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10月10日の社説は・・・

2019-10-10 05:44:18 | 社説を読む
ノーベル賞が間に合うか

朝日新聞
・ 関電首脳辞任 経営を一新できるのか
・ 相次ぐ台風 教訓生かして備えよう

読売新聞
・ ノーベル化学賞 生活変えた業績が評価された
・ 関電会長辞任 外部の目で疑惑の徹底解明を

毎日新聞
・ 吉野氏にノーベル賞 「モバイル革命」実らせた
・ 関電不正でトップ辞任 政府の責任で全容解明を

日本経済新聞
・ 電池の革命がノーベル賞を手にした
・ 有権者に失礼な参院埼玉補選

産経新聞
・ ノーベル化学賞 電池で地球環境に貢献だ10.10 05:00
・ 代表質問 なぜ香港を論じないのか

中日新聞
・ ノーベル化学賞 「ET革命」を目指して
・ 関電トップ辞任 公益企業の自覚あるか

※ 5社が間に合いました。

読売がノーベル賞を取り上げました。全文を引用します。
今年のノーベル化学賞が、旭化成の吉野彰・名誉フェローと米国の研究者ら計3人に授与されることが決まった。「リチウムイオン電池の開発」が授賞理由だ。

 リチウムイオン電池は、軽量かつ高出力で、充電して何度も使えるのが特徴だ。スマートフォンやノートパソコン、電気自動車などに広く使われている。

 特殊な炭素材料を使うことに着眼し、リチウムイオン電池の原型を完成させた。IT革命の原動力を生み出した功績は大きい。

 中でも電気自動車は、温室効果ガスである二酸化炭素を排出しない乗り物として期待される。吉野氏は記者会見で、「電気自動車は持続可能な社会にも適している」と語っている。

 再生可能エネルギーの風力発電や太陽光発電で作り出した電気をリチウムイオン電池に蓄えれば、安定的に電気を使うことも可能になる。こうした環境面での貢献も授賞を後押ししたのだろう。

 吉野氏は京都大大学院を修了後旭化成に入社し、充電できる電池の開発に携わった。

 企業内研究者のノーベル賞受賞は、島津製作所の田中耕一さんらに続く快挙である。企業で様々な開発に取り組む研究者たちに夢を与えたのではないか。

 今回のケースでは、米国の大学の基礎研究を、日本の企業がうまく発展させて、商品化に結び付けた。産学連携の重要性を改めて示したとも言える。政府も積極的に支援し、大学と企業の共同研究を推進することが大切だ。

 日本のノーベル賞受賞は27人目で、自然科学分野では24人目だ。昨年の生理学・医学賞の本庶佑・京都大特別教授に続き2年連続の受賞でもある。日本の研究者の層の厚さを物語る。

 吉野氏は、1981年にノーベル化学賞を受けた福井謙一氏の孫弟子にあたる。日本の科学研究の伝統が、脈々と受け継がれていることの証左とも言えよう。

 近年、日本の若手研究者を取り巻く環境は厳しい。大学に残っても任期が限られ、腰を落ち着けて研究することが難しい。このため、博士課程を目指す若者も減少傾向にある。研究環境を整備することが欠かせない。

 吉野氏は受賞について、「若い研究者の励みになる」と述べた。これを契機に若手が挑戦を重ね、将来のノーベル賞につながる研究が生まれることを期待したい。


続いて毎日です。
 今年のノーベル化学賞が、リチウムイオン電池を開発した吉野彰(よしのあきら)・旭化成名誉フェローに贈られることが決まった。米大学の2氏との共同受賞だ。日本の化学賞は2010年以来9年ぶりとなる。

 リチウムイオン電池は小型・軽量で出力が大きく、充電しながら繰り返し使える。スマートフォンやパソコンなどのモバイル機器に広く使われている。現代生活を支える文明の利器だ。

 吉野氏は、この電池の原形を世界で初めて作った。電池は、正負の電極にどんな物質を使うかによって性能が決まる。共同受賞者のグッドイナフ氏らが開発したコバルト酸リチウムを正極、炭素材料を負極に選び、高性能で安全な電池を作る技術を1985年に確立した。

 最初の商品化は、「パスポートサイズ」の触れ込みでソニーが発売した家庭用小型8ミリビデオカメラだ。90年代半ばにIT革命が起きると、爆発的に普及した。近年は電気自動車や太陽光発電の蓄電池などに、その用途が広がっている。

 注目すべき点は、吉野氏が民間企業の研究者であることだ。過去には、02年の化学賞を受けた田中耕一・島津製作所シニアフェローや、徳島県のメーカーで青色発光ダイオードを開発し、14年の物理学賞を受けた中村修二氏らがいる。

 企業での研究開発は、商品化というゴールを常に意識することが求められる。吉野氏は当初、ノーベル化学賞受賞者の白川英樹氏らが開発した「電気を通すプラスチック」ポリアセチレンの産業応用を検討する中で、これを電池の電極に使えないかと思いついた。

 このアイデアは不調に終わったが、代わりに電気的特性の似た炭素材料を選び、画期的な発明につなげた。基礎研究の成果が応用へと生かされた好例だろう。

 日本では、研究開発費の7割を企業が占め、総額では米中に続く3位だ。だが、エレクトロニクス分野などでは存在感を失いつつある。潤沢な資金が、独創的な研究の芽をはぐくむ環境作りに投じられているだろうか。

 今回の受賞が研究開発の現場を励まし、日本のもの作りを活気づけてくれることを期待したい。



続いて産経です。
今年も心躍る朗報だ。ノーベル化学賞が、旭化成名誉フェローの吉野彰さんに贈られることが決まった。

 化学賞は2010年の鈴木章さん、根岸英一さんのダブル受賞から9年ぶりの獲得だ。

 この10年間は、ほぼ毎年のように受賞者を出している。昨年もがんの免疫療法に関わる研究で、本庶佑さんが医学・生理学賞に輝いたばかりである。

 日本の科学技術力はすごい。アジア諸国の経済的な台頭が目立つ中、日本の産業競争力をさらに飛躍させる原動力としたい。

 吉野さんは、現代の日常生活に欠かせないリチウムイオン電池の開発者だ。

 小型で軽量でありながら高容量で繰り返し充電可能なリチウムイオン電池は、携帯電話をはじめノートパソコンやデジタルカメラなどに使われ、現代のIT社会を実現させる基礎となった。

 すぐれた研究は、連鎖反応を起こすといわれる。1970年代後半に登場した電気を通すプラスチックと、90年代初めに商品化されたリチウムイオン電池の関係がその好例である。

 導電性プラスチックは、2000年にノーベル化学賞を受けた白川英樹さんの発明だ。このプラスチックの登場がリチウムイオン電池開発の出発点となっている。

 最終的に導電性プラスチックは炭素繊維に置き換えられることで、現在のリチウムイオン電池にたどり着いたが、その連鎖反応にノーベル賞が輝いたのだ。

 高性能電池の開発は、うまくいきかけては壁に突き当たることを繰り返したが、吉野さんはあきらめることなく可能性を追った。楽天性と執着性が電池の両極のように機能して研究が続いた。現代の若手研究者にはぜひ、この粘り強さを見習ってほしい。

 日本人科学者のノーベル化学賞は1981年の福井謙一さん以来、吉野さんで8人に達した。理論畑の福井さんを除くと全員が実用性の高い技術の研究だ。

 これからの時代は、環境問題への対応で、電気エネルギー利用の関心が一段と高くなる。電気自動車や家庭の蓄電システムにも高性能の電池が求められている。

 世界が目指す低炭素社会づくりに日本の電池技術を生かしたい。優れた研究力の連鎖反応を若い世代につなぐ道も探りたい。



中日です。
ノーベル化学賞がリチウムイオン電池を開発した吉野彰・旭化成名誉フェローら三氏に贈られることが決まった。環境問題への貢献が評価された。日本の先端技術への評価でもある。

 リチウムイオン電池は一九九〇年代後半から、デジタルカメラや携帯電話、パソコンなどで広く利用され始めた。私たちに身近なものである。

 しかし、現在、もっとも注目されているのは容量の大きな蓄電池としてである。電気自動車(EV)に使われるだけでなく、再生可能エネルギーを利用する上で重要な蓄電池として期待されている。授賞理由でも脱化石燃料への貢献が挙げられている。

 赤崎勇名城大終身教授らが青色発光ダイオード(LED)で二〇一四年に物理学賞を受賞したのも、電力消費量の少ない照明器具としてのLED電球への応用が評価されてのことだった。

 日本がノーベル賞に値する環境技術を二つも生み出したことを喜びたい。

 吉野さんが研究を始めたのは八一年。会社から「付加価値の高いプラスチックの開発」というテーマを与えられたときだった。

 この年、福井謙一博士がフロンティア軌道理論でノーベル化学賞を受賞した。その理論の有効性を示したのが、白川英樹博士(〇〇年に同賞受賞)が発見した導電性プラスチックだった。吉野さんは二人の受賞者の研究を基に開発に取り組んだ。

 実用化に向けて旭化成は東芝と組み、最初に製品化したのはソニーだった。国内の企業が協力したり、競争したりして生み出したのだ。日本企業が電池の実用化に大きく貢献した。この点も青色LEDと共通する。

 かつて吉野さんは本紙の取材に「これからはET革命だ。新しい革命は自動車から始まる。その原動力はリチウムイオン電池」と語った。Eはエネルギーや環境(エンバイロメント)を、Tは技術(テクノロジー)を表す。授賞理由に重なる発想である。

 吉野さんの別の言葉を紹介しよう。

 「新しい技術が普及するスピードは、どんどん速くなっている。携帯電話が出たとき、今のような世界は想像できなかった。ET革命はすでに始まっている」

 石炭火力発電にこだわり、世界のひんしゅくを買っている日本政府や電力会社には、今回のノーベル賞の意義をかみしめてほしい。



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