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哲学入門32 ルソーの社会契約論

2019-02-19 05:23:18 | 哲学の窓
白坂慎太郎先生の哲学入門

第32回は、ルソーの社会契約論 です。
 ここから https://www.youtube.com/watch?v=Ikl1SCpaW70



社会契約説3人衆の3人目です。

トマス・ホッブズ(1588年 - 1679年)
ジョン・ロック(1632年 - 1704年)
ルソー(1712年 - 1778年)




不遇な少年時代を過ごしたことが、彼の思想に色濃く出ています。

教育論を述べたのもその一つでしょう。

『エミール』は、カントが散歩を忘れるほど読み込んだ本としても有名です。


ルソーは、理性よりは、感情や心情を重んじました。

その感情や心情の原始的な状態を理想状態とします。


そこで、「自然に帰れ」と主張します。

土地の私有に始まる社会的不平等を合法化する文明社会を批判しました。

彼が考える社会契約説は、人民の一般意志をあらわすものでなければならず、譲渡も分割も代表することもできないとしました。

この一般意志は、公共の利益だけをめざす意志です。私益をめざすのは特殊意志といっています。
「みんなの利益になる」という一般意志を重視せよと言うのがルソーの主張です。

社会契約を、私益を放棄して、公共の利益だけを求めて契約せよと言います。


「原始状態における人間ほど優しいものはないのであった。私有のないところに不正はありえない。」
と言っています。

各人は自然の本性に従った一般意志に従って契約したのだから、統合されながら自由であり、国法に従いながら主権者であるという、共産主義のもとになる考えを述べます。

ルソーは理想主義です。

しかし、人は私益を捨てて公益だけで考えることはできません。
また、政治参加者が公益だけで考えることも難しい。
直接民主主義は、規模的には実際には不可能です。
学級会ならよいのでしょうが、毎会国民投票をするわけにはいけません。

だから実現していません。
ルソーの考え方自体は、大切なものを含んでいますが・・・。

実際は、逆に資本主義が大きく発達しました。
今の日本は、個人主義に走り、「公共」を忘れてしまっています。

マルクスが人間が動物状態(自然状態)にあった「原始共産制」を理想社会とした理由は、彼がルソーの「人間不平等起源論」に心酔していたからである。

次回は、資本主義のアダム・スミスです。





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