住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

望月

2009-11-04 01:29:33 | 八王子
(タマビの芸祭)

11月3日火曜日 文化の日 大潮 望月

「望月」とは月を眺めて楽しむ中国の風習らしく、日本ではススキとともに、月見団子とその年に収穫した芋や栗や枝豆などを供えますが、中国ではこの頃月餅を供え、月を愛でるようです。日本の兎の餅つきの伝説は、この望月(もちづき)が転訛(てんか)したともいわれているらしい。平安時代(の貴族)は十五夜(中秋の名月・芋名月)と一月遅い、10月30日の十三夜(栗名月)の2回、観月していたらしい。。

どれだけ月を観ているのですか?風流ですな~

今日の八王子の鑓水(ヤリミズ)地方?の月は強い北風のせいか、空気もきりりと澄んでいて綺麗な月でした。

鑓水とは八王子と横浜を結ぶ「浜街道」通称「絹の道」の要所のひとつ。かつては横浜港に向けて、絹の材料である生糸を運ぶ一躍を担ったのが八王子・鑓水地方の商人たちだった。その日本版”シルクロード”の面影を残すこの場所に立つのが、今日家族と行った多摩美術大学八王子キャンパスです。

ハァ~長い前置き。。。

そして、多摩美術大学八王子キャンパス芸術祭のテーマは「たまびZOO」  だったらしい・・

という事で久しぶりの美大の学園祭に行ってきました。門をくぐると奇抜な衣装と、不思議な動き(と娘の目には写ったらしい)の学生たち、そしてその中で平然とした振る舞いの両親に、娘は少々引き気味。。。




今回の(私の)目的のひとつが、伊藤豊雄氏設計のこの図書館。同じ八王子にいながら、やっと来る事が出来ました。建物内部は、その立地条件である岡のような、なだらかな斜面がそのまま建物内部に入り込んだように傾斜していて、そのコンクリートでありながら軽快感がある構造体と相まって、コンクリートの雑木林を歩いているような、ちょっと不思議な感覚であった。 



最初は引き気味だった娘も、大変気に入ったらしく、目を輝かせ、食い入るように作品を見ていた。そして入試に算数(数学)がないと聞いて、さらに目を輝かせたのを父は見逃さなかった。。。娘よ!今、算数しなくていいって事じゃあないよ!



大学は違うが美大出身の妻と、多摩美OBで途中合流した我々の友人エミ嬢は、その熱気と人ごみの中に30年前の自分達の姿を探しているようだった。そして、いまや母親の年代になって、改めて学生時代を振り返ってみると、反省する事しきり・・・の話に移っていたようだった。

そして3日間の最後を締めくくる長月の花火。時間は15分と決して長いとはいえないが、それらが全て寄付金っでまかなっている事と、何度か訪れた存続の危機を乗り換えての開催 と、エミ嬢に聞いたとき、ちょっと感慨深いものを感じ、充実した濃い15分だった。

「望月」に花火を愛でる。。。

=戸田晃建築設計事務所=

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