ブラームス:悲劇的序曲 作品81 (スコア付き)
ヨハネス・ブラームス: 悲劇的序曲 作品81 (スコア付き) 作曲年代:1880年 指揮:ベルナルト・ハイティンク 管弦楽:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
0:00 Allegro ma non troppo 5:54 Molto più moderato 8:52 Tempo primo (ma tranquillo)
《悲劇的序曲 作品81》は、ヨハネス・ブラームスが1880年の夏に作曲した演奏会用序曲である。1879年にブレスラウ大学の哲学科から名誉博士号を授与されたブラームスは、博士号の推薦人のひとりであった指揮者のベルンハルト・ショルツのすすめもあって、感謝のしるしとして《大学祝典序曲 作品80》とこの作品を大学に献呈した。したがって、《大学祝典序曲》と《悲劇的序曲》の関係は深い。 2つの作品は、1880年の夏に保養地バート・イシュルで短期間で行われ、同年の9月13日にクララ・シューマンと連弾で披露されている。その後、12月6日にベルリンで試演されたのち、翌1881年1月4日にブレスラウ大学にて作曲者自身の指揮で初演された。 2つの作品に対しブラームスは《大学祝典序曲》を「笑う序曲」、《悲劇的序曲》を「泣く序曲」と表現している。「悲劇的」というタイトルはブラームスによるものであるが、交響詩のように元となる筋書きがあるかという問いに対し、「何らかの具体的な悲劇を題材として想定したものではない」と否定している。 楽器編成は、ピッコロやトロンボーン・チューバを含むブラームスとしては大きい編成であるが、ピッコロの出番はたったの15小節しかない。作曲時期は《交響曲第2番ニ長調》と《交響曲第3番ヘ長調》の間にあたり、特に《第3番》との類似性が強い。