《 シンプルな課題に子どもは燃える 》
一見簡単そうで、実は奥の深いシンプルな課題は子どもを燃えさせる。
一つの例を挙げよう。
Q1 いまから歌を聴きます。歌詞を聴き取ってひらがなで書きなさい。
発達段階によって、「ふるさと」「もみじ」「荒城の月」などがふさわしい。
「いろは歌」を教師が詠んでもよい。
学級の実態によって、「2回まわり聴きます」「隣同士協力しましょう」などのオプションもあってよい。
正解を示して確認する(正解を示さない方法もある)。
Q2 漢字で書ける部分をすべて漢字で書きなさい。
前半は辞書なしで黒で、後半は辞書を使って青で書かせるとよい。
「ふるさと」で「兎 追いし」が「兎 美味し」になったり、
「もみじ」で「織る 錦」が「居る 錦」になったり意見が分かれるからおもしろい。
やってみると分かるが、小学校中学年から中学生まで、どの学年でも夢中になる。
漢字が得意な子が間違えるなど、逆転現象も起こる。
場所を絞って議論させてもよい。
古典的な有名な曲であり、誰もが知っている歌詞が問題となるから、いっそう燃えるのである。
算数では次のような問題もおもしろい。
Q ここに1辺が10㎝の正方形があります。面積が2倍になる正方形を作りなさい。
たいてい、1辺が20㎝、面積が4倍の正方形を作ってくる。もちろん間違いである。
みなさんはわかりますよね。
シンプルな課題は、子どもを燃えさせるのである。