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直江兼続と愛

2009-09-23 06:45:15 | 社会科こぼれ話
 大河ドラマ「天地人」が好調です。

 前回は関ヶ原の合戦、次回は三成が処罰されます。
 三成の親友が、主人公の直江 兼続。
 米沢では、「かねたん」というマスコットキャラクターまで人気が出ているそうです。

 直江 兼続のシンボルが「愛」。

 米沢市の上杉神社稽照殿に兼続のものとして伝わっている兜が、「愛」という字を前立にあしらったものだからです。

 これが、兼続の「仁愛」・「愛民」の精神を表していると言いますが、どうも違和感をぬぐえません。

 戦場に赴く者がそれを理由に身につけるでしょうか?

 謙信は毘沙門天の「毘」の字を旗印に使用しました。
 毘沙門天は、四天王の一人、多聞天の別名で、財宝や福徳を与える神として七福神の一つにもされています。
 特に、戦勝を祈願する神として武士の信仰を集めました。

 それでは、兼続の「愛」の意味は?

 「愛宕信仰」は、京都・愛宕神社を本社とする鎮火の神への信仰です。
 神仏習合のもと、愛宕権現と呼ばれ、その本地仏は勝軍地蔵とされました。これが、勝利をもたらすものとされ、戦国期の武将に注目されたのです。

 実は、謙信も「愛」という軍旗も使っていました。
 さらに、謙信の使用した印章に「勝軍地蔵」と彫られたものがあり、愛宕信仰があったのは明らかです。

 より有力なのは、愛染明王の「愛」の字からとったという説です。
 上杉景勝所用の甲冑に、愛染明王など六神を彫った前立ての兜が現存しています。兼続が愛染明王を信仰していたという記録もあるそうです。

 私は、この兜はもともと謙信、または景勝のもので、兼続に与えたのではないかという気がしています。
 事実はどうかわかりませんが、大河ドラマ終盤がどうなっていくのか、楽しみです。

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