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4月12日は新聞休刊日

2021-04-12 05:30:57 | 社説を読む
今日は新聞休刊日なので、昨日のコラムを紹介します。
 
 
・ 世界には白馬にまつわる伝説や神話が多い。ギリシャ神話の天馬、ペガサスも白馬だ。馬は近代まで移動手段として欠くことのできない存在だった。茶や黒の馬が多い中でひときわ目立つ白馬は古代から珍重されてきた
 
▲古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは、ペルシャの宮廷で白馬が神聖な動物として飼われていると記している。宮中でも平安時代には旧暦1月7日に白馬を見て邪気を払う年中行事が開かれていた
 
▲伊勢神宮では白馬が神馬として飼われている。1975年にエリザベス英女王が訪日した際、夫のフィリップ殿下と共に英ダービー2着馬の血を引く「山勇(やまいさむ)号」をご覧になった。馬主でもある女王は喜んだそうだ
 
▲白馬といっても多くは芦毛(あしげ)と呼ばれる灰色系の色で、白さには個体差や年齢による変化がある。バブル期に「芦毛の怪物」と呼ばれたオグリキャップは顔だけが白っぽかったが、晩年には全身白に変わった
 
▲たてがみから尾まで真っ白の白毛(しろげ)の馬は突然変異で生まれ、極めてまれな存在だ。競走馬には向かないという説もあった。ただ白毛自体は遺伝するため、繁殖を続けた結果、中央競馬で最高グレードのGⅠに勝利する真っ白な馬が現れた
 
▲3歳牝馬のソダシだ。サンスクリット語で純粋、輝きを意味するという白馬はきょう阪神競馬場で行われるクラシックレースの桜花賞に出場する。コロナ禍で競馬も入場制限が続くが、世界的にもまれな白毛の実力馬の登場だ。邪気払いをかねてテレビ観戦も悪くない。
 
・昭和天皇が生涯、敬愛した人物がいた。皇太子時代の1921年の渡英時に歓待してくれた英国王ジョージ5世である。後に、国王から立憲君主の心構えを伝授されたことを、記者会見で述懐した。君主とは孤独な存在だ。含蓄のある言葉が深く心に響いたのだろうか。

▼それから半世紀余りを経た75年。昭和天皇は皇居でジョージ5世の孫、エリザベス女王と夫のフィリップ殿下を迎えた。女王は離日の際、困難な時代を国民と歩んだ昭和...

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・ 見た目が特異な魚ゆえに伝承は多い。漁港に持ち帰れば「祟(たた)りあり」とされ、この魚の泳ぐところに「カツオの群れあり」とも言われた。侵すべからざる魚かといえば、そうでもない。肝油は「飲めば胃薬、塗れば傷薬」と庶民も重宝したらしい。

 ▼中国由来の名は「翻車魚」。マンボウである。先の伝承は農学博士、沢井悦郎さんの『マンボウのひみつ』に教わった。和歌山市立博物館で展示中の江戸末期とみられる木版画には、「疫病除ケ」「満方」の添え書きとともに、マンボウらしき怪魚が描かれている。

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・ 英国の元皇太子妃ダイアナさんが事故で亡くなった時、当時十五歳のウィリアム王子は悲しみのあまり、葬列に参加したくなかったそうだ。「もし、葬列で君が歩くのなら、一緒に歩いてもいいかな」。ふさいでいる王子にそう声をかけ、励ましたのは祖父だった
 
▼当時の写真を確認してみる。うつむいて歩くウィリアム王子の横を、確かにその人は歩いている。エリザベス女王の夫、フィリップ殿下が亡くなった。九十九歳
 
▼海軍兵学校時代、学校に遊びに来た十三歳の少女のエスコートを頼まれる。ハンサムなこの若者を少女が気に入り、文通が始まる。これが七十年余にわたり、女王を支えることになる、なれそめと聞く
 
▼ロマンチックコメディーめいた筋立てだが、殿下の少年時代はそれとは違って甘くない。ギリシャの王族だった父親はクーデターによって国を追われ、家族はバラバラになる。十六歳の時には姉を飛行機事故で失っている
 
▼あの葬列で孫に声をかけたのも自分の過去と関係があるのかもしれぬ。家族の大切さを痛いほど知っていた人だったのだろう。国を支えるのは女王。女王と家族を支えるのが自分。その役割を見事に果たした。環境問題への取り組みも輝こう
 
▼率直なもの言いで時に失言もあったが、明るくユーモアにあふれた人だったそうだ。励ましと笑いと愛情を一度に失った方がおいたわしい。
 
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本来、読めるだけでありがたい。
 
社説が報道なら、コラムは(ミニ)文学。
 
大切にしたいものである。

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