PISA2022、ICT活用状況調査の結果を公開 教科の授業と探究型学習のICT活用頻度に課題
https://edu.watch.impress.co.jp/docs/news/1553377.html?utm_source=pocket_saves
①学校での利用状況
「学校でのICTリソースの利用しやすさ」については、「学校には、インターネットに接続できるデジタル機器が十分にある」「学校には、生徒全員のために十分なデジタル・リソースがある」と答えた生徒が多く、GIGAスクール構想よる端末整備が影響した結果だといえる。一方で、「学校のインターネットは十分速い」という項目については、「その通りでない」「まったくその通りでない」と答えた生徒が多く、ネットワークに課題がある結果となった。
授業中にICT機器を使うことで気が散ることがどれくらいあるか、という質問に対しては、「いつもそうだ」「たいていそうだ」と回答した生徒は少なく、全参加国の中で日本が一番低い結果となった。
各教科の授業でのICT利用頻度については、OECD諸国と比較すると低く、特に国語、数学、理科での活用が低いことがわかった。数学では53.5%の生徒が、国語では48.5%の生徒が授業でICTを利用することが「まったく、又はほとんどない」と答えている。
様々な学習活動に活用できるICTであるが、「ICTを用いた探究型の教育の頻度」指標はOECD平均を下回っていることがわかった。高校生自身が情報を集める、集めた情報を記録する、分析する、報告するといった場面でデジタル・リソースを使う頻度は他国に比べて低い。
②生徒のICTに関する能力や興味・関心
生徒の多くは、インターネット上の情報について、「情報を検索するときは様々な情報源を比較する」「情報をSNSで共有する前に、その情報が正しいかどうか確認する」という項目に対して当てはまると回答しており、情報モラルへの意識はOECD諸国と比較して高い結果となった。
日本の高校生におけるコンピュータやプログラミングへの興味・関心についてはOECDの平均並みであるが、「ウェブページやブログを制作し、更新し、維持すること」や「ソフトウェアのエラーの原因を特定すること」「プログラムを作成すること」など、コンピュータやプログラミングでできることを質問した項目ではOECD諸国と比較すると低い結果となった。
③平日の余暇活動におけるICT利用
高校生が平日1日当たりに占めるICT利用については、SNSやデジタルゲームに3時間以上費やす生徒の割合はOECD平均より少ない結果となった。また、日本もOECD平均も、SNSやデジタルゲームに費やす時間が一定時間を超えると、3分野の得点は低下する傾向があることがわかった。
今回のPISA2022は、81か国・地域から約69万人が参加。日本からは、全国の高等学校、中等教育学校後期課程、高等専門学校1年生のうち、国際的な規定に基づき抽出された183校(学科)、約6,000人が参加した。