FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊へ

酒が本か

2019-12-09 01:03:15 | 小説等感想
「暗約領域」は2週間かけて、仕事しながら


釣りをしながら、

バイク乗りながら、



気にしながら


ようやく読んだ500ページ。



クライマックス寸前。




エクスタシー間近。




オレが果てるのか。



鮫島の旦那が果てるのか。




最終回の様な最新作に




白ワインをのせて。





酒を飲めば中断だ。






それが積み重なって2週間、3週間。




遅読の俺が、放り投げないのは




その男たちに魅力があるからだよ。



ある意女よりも。




だから冒険小説は捨てられない。




女は捨てて捨てられ。泣きぬれて。




男たちは少し違う。




それは、「男」に拘り、女から馬鹿にされ




頭が良くて要領のいい男たちに笑われて



それでも




気位だけは



捨てられない。




馬鹿で愚かなロマンチストなんだ。





鮫島よ。



オレもお前の様に燃焼するよ。




そして別れた彼女を引きずって




新宿で恐れられている「鮫」





まだまだ付き合えるよ。





ドキドキはらはら。



敵も強い。



上等だよ。



付いていくぜ「鮫」の旦那。

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暴力が普通だった時代に、ノスタルジーは感じない。

2019-11-15 05:58:44 | 小説等感想
S・キング「スタンド・バイ・ミー」


誤解された小説。


曲解された物語。

この男子にしか分からない中編小説は、


決して郷愁を呼ぶものじゃない。




男は、とくに5歳から13歳までの生き物は




命の重さを計り間違える。




ノスタルジーの小説ではないのだよ。




いかに暴力が蔓延していて。生き残ることが難しかった時代の話しだ。





コンプライアンスも衛生管理も行き届かない野性に近い時代の話し。




「おまえは、俺の傍にいてくれよ。」




「おまえは、卑怯者にならないでいてくれよ。」




これがいとも簡単に命のやり取りをする子供特に男子のすることなんだ。




今は違う。



でも本質は同じ。





時代は変わった。人は変わらない。




「スタンド・バイ・ミー」は





男の子が、男に脱皮するかもしれない観察日記なんだよ。





これは男しか分からない。




脱皮は女は出来ない。




脱皮なのだから男しかできないのだよ。

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山田詠美著「つみびと SINNERS」読みました

2019-06-09 15:56:10 | 小説等感想
最新作。傑作。

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横溝正史「恐ろしき四月馬鹿」を考えてみた(ネタバレ)

2019-04-01 14:42:12 | 小説等感想
横溝正史の有名な短編。

大正時代に発表された。


騙す方が逆に騙されたはなし。


ドッキリのどっきり。


とある時代のとある町のM中学校の寮で殺人事件。



寮生仲間をビックリさせようと狂言殺人事件を起こす栗田と小崎。


しかし違和感を察した速水が二人がエイプリールフールに仕組んだ悪戯だと見抜く。


速水は逆に騙される側だった寮生と被害者役の小崎をうまく丸め込んで本当の殺人事件になったと栗田を嵌める。


一杯喰わされた栗田はショックで気絶してしまう。


この物語は結末を話してもちっとも遜色がないのが凄いと思う。



自分の仕組んだトラップに引っ掛かってしまうなんて意外とよくある。


え?ない。私はよくありますよ。


IDや銀行カードやらネットの暗証番号やら…もうそんな感じです。

なぜ今このはなし?




実は世間様では新元号で持ちきりの様子で辟易しているから。



と、思ったのだが半径15メートルの身の回りではそんな雰囲気何処にもない。




マスコミ主導の空気なのか、ネット上の幻想なのか、たんなる自分の色眼鏡なのか。



とにかく車の中でも会社でもラジオもテレビもシャットアウト。




サンマルクカフェでチョコクロかじりながら横溝の傑作短編を


ペラペラとめくって四月馬鹿のはなしを眺めているとみょ~に落ち着いた。


本当は世間など動いていないのかもしれない。



激動の時代、今!とか。新しい時代に突入!とか。



疑ってかかっていきたいなと思うのです。

逆に…

踊らされたいのです。



四月馬鹿で騙されたいのです。



これに激怒せず炎上せず笑って踊らされてみたいのです。


お祝いごとの向こう側にはピリピリした人々の感情が見え隠れしているのです。


余裕のない精神と不安から噴き出てくる怒りの感情。


先行き不透明な時代。使い古されたフレーズ。

不安と恐怖は怒りを生む。

自分だけ馬鹿を見るのはゴメンだ。冗談じゃない。自分だけ損するのは納得できない。


他より少ない取り分なら即刻クレーム抗議だ。


渦巻いている。


こんな凡人の私でさえ凡事生活していて肌身で感じます。



余裕のない時代。余白のない国。余暇の少ない社会。




どんどんズルく賢くなっている私。駆け引きばかり考えてしまう始末。



笑えなくなっていく。これから。



これが少年時代描いていた大人の姿だったのか。


馬鹿でいたい。



痛い男でいたい。











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色川武大著「離婚」読みましたァ…

2017-09-24 20:25:36 | 小説等感想
前略 羽鳥誠一/会津すみ子様へ

もう離婚されていますから羽鳥さんの部屋にはすみ子さんは居ませんよね。
だからこの手紙は羽鳥さんへ向けて書いているつもりです。

羽鳥さんの50枚の手記を読みました。
あまりの衝撃に2度読みしてこの手紙を書いてます。

お二人のなれ初めから離婚に至る場面そして離婚後の行方の一部始終。
大変興味深く読ませていただきました。
男と女の関係とは色々でこれが定型というものはありません。
出逢いも別れも結婚も離婚もその後の関係も定めはありません。
羽鳥さんがこの手記を49歳で書かれた。
50歳の私がそれを初めて読んだ。じつに感慨深いものがあります。
結婚から離婚までそして離婚後の関係まで6年チョットの歳月。
自分の実人生とは似ても似つかないものなのにリアルに迫ってくるため若干熱にうなされました。
正直言って離婚後のあなたの取った行動に怒りというか情けないというか惨めさというか…
とにかく男の性のみっともなさが浮き彫りにされてしまった錯覚を起こしかけ落ち込みました。
まるで自分の恥部を不本意に世間に見せてしまったような感覚です。
これを「腐れ縁」と言って片付けたくないのが私の本心です。
結婚も離婚もその後の男女関係もまったく重なる部分がないのですが、まるで私が「やらかしてしまった」ような
恥ずかしくも不思議と癒される感覚にさせてしまうのはこの手紙からもご理解いただけるのではないかと思います。

あなたの手記により色川氏が第79回直木賞を手にしました。
わたしが11歳。まだ中学生にもなっていないころです。
小学生高学年の私がまさか50の境にこの手記を食い入るように読むこととなるとは思いませんでした。
人生長生きしてしてみるものです。いや、まだ読み終わって間もないところ熱にうなされているからこんな
ことを書き連ねているのかもしれません。ここで筆を置きます。

追伸
また読み返すことがあろうかと予感いたします。気が付くこと新たにありましたらまた手紙書きます。

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