漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

大原正義  「長安の月 -阿倍仲麻呂伝ー」 

2015年12月21日 | 読書
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●著者は奥書をみると1944年生まれの高校教師出身の歴史小説作家らしい・・・
●図書館で「阿倍仲麻呂」関連の著書ということで発見したもの・・・
●伝記なのか、小説なのか・・架空の人物も登場させながら、一応、物語が進行するので小説なんでしょう。
●先の「翔べ 麒麟」ほどではないけど、「阿部仲麻呂」研究のひとつの材料としては勉強になったし、まあ、面白かったですよ。
●波乱万丈、動乱の中での仲麻呂・・・という展開ではなく、坦々と、書かれていて、私は好感がもてましたね・・・変に架空・奇想天外な設定をしていないところが良かった(勉強になった)
●しかし、同じ阿倍仲麻呂でも、作家によってとらえ方がだいぶ違うし、切り口も物語の展開の仕方もまったく違うんで、「翔べ 麒麟」の内容を想い出しながら比較しながら読んでて、面白かった。
●当時の唐の朝廷や各種行事などは(客観的事実なので当たり前だが)、同じように描かれていたので、知識の面では復習をかねて為になりました。
●さ、今度は前に借りた、小説ではない学術書「阿倍仲麻呂 ー最初の国際文化人 1300年の事績」(高木 勲)をもう一度、読み返してみようっと。今度はちょっと知識が増えたから、どういうふうに読めるか、楽しみだ。

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漢検1級 27-③に向けて (番外) 「堽」のはなし

2015年12月21日 | 熟語の読み(音・訓) -個別記事- 
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

<漢検1級 27-③に向けて (番外) 「堽」のはなし>
<「堽」(コウ、おか)>
・漢検「漢字必携」には「岡の別体字」と載っているだけですが、1級配当漢字です。
・熟語も(“おか”とは関係ありませんが)「堽頭(コウトウ)」(=水夫の頭目(大漢和))なんて熟語が一つあるだけ・・・模試で出しました。・・・字通・大字源・漢字源にも熟語は見当たらなかった。
・でも、漢字源で新しい発見・・・説明の中に、「日本:地名で「堽内(ひさぎうち)」、大分県の中の地名・・・」なあんて、書かれてあった。
・こりゃ、例の古代につながる言葉かも知れないと思って、いろいろ調べた。
・Yahoo検索で、確かに、大分県に「佐伯市弥生大字“提内”」という地名があった・・・(今は「提」の字になっている模様)・・・“弥生”なんて、大字の前についているから、ますます、古代っぽくなってきてワクワクしながら調査続行・・・
・いろいろ検索するうちに、「堽内」で、『大分県に「堽内(ひさぎうち) 」という地名が現われます。これは通称ですからかなり狭い範囲の・・・』
というのがヒットした・・・この記事を開いたら、
「第 10 回 「ことば」フォーラム 「暮らしの中の漢字」 2002 年6月 29 日(土) 国立国語研究所 講堂
小椋 秀樹(国立国語研究所) 山田 貞雄(国立国語研究所) 笹原 宏之(国立国語研究所) 独立行政法人 国立国語研究所」
という講演録が出てきた。ますます面白くなってきたので、ちょっと長かったけど読んだ。
・その中での、笹原博士の講演の中に、この「堽内」の話が出てきていた・・・
・そこのところだけの要旨は・・・(私の勝手な理解ですので、正確・詳細には上記講演録をご覧ください)
 ①中国の古典や漢和辞典だけ調べても「日本の漢字は理解できないものがある」
 ②中国の古典の中でも歴史の変遷の中で偏旁冠脚が異なって(誤って)使われ、そのまま定着しているものもある。
 ③漢和辞典にもそれぞれ特色があって、俗言などを取り入れていない辞典などもある
 等のことから、日本の漢字・熟語は色々な角度から、調査・研究・理解する必要がある・・・というもの。
・その中で一例として「堽内(ひさぎうち)」の話が出てきて、
 ①大分県に「堽内(ひさぎうち) 」という地名がある。
 ②「手」へんが「土」へんになることは(中国の漢字の歴史の中でも)よくある 
 ③「四」と「日」の混同・変化もよくある
 ④ ②と③から、本来「提内」だったのが「堽内」になった可能性がある
 ⑤しかし、「提」は「ひさげ、ひっさげる」とは読めるが、「ひさぎ」という読みはどこから来たかという問題が残る・・・
 ⑥大分の言語・話ことばなどを調査すると、大分地方では「ひっさげる」は「ひっさぎゅう」と発音する・・・ここから「ひさぎ」となったのではないか。
・結論として、
 中国古典や漢和辞典だけでなく、日本の漢字・熟語などを理解するためには、日本の(地方や過去の)言語や話ことばも含めて調査・研究しなければならない。
 というお話のようでした。

・古代関連の話とはだいぶ趣きが異なってしまったけど、これはこれで、面白い話でした。ただ、ま、一つの説として承っておいて、まだ、古代との関連をあきらめたわけではありませんが(^^;)しかし、これ以上の探索はできそうにないので、とりあえずは、本件、放置しておく。そのうち、また、新しい発見があるかもしれない・・・。

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漢検1級 27-③に向けて その79 噫 噯

2015年12月21日 | 熟語の読み(音・訓) -個別記事- 
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

<漢検1級 27-③に向けて その79 >
●真冬の特訓中・・・「syuusyuu模擬試験問題(27ー③用)」を公開中です。奮ってご参加ください。
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●漢検漢字辞典第2版から・・・
<噫:イ、アイ、ああ、おくび>
・第2版に音訓すべてあり。熟語は、「噫嗚(イオ)」=なげく、なげきいたむ。「噫気(アイキ)」=おくび、あくび、吐き出す息。「噫乎(ああ)」。←音読みなら「噫乎(イコ)」(大字源ほか)
・漢検は、音による意味分けはないが、漢字源では、
 「イ(漢・呉音)」=ああ、歎息を表すことば
 「アイ(漢音)」=おくび (*ちなみに呉音は「エ」)
・意味分けがしっかりしていないのは(漢字源以外の)辞典によって「イ」も「アイ」も混同して読まれているからと思われる・・・
 「噫噎」=胸がつかえてむせぶ→漢字源・字通・大漢和「アイエツ」。 =息がつまる、気の伸びないさま→大字源「イエツ」
 「噫嗟」=ああ→字通「アイサ」!! *字通しかこの熟語記載がないのでちょっと不詳だが、「イサ」と読むべきなんじゃなかろか(ーー)
 (「堊慢(あまん)」の読みで懲りているからな・・・大字源・漢字源は「あくまん・おまん」、大漢和は「をまん」だったゾ・・・)
・「五噫(ゴイ)をうたう」・・・故事成語としても有名・・・
 *後漢の人・梁鴻(リョウコウ)が五つの「噫」の字のある歌を作って世を嘆いたことから。各句の最後に「噫」の字を用いた五行の詩「五噫之歌」を作ったという故事から、世間で認められずに嘆くこと、立身出世が望めないことなどを嘆くの意で使われている。
 *と、通常ならここまでで説明は終り・・・ですが、syuusyuuブログはチトちがう・・・「この種のものも深掘りして学習すべき・・・」と自分で云っているんで、この詩歌も研究しました・・・先人ブログやネットの力のお蔭ですが(^^;)
  「五噫歌」   
  彼の 北芒に 陟(のぼ)りて噫(ああ)!
 帝京を  顧瞻して 噫!
 宮闕 崔巍として 噫!
 民の 劬勞は 噫!
 遼遼 未だ央(つ)きず 噫!
「この詩は、作者が洛陽に来て、北山に登った時の作。山より宮廷の栄華と庶民の貧苦をながめて作ったもの。これが、後漢の章帝にとがめられ不興を買い、姓名を改めて山東省の山に隠棲した。」との事らしいです。この詩の中の熟語・・・「顧瞻」「宮闕」「崔巍」「劬勞」「遼遼」・・・ほとんど読めるし、意味も大体わかりますよね、1級レベルなら(^^)・・・1級を学習していると、こういう楽しさと云うか嬉しさがありますね👍

<噯:アイ、ああ、おくび>
・第2版:音訓あり。掲載熟語など:<噯気(おくび)>「噯気(アイキ)」「噯(おくび)」 *< >は当て字読み。
・おなじ(上記の)「噫(ああ)」と、この「噯(ああ)」・・・意味合いがちょっと異なるようです。まだ深く理解していませんが・・・(^^;)
 大漢和や字通の説明では、
 「噫(ああ)」=歎息する声、なげく意
 「噯(ああ)」=いたみおしむ情(大漢和)、いたみかなしむ声(字通)
 と、ちょっとニュアンスが違っていました👍

 👍👍👍 🐑 👍👍👍
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