最近は、涼しい日が続きます。
九州、四国は入梅したとのこと。
いよいよ、雨の時期となってきた。
ガソリンも昨日から値上げして、1リットル170円となり、200円も、もう目の前まできています。
石油高騰と同時に、食料も値上がりしてきている。
木材はというと、まだ外材は値を上げないようで、国産材が主役になるのはもう少し時間がかかりそう。
でも、輸送コストが上がれば、いずれは値上げに踏み切ってくるでしょう。
「越後杉は地場の活性化が目的で、弱い材料だ」
と使いたがらない工務店も、何時まで続くか・・さすがに外材が値上げすれば国産材にシフトする・・
「弱いから・・」等と言っても、それしかなければ、何が何でも使わざるを得ない。
まあ、そうなれば県産材の流通も整い、山も整備されるのでしょうが・・
狂う材料を如何に使いこなすか、10年保障がある限り、安易に手が出せない品なので、抵抗もあるでしょう。
晴れ間を見て、次の物件用に杉の丸太の皮むきをしてみました。
根曲がりの杉丸太の右奥にむいた皮が山になっています。
実は、この皮の部分しか、木は生きていない。
丸太の大半は死んでいます。
死んだ細胞を、生きた表皮がとりまいているのが植物です。
だから、穴が空いたり、皮がむけると、そこが腐りやすく、虫も入って、立ち枯れにになってしまうのです。
そのため、皮の部分が、防腐性のある液体を出し、内部を保護します。
虫が入ったりした場合、ヤニを出して、防虫、保護をする。
その成分が、天然の防腐材となっています。
桧の成分のヒノキチオールや杉の「シブ」は、外敵から身を守るためにあります。
先日、見学会のプレゼントに、杉皮を小分けにして配っていました。
(施主さんが、訪れた人用に事前に自ら用意し、包装したのでした。50組も・・!お疲れさんです。)
杉皮に含まれる防腐成分が、流しのヌメリの主成分のばい菌を殺菌することでヌメリをとります。
普段、捨ててしまう杉皮にそんな効果があったとは・・
杉皮と、丸太の間には、薄い「シラタ」があり、これは柔らかく、水分が豊富です。「カミキリムシ」はここに卵を産みつけ、幼虫がこの中で成長していきます。柔らかいおいしい部分を食べながら・・
丸太は皮のついたまま放置すると、カミキリムシの幼虫の餌食になります。
皮をむき、乾燥させれば、卵からかえっても、死んでしまいます。
でも、皮をむくと、干割れが入ってしまう欠点があります。
日陰に干しながら、少しずつ乾燥させないと、干割れが生じるのでしょう・・
「磨き丸太風」に仕上がればいいのですが・・
材木屋産には「皮むき機」があり、刃がぐるぐる回る中を丸太を通すことで、簡単に皮がむけます。
でも、仕上がりは、ボサボサで見れたものではない。
きれいにむくには、「マサカリ」等で削ぎとっていかなければなりません。
まさに「根気」のいる作業です。
自分で仕上げた丸太は、愛着があり、「粗末に扱いたくない」原動力になります。
さて、この丸太がどの現場に使われるのか・・楽しみであります。
山の木の話へ・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます