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森氏は招致から東京五輪に関わり、会長就任後は国際オリンピック委員会(IOC)や国内スポンサー企業などとの調整役を一身に担ってきた。
その労は多とするが、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと述べた一連の発言は、内容もタイミングも悪すぎた。発言の方向性は五輪が目指すものとは明らかに正反対であり、新型コロナウイルス禍で五輪の開催そのものが危ぶまれる中での舌禍だった。
五輪は人々に愛されてこその祝祭であり、自らがその阻害要因となってしまっては、辞任の判断もやむを得なかったろう。
これは、マスコミの被害者の典型か?
コロナが収まる方向に向かう中、ネタがないときに餌食になったのではないか?
私は、こういうときは、一部を切り取るのではなく、その部分の全体を読むようにしています。
当日はJOC臨時評議員会がオンラインで開かれました。マスコミにも公開されていました。
JOC評議員は63名。その中に女性は一人しかいません。その女性を狙った発言ではありません。
50分の会議の最後に山下会長が締め、そこで、来賓あいさつ?でしょうか、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森氏に振ったのです。
問題の箇所は40分くらいの話の中程です。(挨拶にしては長すぎますね。)
参加者の一人は、オンラインの中の一部の話なので、「気付かなかった」とも言っています。集中力を保つのは、確かにたいへんです。
その部分の全文の引用です。
これはテレビがあるからやりにくいんだが、女性理事を4割というのは文科省がうるさくいうんですね。だけど女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。これもうちの恥を言いますが、ラグビー協会は今までの倍時間がかる。女性がなんと10人くらいいるのか今、5人か、10人に見えた(笑いが起きる)5人います。
女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。結局女性っていうのはそういう、あまりいうと新聞に悪口かかれる、俺がまた悪口言ったとなるけど、女性を必ずしも増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困ると言っていて、誰が言ったかは言いませんけど、そんなこともあります。
私どもの組織委員会にも、女性は何人いますか、7人くらいおられますが、みんなわきまえておられます。みんな競技団体からのご出身で国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですからお話もきちんとした的を得た、そういうのが集約されて非常にわれわれ役立っていますが、欠員があるとすぐ女性を選ぼうということになるわけです。
(出典 https://news.yahoo.co.jp/articles/a2148b9c62351b9b54bff6338dbc4d8ac6cd9af8)
主旨は青い部分です。前半は、ここを協調するための、森氏流のレトリックです。
緑の部分は他の人の発言の引用です。
「これはテレビがあるからやりにくいんだが」「ラグビー協会は今までの倍時間がかる。女性がなんと10人くらいいるのか今、5人か、10人に見えた(笑いが起きる)」「あまりいうと新聞に悪口かかれる、俺がまた悪口言ったとなるけど」は森氏のジョークです。
「女性理事を4割というのは文科省がうるさくいうんですね」は、文部科学省への皮肉です。この皮肉も
核心は次の部分です。
女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。
女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。
しかし(この7人の方は)お話もきちんとした的を得た、そういうのが集約されて非常にわれわれ役立っています
問題箇所は、7人の女性をほめるためのレトリックなのです。
確かにほめられる発言ではありませんが、「女性蔑視」として大炎上するほどの内容でしょうか?
辞任を迫る魔女狩りのような攻撃に値する発言でしょうか?
私には、そこまで思えないのです。
また、参加者の中には気付かない人がいたほどの一部分です。
これは、マスコミがネタにするために粗探しをしたものとしか思えません。
録画して、聴き直して、「これだ!」と思ったのでしょう。
まさに「揚げ足取り」。知的、生産的な行為ではありません。
世の中の風潮として、いかがなものなのでしょうか。