以前のものを編集してアップします。
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「勇気づけの学級づくり」と題して、赤坂真二先生の講演内容を主観を交えて紹介します。
「勇気づけ」という言葉でピン!と来る人は、よく勉強している人です。
アルフレッド・アドラーは、エンカレッジメント[encouragement]という言葉を使いました。「激励」「励まし」という意味ですが、アドラー心理学では「勇気づけ」と訳しています。
このタイトルだけで、「アドラー心理学を学級づくりに応用した話だろうな…」とわかるわけです。
私も、かつて『クラスはよみがえる―学校教育に生かすアドラー心理学』野田俊作・萩 昌子(著)に大きな影響を受けた一人です。
赤坂氏は、自己紹介ゲームでアイスブレイクした後、次のように問いかけました。
「なぜ学級づくりをするのか?」
「もし学級づくりをしなかったら?」
そして、次の具体的な事例を提示されました。
新しい学年がスタートして早々、
授業が始まるとT君(6年生)はナイフを出して挑発してきた。
「それしまいなさい。」というと、
「先生、教師は子どもを殴っちゃいけないんですよね。」
と返してきた。
さて、あなたならどうする?
T君の行動について、感じることは?
このような、いわゆる「困った子」は、程度の差こそあれ、誰でも経験があるでしょう。
「なぜこの子はこんなことをするのだろう?」
「なぜ注意してもやめないのか?」
「怖いけど、ここで引き下がっては教師の威厳を示すことができない。」
「力ずくでナイフを取り上げようか…」
いろいろな考えが浮かびます。
しかし…
困った子どもは、自分自身の問題に困っている子どもなのです。
自分だけの力では課題を解決できないから困っているのです。
まず必要なのは、「対決」よりも、「支援」よりも
「分析」なのです。
しかも、分析のための分析ではなく、次に行動するための分析なのです。
アドラー心理学は、正式には「個人心理学」といい、目的分析学とも呼ばれています。
この名称が、全体の性格をよく表しています。
ここに、「原因論」「目的論」という考え方が生まれます。
アドラー心理学の基本的な考え方のひとつ「目的論」。
「人間の行動には目的がある」という考え方です。
目的論の反対が原因論。
「人間の行動には原因がある」という考え方です。
例えば、子どもが不登校になった時、
「なぜ?」を追求するのが原因論です。
会話が足りなかった、担任との相性が悪かった、いじめにあったかも、甘やかしたから、などと、過去の原因を探ろうという考え方です。
これに対して「目的論」では、不登校という行為には、その子の「こうしたい」「こうなりたい」などの意志や目標があり、その目標を達成するための手段が不登校であると考えるのです。
この二つをまとめると次のようになります。
原因論に立つと、悪者探しになります。
しかし目的論に立つと、子どもが悪くなくなります。
T君の場合、原因論では、「あの家庭は…」「あの子は以前から…」「去年の学級では…」と過去の視点で考えます。
しかし目的論に立つと、「気を引きたいから…」「一緒に遊びたいから…」「ストレスを発散させたいから…」と、行動の目的が見えてくるのです。
目的が分かれば対処も見てきます。
一緒に遊んであげよう、ストレスを発散させてあげようとなるわけです。
赤坂先生から問題が出されました。
電車に乗ったらまず何をしますか?
「座席を探す」「もたれる場所を探す」
物理的な居場所を求めているのです。
座席が指定されている宴会などで座ったら何をしますか?
「隣が誰か確かめる」「友達がどこにいるかを探す」
精神的な居場所を求めているのです。
人は、居場所を求めて安心するのです。
これは、学校での子どもも同じです。
この写真のように、「学習に集中しない」のも「学習をがんばる」のも居場所探しなのです。
あなたが、電車に乗ったら座席を探し、宴会では隣の人を気にするように、
教室における子どもの目的は、「所属」すなわち、クラスの中に居場所を確保することなのです。
ひとつのモデルですが、不適切な行動のメカニズムには次のパターンがあります。
いかがです?
思い当たる子はいませんか?
誤った目的を持った子どもたちは、集団に所属するために作戦を立てます。
○ まず注目を引く
○ 権力闘争を仕掛ける
○ 仕返しをする
○ 無能力を誇示する
これが外向きにでると非行、校内暴力などの問題行動
内向きにでると、不登校・引きこもり、リストカットなどになるわけです。
もう少しわかりやすくしてみましょう。
A・アドラーは、「人間の行動には目的がある」ということ,そして,子どもの問題行動の動機は「①注目→②闘争→③復讐」の順で、より教師を手こずらせることを目的とした動機へと移っていくと述べているのです。
児童・生徒の不適切な行動は、3つのレベルに表れます。
そのレベルに応じた対応のポイントは次のものです。
しっかり見たい方は、次の出典を見てください。
「カウンセリングの理論・技法を生かした生徒指導の危機管理」
http://www.pat.hi-ho.ne.jp/soyama/gakusyuukai/siryou/kazu-kikikannri.pdf
最初の例で紹介したT君は、何のためにナイフを持ったのでしょうか?
大都会からの転校生でいじめやからかいの対象になっていた彼が、ナイフを見せたことで仲間として受け入れられ、彼自身の居場所ができたのです。
以後、授業妨害をする側に回りました。
原因と共に、彼の目的が見えてきました。
そこで必要なのが「勇気づけ」なのです。
始めに紹介しましたが、アドラー心理学では、技法として「勇気づけ」を重視します。
子どもたちのさまざまな問題行動は、勇気をくじかれた状態と考えます。
勇気づけにより、適切な行動の意欲が生まれ、適切な言動が生まれ、共同体とつながるようになるのです。
勇気づけ(傾聴、アサーションなど)により、潜在能力が掘り起こされ、自尊心につながり、共同体感覚が生まれるのです。
T君の場合、構わず授業を始めたことが転機となりました。
不適切な行動には注目しないのです。
その一方で、わずかに見せた適切な行動に対して注目し、彼の居場所を変えていくのです。
こうして、人とつながる方法を教えていきます。
講演の中で、赤坂先生はオペラント学習の話をされました。
オペラント学習とは?
オペラントは「施す」ということです。
オペラント学習は、「施す何か=オペラント」によって、ある行動が出現する頻度が変化することです。
よく、箱に入ったネズミの実験で説明されています。
レバーを押すと餌が出てくる装置の箱に、ネズミを入れます。
たまたまレバーを押したネズミは、餌を得ることができました。
すると、レバー押し行動は、徐々に増えていきます。
学習したのです。
この餌のことを、「強化子」と呼びます。
すなわち、「勇気づけ」という強化子により、「適切な行動」を増やしていこうというものです。
学級づくりの診断にQ-Uを活用しているところが増えてきました。
『楽しい学校生活を送るためのアンケート』というもので、多くのデータから裏付けられた優れものです。
開発した河村先生のサイトです。
【出典】http://www.waseda.jp/sem-kawamura/about/detail/
Q-Uでがわかること
子ども個人と、学級集団の情報から、不登校、いじめ、学級崩壊などの問題に対応するデータが得られます。
・不登校になる可能性の高い子どもはいないか
・いじめ被害を受けている可能性の高い子どもはいないか
・各領域で意欲が低下している子どもはいないか
・学級崩壊に至る可能性はないか
・学級集団の雰囲気はどうか
以上のような、情報が得られます。
アンケートの結果を集約すると、次のような表に表すことができます。
それぞれのカテゴリの簡単な説明は下記の通りです。
<学級生活満足群>
学級内に自分の居場所があり、学校生活を意欲的に送っている児童・生徒
<非承認群>
いじめや悪ふざけを受けてはいないが、学級内で認められることが少ない児童・生徒
<侵害行為認知群>
他の児童となんらかのトラブルがある可能性が高い児童・生徒
<学級生活不満足群>
耐えられないいじめや悪ふざけをうけているか、非常に不安傾向が強い児童・生徒。特に要支援群の児童・生徒はその傾向がさらに強く早急な支援が必要。
以上が引用です。
おおよそ、右上に固まっていれば、問題が少ないクラスということになります。
さて、赤坂先生のクラスは、最初はどうであったか?
比較的、学級生活への意欲は高いが人間関係でトラブルを持っている子や被害者意識の強い子、自己中心的な子が多いと聞いています。
このQ-Uを開発した河村茂雄先生は「学級づくりで、集団も学力も伸びる」と断言しています。
その「集団が伸びる」とは何が伸びるのでしょうか?
赤坂先生は次のように考えています。
「良好な人間関係」を作るのは大切だが、それがゴールではない。
トラブルが起こっても、自分たちの力で解決していこうとする「自治」を目指すべきだと。
「教育基本法」の第一条に「教育の目的」がかかれています。
そこには公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画しとあります。
「良好な人間関係」の先には、「社会の形成者」の育成というゴールがあるのです。
では、具体的にどうするか?
集団づくりのゴールを「自治」に置いた赤坂学級。その方法が「クラス会議」なのです。
新学習指導要領 中学校社会科には、次のように書かれています。(引用)
公民的分野では,現代社会の理解を一層深めることを重視して,人間は本来社会的存在であることを踏まえ,社会生活における物事の決定の仕方やきまりの意義について考え,現代社会をとらえるための見方や考え方の基礎として,対立と合意,効率と公正などについて理解する学習を取り入れた。
これは、教育基本法 第2条三 の次の条文がベースにあります。
正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
その手法が対話であり、価値観を共有しない人と共存する技術なのです。
この具体的な実践が「クラス会議」なのです。
クラス会議は次の流れで行います。
1週間しか縛りがないのが優れものです。
クラス会議で決まったことは、実際にやってみて、1週間後には見直しが行われます。
さらに、クラスの問題は多数決で、個人の問題は個人の判断に委ねられます。
さて、どんなことを話し合うのでしょう。
例えば・・・
子どもらしい、たわいもないことです。
こうして、みんなで決めて、みんなで実践し、みんなで見直す経験が、民主国家の構成員を育てていくのです。
赤坂真二先生の講演内容を紹介してきました。
本物は、ユーモアたっぷりで、時間があっという間に過ぎていきます。
興味を持たれた方は、ぜひ本物の赤坂先生に触れてください。
これまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
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「勇気づけの学級づくり」と題して、赤坂真二先生の講演内容を主観を交えて紹介します。
「勇気づけ」という言葉でピン!と来る人は、よく勉強している人です。
アルフレッド・アドラーは、エンカレッジメント[encouragement]という言葉を使いました。「激励」「励まし」という意味ですが、アドラー心理学では「勇気づけ」と訳しています。
このタイトルだけで、「アドラー心理学を学級づくりに応用した話だろうな…」とわかるわけです。
私も、かつて『クラスはよみがえる―学校教育に生かすアドラー心理学』野田俊作・萩 昌子(著)に大きな影響を受けた一人です。
赤坂氏は、自己紹介ゲームでアイスブレイクした後、次のように問いかけました。
「なぜ学級づくりをするのか?」
「もし学級づくりをしなかったら?」
そして、次の具体的な事例を提示されました。
新しい学年がスタートして早々、
授業が始まるとT君(6年生)はナイフを出して挑発してきた。
「それしまいなさい。」というと、
「先生、教師は子どもを殴っちゃいけないんですよね。」
と返してきた。
さて、あなたならどうする?
T君の行動について、感じることは?
このような、いわゆる「困った子」は、程度の差こそあれ、誰でも経験があるでしょう。
「なぜこの子はこんなことをするのだろう?」
「なぜ注意してもやめないのか?」
「怖いけど、ここで引き下がっては教師の威厳を示すことができない。」
「力ずくでナイフを取り上げようか…」
いろいろな考えが浮かびます。
しかし…
困った子どもは、自分自身の問題に困っている子どもなのです。
自分だけの力では課題を解決できないから困っているのです。
まず必要なのは、「対決」よりも、「支援」よりも
「分析」なのです。
しかも、分析のための分析ではなく、次に行動するための分析なのです。
アドラー心理学は、正式には「個人心理学」といい、目的分析学とも呼ばれています。
この名称が、全体の性格をよく表しています。
ここに、「原因論」「目的論」という考え方が生まれます。
アドラー心理学の基本的な考え方のひとつ「目的論」。
「人間の行動には目的がある」という考え方です。
目的論の反対が原因論。
「人間の行動には原因がある」という考え方です。
例えば、子どもが不登校になった時、
「なぜ?」を追求するのが原因論です。
会話が足りなかった、担任との相性が悪かった、いじめにあったかも、甘やかしたから、などと、過去の原因を探ろうという考え方です。
これに対して「目的論」では、不登校という行為には、その子の「こうしたい」「こうなりたい」などの意志や目標があり、その目標を達成するための手段が不登校であると考えるのです。
この二つをまとめると次のようになります。
原因論に立つと、悪者探しになります。
しかし目的論に立つと、子どもが悪くなくなります。
T君の場合、原因論では、「あの家庭は…」「あの子は以前から…」「去年の学級では…」と過去の視点で考えます。
しかし目的論に立つと、「気を引きたいから…」「一緒に遊びたいから…」「ストレスを発散させたいから…」と、行動の目的が見えてくるのです。
目的が分かれば対処も見てきます。
一緒に遊んであげよう、ストレスを発散させてあげようとなるわけです。
赤坂先生から問題が出されました。
電車に乗ったらまず何をしますか?
「座席を探す」「もたれる場所を探す」
物理的な居場所を求めているのです。
座席が指定されている宴会などで座ったら何をしますか?
「隣が誰か確かめる」「友達がどこにいるかを探す」
精神的な居場所を求めているのです。
人は、居場所を求めて安心するのです。
これは、学校での子どもも同じです。
この写真のように、「学習に集中しない」のも「学習をがんばる」のも居場所探しなのです。
あなたが、電車に乗ったら座席を探し、宴会では隣の人を気にするように、
教室における子どもの目的は、「所属」すなわち、クラスの中に居場所を確保することなのです。
ひとつのモデルですが、不適切な行動のメカニズムには次のパターンがあります。
いかがです?
思い当たる子はいませんか?
誤った目的を持った子どもたちは、集団に所属するために作戦を立てます。
○ まず注目を引く
○ 権力闘争を仕掛ける
○ 仕返しをする
○ 無能力を誇示する
これが外向きにでると非行、校内暴力などの問題行動
内向きにでると、不登校・引きこもり、リストカットなどになるわけです。
もう少しわかりやすくしてみましょう。
A・アドラーは、「人間の行動には目的がある」ということ,そして,子どもの問題行動の動機は「①注目→②闘争→③復讐」の順で、より教師を手こずらせることを目的とした動機へと移っていくと述べているのです。
児童・生徒の不適切な行動は、3つのレベルに表れます。
そのレベルに応じた対応のポイントは次のものです。
しっかり見たい方は、次の出典を見てください。
「カウンセリングの理論・技法を生かした生徒指導の危機管理」
http://www.pat.hi-ho.ne.jp/soyama/gakusyuukai/siryou/kazu-kikikannri.pdf
最初の例で紹介したT君は、何のためにナイフを持ったのでしょうか?
大都会からの転校生でいじめやからかいの対象になっていた彼が、ナイフを見せたことで仲間として受け入れられ、彼自身の居場所ができたのです。
以後、授業妨害をする側に回りました。
原因と共に、彼の目的が見えてきました。
そこで必要なのが「勇気づけ」なのです。
始めに紹介しましたが、アドラー心理学では、技法として「勇気づけ」を重視します。
子どもたちのさまざまな問題行動は、勇気をくじかれた状態と考えます。
勇気づけにより、適切な行動の意欲が生まれ、適切な言動が生まれ、共同体とつながるようになるのです。
勇気づけ(傾聴、アサーションなど)により、潜在能力が掘り起こされ、自尊心につながり、共同体感覚が生まれるのです。
T君の場合、構わず授業を始めたことが転機となりました。
不適切な行動には注目しないのです。
その一方で、わずかに見せた適切な行動に対して注目し、彼の居場所を変えていくのです。
こうして、人とつながる方法を教えていきます。
講演の中で、赤坂先生はオペラント学習の話をされました。
オペラント学習とは?
オペラントは「施す」ということです。
オペラント学習は、「施す何か=オペラント」によって、ある行動が出現する頻度が変化することです。
よく、箱に入ったネズミの実験で説明されています。
レバーを押すと餌が出てくる装置の箱に、ネズミを入れます。
たまたまレバーを押したネズミは、餌を得ることができました。
すると、レバー押し行動は、徐々に増えていきます。
学習したのです。
この餌のことを、「強化子」と呼びます。
すなわち、「勇気づけ」という強化子により、「適切な行動」を増やしていこうというものです。
学級づくりの診断にQ-Uを活用しているところが増えてきました。
『楽しい学校生活を送るためのアンケート』というもので、多くのデータから裏付けられた優れものです。
開発した河村先生のサイトです。
【出典】http://www.waseda.jp/sem-kawamura/about/detail/
Q-Uでがわかること
子ども個人と、学級集団の情報から、不登校、いじめ、学級崩壊などの問題に対応するデータが得られます。
・不登校になる可能性の高い子どもはいないか
・いじめ被害を受けている可能性の高い子どもはいないか
・各領域で意欲が低下している子どもはいないか
・学級崩壊に至る可能性はないか
・学級集団の雰囲気はどうか
以上のような、情報が得られます。
アンケートの結果を集約すると、次のような表に表すことができます。
それぞれのカテゴリの簡単な説明は下記の通りです。
<学級生活満足群>
学級内に自分の居場所があり、学校生活を意欲的に送っている児童・生徒
<非承認群>
いじめや悪ふざけを受けてはいないが、学級内で認められることが少ない児童・生徒
<侵害行為認知群>
他の児童となんらかのトラブルがある可能性が高い児童・生徒
<学級生活不満足群>
耐えられないいじめや悪ふざけをうけているか、非常に不安傾向が強い児童・生徒。特に要支援群の児童・生徒はその傾向がさらに強く早急な支援が必要。
以上が引用です。
おおよそ、右上に固まっていれば、問題が少ないクラスということになります。
さて、赤坂先生のクラスは、最初はどうであったか?
比較的、学級生活への意欲は高いが人間関係でトラブルを持っている子や被害者意識の強い子、自己中心的な子が多いと聞いています。
このQ-Uを開発した河村茂雄先生は「学級づくりで、集団も学力も伸びる」と断言しています。
その「集団が伸びる」とは何が伸びるのでしょうか?
赤坂先生は次のように考えています。
「良好な人間関係」を作るのは大切だが、それがゴールではない。
トラブルが起こっても、自分たちの力で解決していこうとする「自治」を目指すべきだと。
「教育基本法」の第一条に「教育の目的」がかかれています。
そこには公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画しとあります。
「良好な人間関係」の先には、「社会の形成者」の育成というゴールがあるのです。
では、具体的にどうするか?
集団づくりのゴールを「自治」に置いた赤坂学級。その方法が「クラス会議」なのです。
新学習指導要領 中学校社会科には、次のように書かれています。(引用)
公民的分野では,現代社会の理解を一層深めることを重視して,人間は本来社会的存在であることを踏まえ,社会生活における物事の決定の仕方やきまりの意義について考え,現代社会をとらえるための見方や考え方の基礎として,対立と合意,効率と公正などについて理解する学習を取り入れた。
これは、教育基本法 第2条三 の次の条文がベースにあります。
正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
その手法が対話であり、価値観を共有しない人と共存する技術なのです。
この具体的な実践が「クラス会議」なのです。
クラス会議は次の流れで行います。
1週間しか縛りがないのが優れものです。
クラス会議で決まったことは、実際にやってみて、1週間後には見直しが行われます。
さらに、クラスの問題は多数決で、個人の問題は個人の判断に委ねられます。
さて、どんなことを話し合うのでしょう。
例えば・・・
子どもらしい、たわいもないことです。
こうして、みんなで決めて、みんなで実践し、みんなで見直す経験が、民主国家の構成員を育てていくのです。
赤坂真二先生の講演内容を紹介してきました。
本物は、ユーモアたっぷりで、時間があっという間に過ぎていきます。
興味を持たれた方は、ぜひ本物の赤坂先生に触れてください。
これまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
講座の際は,大変お世話になりました。
あのときの会場の熱気をいまだに憶えております。
また,講座の様子を掲載していただきありがとうございます。過分なるお言葉に身が震えます。
また,一つお願いがございます。データに関してですが,非公開で御願いしております。数値だけならば結構ですので,置き換えていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ご面倒おかけしてすみません。
概ね良好な報告が伝わってきています。
今後とも、ご指導をよろしくお願いします。