卒業証書をもらうとき、右手から出すか、左手から出すかは、この時期毎年話題になります。
小中学校の卒業式が近くなってきました。
以前にも紹介した説を紹介します。
(この記事は、このブログ中、歴代で最も読まれているものです。)
実は、両方の説があり、決定的な正解はないようなのですが、公的機関は右で統一されているようです。
例えば、警察には 警察礼式と言うものがあり、次のように書かれています。
警察礼式(昭和二十九年八月二日国家公安委員会規則第十三号)
(辞令書等を受ける場合)
第十七条 辞令書、賞状等を受けるときは、授与者の席を離れること約三歩の所で敬礼を行つた後、適宜前進し、右手でこれを受け、左手を添えて開いて見た後、直ちにこれを左手に収め、旧の位置に復して、再び敬礼を行い、退去する。
自衛隊にも同様の規則があります。
海上自衛隊礼式規則 昭和40年5月24日 海上自衛隊達第33号
(賞状等を受ける場合)
第10条 海上自衛官は、室内において賞状等を受けるときは、授与者から約3歩のところにおいて停止して敬礼を行つた後適宜前進し、賞状等を受ける際、帽を左わきに挟み、右手をもつて賞状等を受け左手を添えて一覧し、終わつて左手に移すとともに帽を右手に移して適宜後退して元の位置に復し、再び敬礼を行つて退去するものとする。
http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/e_fd/1965/ey19650524_00033_000.pdf
この場合は帽子を左わきに挟むので、必然的に右手が出てくるのでしょう。
総務省消防庁のサイト 「消防団員の方へ 基礎コース」にも
受領するときは右手で行い、同時に左手を添えて、辞令、賞状等を受領し、とありました。
多くの自治体で消防訓練礼式の基本動作(礼式)というのが紹介されています。
次は仙北市の例です。
https://www.city.semboku.akita.jp/citizens/05_02_reisiki02.html
さらに、テレビで文化勲章の授賞式を見ていたら、どなたかが右手から差し出しているのを見ました。
では、左手説の根拠は?
案外、「小さい頃、自分はそう習ったから・・・」なのではないでしょうか。
なかには次のようなものも・・・
右手は刀を抜く手。いざというときのため最後に使う。だから「左」が先。
おいおい、表彰をもらうのと刀を抜くのをいっしょにしないで。
さらに次のようなものも。
右手はいろいろ使うので「不浄」とされる。だから「左」が先。
これは違うでしょう。「神の右手、不浄の左手」は、ヒンズー教はもとより、世界の文化では主流です。
行進は左足から出すから。
行進は左足と共に右手を出します。
やはり「右手から」が有利か・・・。
賞状をもらうくらい、どちらにしても大きな問題ではないようですが・・・。
しかしながら、子供の私なりの解釈では、”謙虚さ”を示しているのだと考えていました。どっちでもいいけど、左手からの意味には謙虚さの意味があると思ってしまった後では、右手からは出せなくなりますね。
大人になって、あらためて考えてみると、
右手(大多数が利き手である前提になると思いますが)は、とっさに出る、実行する、奪う、攻撃する、貪欲のイメージであるのに対し、
左手は、控えている、守る、支える、謙虚のイメージです。
極端に言えば、厚かましい右手ではなく、左手から謹んでいただきますと。
最近知ったことでは、神社の鳥居をくぐるときの一歩目は左足とのことでしたのでこれが通じているのかと思いました。
これも私の勝手な解釈ですが、警察や自衛隊の場合は、渡されるものの意味が違っていると考えればいいのかと思います。すなわち、”承認”ではなく”命令”を受けているので「はい、やります」の意思表示で実行の右手なのかと。
以上、何の文献調査もなしの感覚的な私の解釈です。
とにかく、左手からの理由は”謙虚”だと信じてきました。
こんな感じだったら自由でいいですよねwwwww
U+2461左手から出し、そのあとに右手で証書をもつ
U+2462手はずっとそのままで、後ろに左足から一歩下がる
U+2463お辞儀をしてから手を引き、左腕に抱えてもつ
U+2464左を向き、歩いていく
私の通っていた小学校ではこんな感じですかね^^
ほとんどの動作が左中心です。
寺子屋起因説ですね。
東洋と西洋の違いはおもしろいですね。
中国や朝鮮半島も調べてみたいと思います。