして森林整備を行いたいところなのですが、流通していないので上手くいかない・・

そういった事態を打破すべく、我々大工は立ち上がったのだった~!!

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Unknown (サガンエドワルド)
2008-02-03 21:06:36
こんばんは、杉といえば九州では大分県の日田杉が有名です
ここでは杉で作ったゲタや孫の手(背中掻き)、積み木などのおもちゃ類がたくさんあり、子供でも杉は身近な存在ですよ

新築や増改築でも杉は天井や腰板、床と杉を使うことが多いですね

役所や業者間の繋がりも大切ですが、まずは一般の方に杉に触れてもらうのも重要だと思います
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