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哲学入門10  アリストテレス 中庸論

2019-01-26 05:22:14 | 哲学の窓
白坂慎太郎先生の哲学入門

第10回は、 アリストテレス 中庸論 です。

 ここから https://www.youtube.com/watch?v=nw6AN_LTEf0&list=PLy3eeYyvpdHEwVtjzqJI9yN69-sEi_Rzv&index=10

アリストテレスの続きです。

プラトンは本質はイデア界にあり、現実世界にはない。
しかし、弟子のアリストテレスは現実の中に本質があるとしました。
これはわかりやすく、後世に広まりました。

ただ、21世紀の科学で見ると、やはりプラトンは偉大でした。
自分の目で見えることだけでは説明できないことがたくさんあることは、アインシュタインが言ったとおりです。
宇宙の中で、人間が知覚できる範囲はあまりにも狭いのです。


では、アリストテレスは、人間の本質をどこに求めたのか?

人間の本質は、「魂」としました。

「動物の中で人間だけが理性をもつ」として、人間の本質を理性に求めました。
これは、ソクラテスやプラトンと同じです。


これも同じです。

ただ、「本来の在り方」がどこにあるのかが異なります。
プラトンはイデア界に、アリストテレスは現実の中にあるとしました。

徳とは、魂の優れた在り方。(これもソクラテス、プラトンと同様です。)

ただ、アリストテレスは、人の現実的な行動や生き方に照らし合わせて、プラトンよりもさらに深めました。
プラトンは理想を説き、アリストテレスは具体的な行動を説いたのです。

アリストテレスは2種類の徳を考えました。

倫理的徳:勇気・節制・正義

知性的徳:知恵


この4つはプラトンにもでてきましたね。

特に倫理的徳とは、


よい行いを繰り返すことで、感情・欲望 < 理性(知恵)となるのです。

このあたりもプラトンと似ていますが、アリストテレスはこの状態を「中庸」としました。
言い換えると過不足のない状態です。


短気 + 腑抜け を2で割ると「温和」

分かる気がしますね。
理性により、バランスが取れた最高、最適な状態が状態が中庸なのです。
生きる規範として、具体的です。

アリストテレスは「最高善」と言う言葉を使いました。


たとえば、お金は手段です。しかし目的ではありません。

目的にしかならないものは、「善」

人間にとっては「幸福」が目的であり、これが最高善なのです。

幸福の目的のために中庸ある生き方をするのです。
そのために倫理的な徳を積む、すなわちよい行いを積み重ねることなのです。 
この考え方は、日本でもモラロジーなどでも言われています。


それでは、知性的徳とは?



人間の本質を完成させて、人間に最高の幸福をもたらす知性的徳は何か?

次回に続きます。

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