昔から伝わる土塗り壁は、その地方ごとに材料や工法が微妙に異なりますが、大まかには次のような工程で作られています。
1.柱と柱の間に「通し貫(とおしぬき)」を設置する
2.通し貫に「コマイ」を編む
3.コマイに練った土を塗る
コマイに関しては、他地方では竹を用いるのが一般的の様ですが、新潟県ではアシを数本束ねた物が使われます。竹よりも水辺に生えるアシの方が豊富に採れたようで、これを利用していました。
コマイ壁下地の作り方
格子状に組まれたコマイに練り土を塗って行きます
土塗り壁の塗り方
表から塗って、裏に出た固まりをコテで仕上げます
練り土を塗った後、しばらく放置して完全に乾ききるのを待ちます。
乾くと表面にひびが入るので
ヒビを埋めながら練り土を薄く表面に重ね塗りをします。
(中塗り:なかぬり)
更に中塗り面が乾いてから
表面を仕上げます。
(上塗り:うわぬり)
この様に土壁を仕上げるのには何工程もかかるのです。
壁を塗る時期は土が乾く夏の間が良いとされています。また、壁の下地になるコマイは冬の間に左官屋さんが作り置きをしていたそうです。
夏場に壁を塗ってヒビを入れる
冬場にコマイの材料を用意しておきます
自然に逆らわないサイクルで季節に沿った作業をすることで、日本の風土に合った壁が作られていました。
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