雪国の通行の難点をカバーする工夫です
本日も予想最高気温33℃を超す猛暑日となりそうです。
外部工事は体にこたえます・・
今回は、こういった夏の日差しの中でも、安心して通行できる「雁木」についてとりあげます。
雁木の外観です
隣にある市立劇場までつながっています
この通路沿いに駐車スペースもあるので、
雨の日や冬場も濡れずに出入りできるので便利です
正面の出口からは、駐車場の方向へ・・
雪国の雁木のように伸びた通路
連続的なデザインが美しく映えます
雁木は雪国の通行、生活に欠かせない屋根付き通路で、昔の人の知恵と工夫の結晶です。家の前の通路に沿って、各家が自分の前の通路1間分に屋根を付け、連続した雁木を形成し、積雪時の通路の確保を行ってきた伝統があります。
アーケード街の先駆的なアイディアが雪国では昔から取り入れられてきました。
現在では夏の日差しの中、連側的な屋根付き通路は、日除けとしての十分な役割を担い、安全な生活を実現しています。
住宅の設計としても、積極的に取り入れたいものです。
こういった屋根付き通路の利点は、
通年を通して・・
「激しい雨から守られながら通行できる」
夏場は
「暑い日差しから守る日除けの役割」
冬場は
「雪が積もらないので、車椅子も通行できる」
といったところでしょうか・・
特に、車椅子に関しては、冬場の積雪時に通行が困難になります。
車椅子を使っている人は直ぐに実感できると思いますが、雪道を車で通行すると、雪に車を取られて思うように進めない・・進むのも重くなるし、進路を変えるにも大変です。
「通行するときだけ、雪を除ければいい」
という意見もありますが、これだけの通路の雪を短時間で除けることは、容易ではありません。積もった雪を本当にいじった人ならば、そんな意見は出てこないと思います。
デイサービスの車が各家庭の玄関前に横付けされる機会が増えましたが、こういった屋根付き通路があれば、乗り降り時の困難を緩和できます。
身障者用の通路として市役所は十分配慮していると思います。
雪国の特性、冬の通行の困難さ、それが十分理解できていなければ、こういった施設まで考え付かないでしょう。
この通路は、市役所の建設当時は無かったのですが、現在の市長に変わってから増設されたものです。正面の車道も整理して、駐車スペースを広げています。
「不便だと感じる人の意見を聞く」
行政の第一歩でしょう。バリアフリーが叫ばれる中、それに対応するアイディアを取り入れ、実行する・・そうした配慮が求められ、使い易い施設を実現できます。より良い行政サービスを求めていく姿勢が問われていると思います。
設計側、施工側も、健常者だけではなく、色々なレベルの身体障害の人の意見を取り入れることで、ユニバーサル・デザインに近づけることができます。それには日々、勉強をしていかなければなりません。
現在、建設中のシティーホールに関して、バリアフリーや雪国の特性、風・・多方面に配慮した設計であることを願います。
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