ドヴォルザーク:交響曲第1番ハ短調 作品3 B 9 「ズロニツェの鐘」 (スコア付き)
アントニン・ドヴォルザーク: 交響曲第1番ハ短調 作品3 B 9 「ズロニツェの鐘」 (スコア付き) 作曲年代:1865年2月14日~3月24日 指揮:イシュトヴァン・ケルテス 管弦楽:ロンドン交響楽団
00:00 第1楽章 Maestoso – Allegro (ハ短調) 19:01 第2楽章 Adagio molto (変イ長調) 32:43 第3楽章 Allegretto (ハ短調) 41:26 第4楽章 Finale: Allegro animato (ハ長調)
《交響曲第1番ハ短調 作品3 B 9》は、アントニン・ドヴォルザークが1865年の2月14日から3月24日にかけて作曲した、最初の交響曲です。ドヴォルザーク自身が『ズロニツェの鐘』 (Zlonické zvony) という副題を付しています。『ズロニツェ』は、プラハの西方にある町で、ドヴォルザークが少年時代を過ごし、また彼が初めて音楽の勉強をした町です。 交響曲は、ドイツのコンクールに提出されましたが、入選せず総譜も失われたため、生前には演奏も出版もされませんでした。1923年にプラハの歴史学者ルドルフ・ドヴォルザーク(作曲者と血縁はない)の遺品の中から総譜が発見され、1936年10月にブルノで初演されました。作曲から実に71年後のことでした。1961年に出版され、それまで第1番であった《交響曲第6番ニ長調 作品60 B 112》に代わって第1番となりました。 楽器編成上は当時のロマン派の交響曲を踏襲していますが、形式的には先駆的です。まず、ハ短調-変イ長調-ハ短調-ハ長調という調性は、ベートーヴェンの《交響曲第5番ハ短調》を意識していると思われます。また、彼が生涯をかけて交響曲へ導入した「循環形式」も随所に現れています。 ドヴォルザークは1879年の《影絵 作品8 B 98》や、1890年の《レクイエム変ロ短調 作品89 B 165》でこの交響曲のメロディーをいくつか用いています。また、作曲当時の恋人であるJosefína Čermákováとの関連性を指摘する学者もいます。