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今年に入って経済の状況が大きく変わる中でも、日銀は金融緩和策の変更を否定し続けてきた。
そうした硬直的な姿勢を改め、柔軟な政策の修正に踏み出したとすれば評価できる。
毎日です。
黒田総裁が就任した2013年、国債を大量に購入するなど異次元の緩和策を導入した。当初は2年程度で2%の物価上昇目標を達成できると宣言した。
しかし、思惑通りには進まず、マイナス金利や長期金利の誘導目標設定など「禁じ手」とも言える政策を打ち出した。10年近く緩和路線にこだわってきたが、賃上げを伴わない急激な物価上昇を招き、弊害が目につく。
つぎはぎ的な修正には限界がある。日銀は金融政策のあり方を根本から議論し、政府も国債依存体質からの脱却を進めるべきだ。
日経です。
日銀は19~20日の金融政策決定会合で、従来0.25%程度としてきた長期金利の変動許容幅を20日から0.5%に拡大する方針を決めた。事実上の利上げとなる決定だ。
歴史的なインフレで海外の中央銀行が利上げに動くなか、日本の国債金利への上昇圧力も増しており、やむを得ない面はある。金利が急上昇し経済を冷やす事態が生じないよう手堅い政策運営と市場との丁寧な対話を求めたい。
日銀は短期金利をマイナス0.1%、長期金利の指標になる10年物国債利回りを0%程度に誘導するイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)は維持した上で、長期金利の変動許容幅をプラスマイナス0.5%とする。変動幅の拡大は2021年3月に0.2%から0.25%に広げて以来だ。
産経です。
だが、この決定はいかにも分かりにくい。緩和がもたらす市場機能の低下はかねて指摘されてきた弊害だ。深刻化する懸念があるのだとしても、これまで日銀が否定的だった上限の引き上げをいきなり決めた唐突感は拭えない。
黒田東彦総裁は来年4月に任期を終える。日銀がその後、新総裁の下で現行の金融政策を見直す可能性も取り沙汰されるなど、日銀の金融政策に対する注目度が高まっている。そういう時期だからこそ日銀には、より丁寧な情報発信と政策運営を求めたい。
今回の決定を受けて長期金利は急上昇した。円相場も急騰し、株価は大きく下落した。黒田総裁の任期中は政策修正がないとみていた市場関係者にとっては想定外の決定だったということだろう。
中日です。
大規模緩和修正 暮らし影響注視せねば
老朽原発の追認 不老不死はあり得ない